ノードダウンが発生した場合、通常のファイルシステムでは、fsck(8) によるファイルシステムの整合性回復処理を実行する必要があります。多くのファイルシステムでは、ファイルシステムの整合性回復の際に、ファイルシステムのメタデータ全体を調査する必要があります。また、ノードダウン発生時に、ファイルシステムを実際に利用できるまでに多くの時間を必要とすることがあります。
GFS 共用ファイルシステムでは、アップデートログと呼ぶ領域に、ファイルシステムの構造を変更する操作 (ファイル作成/削除など) を記録します。この領域の情報を利用することによって、システム障害から、数秒~数十秒で回復することができます。
システム障害から回復するとき、GFS 共用ファイルシステムの回復処理では、アップデートログを検索します。そして、システム障害時に行っていたファイルシステム操作を無効にするか、完了させるかを判定し、反映します。その後、ファイルシステム構造のフルチェックをすることなく、マウントして利用することが可能となります。
“1.3.1 ノードダウン時の運用継続性”で述べたように、複数ノードで動作している GFS 共用ファイルシステムではノードダウン時に自動的に整合性回復処理が動作するので sfcfsck(8) の実行は必要ありません。
注意
sfcfsck(8) のフルチェックモードも提供しています。ディスクのハードウェア障害などでファイルシステム復旧する場合にフルチェックの
sfcfsck(8) の実行が必要な場合があります。