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Enterprise Postgres 15 クラスタ運用ガイド(PRIMECLUSTER編)

2.7 データベースクラスタの作成

  1. データベースクラスタを作成してください。

    注意

    • パスワード認証を必要とする設定にした場合は、Fujitsu Enterprise Postgresを起動するオペレーティングシステムのユーザーのホームディレクトリに、.pgpassファイルを作成してtemplate1データベースに対するパスワードを必ず指定してください。また、.pgpassファイルのホスト名にはlocalhostを指定してください。
      PRIMECLUSTERがFujitsu Enterprise Postgresデータベースサーバの動作確認を行うときに使用します。認証に失敗した場合にはデータベースサーバがFAULTしたとみなします。

    • postgresql.conf の port パラメータに指定したものと同じポート番号を、すべてのノードの/etc/servicesファイルに設定する必要があります。

    • postgresql.conf はデータディレクトリ上に配置されるため、共用ディスクを通して各ノードの共通の設定ファイルとなります。したがって、postgresql.conf に設定されたパスは各ノードで起動されるFujitsu Enterprise Postgresのサーバプロセスにおいて有効になることを考慮する必要があります。例えば、core_directory パラメータにローカルディレクトリを指定している場合は、そのローカルディレクトリがすべてのノードにおいて作成されていることが要求されます。

    • Fujitsu Enterprise Postgresのコマンドを実行する場合は、各ノードで環境変数の設定を行う必要があります。

    • データベースクラスタの作成には、initdbコマンドを使用してください。

    • postgresql.conf の restart_after_crash パラメータにoffを指定してください。
      restart_after_crash パラメータにonを指定またはデフォルトの場合、一部のサーバプロセスがダウンした際に、クラッシュリカバリを含めたFujitsu Enterprise Postgresの再起動に相当する動作が行われます。しかし、PRIMECLUSTER連携では、一部のサーバプロセスがダウンした時点で異常を検知してフェイルオーバが発生し、再起動途中のサーバプロセスが強制停止されます。このような意味なく再起動して途中でキャンセルされるという複雑な動作を抑止するためです。

  2. 各ノードで起動、接続、停止の確認を行ってください。以下に手順を示します。

      

    注意

    PRIMECLUSTERからFujitsu Enterprise Postgresの監視を行うために、クエリを発行しています。このとき接続処理においてパスワード入力を求められると、監視処理を継続できなくなります。そのため、接続の確認を行うときには、パスワード入力なしに正しく接続できることを確認してください。

    ポイント

    PRIMECLUSTERからFujitsu Enterprise Postgresの監視を行う際に、インスタンスに接続するアプリケーション名は‘pgx_wch_svprocess’です。

    1. ノード1で起動、接続、停止を確認します。

      起動・停止はpg_ctlコマンドを使用して実施してください。

      接続は以下を実行して、パスワード入力なしに接続できることを確認してください。

      su - osuser
      psql -d template1 -p portnum [ -U dbuser]

        osuser:Fujitsu Enterprise Postgresを起動するオペレーティングシステムのユーザー
        portnum:データベースクラスタ作成時に指定したポート番号
        dbuser:データベースのスーパーユーザー

      initdbコマンドの実行時にデータベースのスーパーユーザーを設定している場合や、initdbコマンドの実行後にデータベースのスーパーユーザーを変更している場合には、-Uオプションに、そのユーザーを指定してください。設定・変更していない場合は、省略してください。

    2. ノード1でデータ格納先用のディレクトリなどのデータベースクラスタの作成に必要な資源を配置したファイルシステムをすべてアンマウントし、GDSボリュームを停止します。

    3. ノード2でGDSボリュームを起動し、データ格納先用のディレクトリなどのデータベースクラスタの作成に必要な資源を配置したファイルシステムをすべてマウントします。

    4. ノード2で起動、接続、停止を確認します。

      手順1と同様の確認をしてください。

    5. ノード2でデータ格納先用のディレクトリなどのデータベースクラスタの作成に必要な資源を配置したファイルシステムをすべてアンマウントし、GDSボリュームを停止します。

    6. ノード1でGDSボリュームを起動し、データ格納先用のディレクトリなどのデータベースクラスタの作成に必要な資源を配置したファイルシステムをすべてマウントします。

      

参照

  • データベースクラスタの作成については、“導入ガイド(サーバ編)”の“インスタンスの作成”の“initdbコマンドを使用する場合”を参照してください。

  • パスワードを設定するファイルの詳細については、“PostgreSQL Documentation”の“Client Interfaces”の“The Password File”を参照してください。