1つの仮想インタフェースに対して、論理的なインタフェースを作成することができます。これを論理仮想インタフェースと呼びます。この機能により、アプリケーション単位に異なる仮想IPアドレスを使用することができます。
注意
論理仮想インタフェースに割付ける仮想IPアドレスは、仮想インタフェースと同じサブネットである必要があります。
以下の図2.27 論理仮想インタフェース定義例のように、仮想インタフェースsha0に論理仮想インタフェースを2つ(sha0:2とsha0:3)定義した場合、sha0,sha0:2,sha0:3には、すべて同じサブネットのIPアドレスを設定する必要があります。
参考
仮想インタフェースsha0に論理仮想インタフェース(図2.27 論理仮想インタフェース定義例ではsha0:2とsha0:3の2つ)を設定する場合、論理仮想インタフェースはipコマンドでsha0のsecondaryアドレスとして表示されます。
以下に表示例を示します。
# ip addr show sha0 N: sha0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether XX:XX:XX:XX:XX:XX brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.80.1/24 brd 192.168.80.255 scope global sha0 valid_lft forever preferred_lft forever inet 192.168.80.2/24 brd 192.168.80.255 scope global secondary sha0 valid_lft forever preferred_lft forever inet 192.168.80.3/24 brd 192.168.80.255 scope global secondary sha0 valid_lft forever preferred_lft forever
図2.27 論理仮想インタフェース定義例
論理仮想インタフェースとして作成できるインタフェースの数は、論理番号が2から64までの63個になります。なお、65番以降の論理番号をもつ論理仮想インタフェースは、クラスタ構成時の引継ぎ仮想インタフェースとして使用されます。
クラスタ構成のGS連携方式の場合、論理仮想インタフェースを使用することで、同じネットワークに属する仮想IPアドレスをクラスタ間で引き継ぐことができます。
図2.28 論理仮想インタフェース定義例(クラスタ構成のGS連携方式)
注意
本機能は、高速切替方式、仮想NIC方式、およびGS連携方式の場合に使用できます。
NIC切替方式の場合は、物理インタフェース共有機能を使用することにより、本機能と同等の処理(1つの物理インタフェースに複数のIPアドレスを割当てる処理)を行うことができます。
仮想NIC方式の場合、RHEL8では/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0のsecondaryアドレスとして設定してください。RHEL9ではnmcliコマンドでIPアドレスを追加してください。
OSの定義ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0:2等)を作成する必要はありません。