通常の運用では、クラスタの各ノードは、RMSのインスタンスが1つだけ実行されます。各インスタンスは、設定されている各userApplicationの動作を調整するために互いに通信します。ノードがクラッシュした場合や、他のクラスタとの通信ができなくなった場合、RMSは、そのノード上のuserApplicationオブジェクトを、障害発生ノードからクラスタ内の正常なノードに切替えることができます。この処理はフェイルオーバと呼ばれています。
フェイルオーバは個々のアプリケーションについても実行されます。userApplicationオブジェクトは、通常一度に1つのノードでのみオンラインになることができます(ただし、共有オブジェクトはこの限りではありません)。userApplicationオブジェクトが使用している資源に異常が発生した場合、そのuserApplicationオブジェクトのみをクラスタ内の別のノードに切替えます。userApplicationのフェイルオーバでは、まず、最初のノードでオブジェクトのオフライン処理を行い、その後、2番目のノードでオブジェクトのオンライン処理を行います。
また、RMSがノードの強制停止を要求することもあります。 いずれの場合にも、RMSは、userApplicationを他のノードに切替える前に、PRIMECLUSTERシャットダウン機構を使用して反応のなくなったノードが実際に停止しているのかを確認します。これによって、データの整合性が保護されます。
フェイルオーバ以外に、RMSには、資源をローカルに回復する機能もあります。これは、userApplication全体を別のクラスタノードに切替えるのではなく、障害が発生した資源だけをOnline状態に戻す機能です。