定義更新を行う際、定義済みプロパティとシステムプロパティを定義値中の変数として利用できます。
以下のようにプロパティ名を{}で囲い、先頭に'$'を付加することでこれらのプロパティを指定できます。
${com.sun.aas.javaRoot} |
定義済みプロパティ
GlassFishでは以下のプロパティがあらかじめ定義されており、定義更新時に利用できます。
なお、これらの項目は参照だけ可能であり、ユーザーがプロパティの値を変更することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
com.sun.aas.installRoot | GlassFishのインストールディレクトリーです。
|
com.sun.aas.javaRoot | JDK/JREのインストールディレクトリーです。
|
com.sun.aas.instanceRoot | GlassFish Serverインスタンスのルートディレクトリーです。 GlassFish Serverインスタンス
DAS
|
com.sun.aas.instanceRootURI | GlassFish ServerインスタンスのルートディレクトリーのURI形式です。 GlassFish Serverインスタンス [運用資産格納ディレクトリーのURI形式]/nodes/localhost-domain1/[GlassFish Serverインスタンス名] DAS
|
com.sun.aas.derbyRoot | Java DBのルートディレクトリーです。
|
com.sun.aas.hostName | GlassFishが動作するマシンのホスト名です。 |
file.separator | ファイルパスの区切り文字です。
|
path.separator | 環境変数の区切り文字です。
|
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin set resources.jdbc-connection-pool.__TimerPool.property.databaseName=${com.sun.aas.instanceRoot}/lib/databases/ejbtimer |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin set resources.jdbc-connection-pool.__TimerPool.property.databaseName=\$\{com.sun.aas.instanceRoot\}/lib/databases/ejbtimer |
システムプロパティ
システムプロパティは、以下のそれぞれに対して定義できます。
GlassFish Serverクラスター
GlassFish Serverインスタンス
それぞれにシステムプロパティを定義した場合の有効範囲と指定方法は、以下のとおりです。
ターゲット | 有効範囲 | 指定方法 |
---|---|---|
GlassFish Serverクラスター | 指定されたGlassFish Serverクラスター配下のすべてのGlassFish Serverインスタンスで有効になります。 | GlassFish Serverクラスター名を指定します。 |
GlassFish Serverインスタンス | 指定されたGlassFish Serverインスタンスで有効になります。 | GlassFish Serverインスタンス名を指定します。 |
GlassFish ServerクラスターとGlassFish Serverインスタンスに同一のシステムプロパティが重複して定義されている場合は、
GlassFish Serverインスタンスの定義内容が有効となります。
以下の項目については、各GlassFish Serverインスタンスで有効となる値が一意となるように設定してください。
これらの値は、GlassFish Serverクラスターが参照する設定、または、GlassFish Serverインスタンスのシステムプロパティとして定義されます。
なお、GlassFish Serverインスタンスの作成時、GlassFish Serverクラスターが参照する設定のシステムプロパティで定義されたポート番号が、他のGlassFish Serverインスタンスにより利用されている場合、設定で定義された値を起点に利用可能なポート番号が自動的に採番されてGlassFish Serverインスタンス配下にシステムプロパティが作成されます。
設定のシステムプロパティで定義されているポート番号を利用しているインスタンスが他に存在しない場合は、GlassFish Serverインスタンスのシステムプロパティは作成されず、設定のシステムプロパティの定義値(下記表の省略値)がGlassFish Serverインスタンスで有効になります。
プロパティ名 | 省略値 | 範囲(注) | 説明 |
---|---|---|---|
ASADMIN_LISTENER_PORT | 24878 | 1~65535 | 運用管理用HTTPリスナーのポート番号です。 |
HTTP_LISTENER_PORT | 28797 | 1~65535 | HTTPリスナーのポート番号です。 |
HTTP_SSL_LISTENER_PORT | 28898 | 1~65535 | SSL通信用のHTTPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_LISTENER_PORT | 30700 | 1~65535 | IIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_LISTENER_PORT | 30820 | 1~65535 | SSL通信用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT | 30920 | 1~65535 | SSL通信クライアント認証用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT | 28756 | 1~65535 | JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート番号です。 |
JAVA_DEBUGGER_PORT | 29009 | 1~65535 | Java Platform Debugger Architecture(JPDA)の接続ポート番号です。Java VMのデバッグ起動時に本ポート番号が開かれます。 詳細は「9.8.15 Java VMの定義項目」を参照してください。 |
OSGI_SHELL_TELNET_PORTは未サポートです。
ポート番号には、システム上のアプリケーションを含むすべてのサービスにおいて、それぞれ異なるポート番号を設定する必要があります。以下の値を設定しないでください。
システム内の他のサービス、システム上のアプリケーションが使用するポート番号
システムが動的に割り当てる領域のポート番号(エフェメラルポート)
ポート番号の設定については、「付録D ポート番号」を参照してください。
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin set Cluster001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=${IIOP_LISTENER_PORT} |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin set Cluster001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=\$\{IIOP_LISTENER_PORT\} |
また、以下の項目はGlassFish Serverクラスターごとに値を設定してください。DASのGlassFish Serverインスタンスに設定する場合を除き、GlassFish Serverインスタンスごとにシステムプロパティを設定することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
JMS_PROVIDER_PORT | JMSプロバイダのポート番号です。 |
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin set Cluster001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin set Cluster001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=\$\{JMS_PROVIDER_PORT\} |
システムプロパティの設定については、以下も参照してください。