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Enterprise Postgres 15 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)

3.9.4 裁定サーバを利用して自動縮退を行うデータベース多重化運用への変更

データベースサーバのMirroring Controllerのみの運用から、裁定サーバを利用して自動縮退を行うデータベース多重化運用に変更する場合の手順を示します。

運用の変更は、データベースサーバと裁定サーバでの操作が必要です。

裁定サーバでの操作

  1. 裁定サーバのセットアップを行います。

    裁定サーバのセットアップ手順については、“2.3 裁定サーバのセットアップ”を参照してください。

データベースサーバでの操作

  1. Mirroring Controllerが起動しているサーバ上で、mc_ctlコマンドをstopモードで実行し、プライマリサーバとスタンバイサーバのMirroring Controllerを停止してください。

    例)
    $ mc_ctl stop -M /mcdir/inst1 -a --mc-only
  2. プライマリサーバとスタンバイサーバのnetwork.confを編集し、裁定サーバの情報を追加してください。

    詳細は、“A.3 ネットワーク定義ファイル”を参照してください。

    以下にプライマリサーバのnetwork.confの定義例を示します。

    例)
    プライマリサーバ、スタンバイサーバのサーバ識別子に“server1”および“server2”、ポート番号に“27540”“27541”、またMirroring Controller裁定プロセスのサーバ識別子に“arbiter”、ポート番号に“27541”を指定している場合の例を以下に示します。
    server1 192.0.2.100,192.0.3.100 27540,27541 server
    server2 192.0.2.110,192.0.3.110 27540,27541 server
    arbiter 192.0.3.120 27541 arbiter

    注意

    • ポート番号は、プライマリサーバ、スタンバイサーバ、裁定サーバのどのサーバにおいても、他のソフトウェアと重ならないように設定してください。また、管理用ネットワークと裁定用ネットワークのセグメントを兼用して構成しないでください。

    • サーバ種別が“server”の場合、IPアドレスまたはホスト名、およびポート番号を2つずつ以下の順序で指定する必要があります。

      • 管理用ネットワークとして使用するデータベースサーバ側のIPアドレスまたはホスト名

      • 裁定用ネットワークとして使用するデータベースサーバ側のIPアドレスまたはホスト名

      • 管理用ネットワークとして使用するデータベースサーバ側のポート番号

      • 裁定用ネットワークとして使用するデータベースサーバ側のポート番号

    • サーバ種別が“arbiter”の場合、IPアドレスまたはホスト名はarbitration.confファイルのmy_addressパラメータに指定したIPアドレスまたはホスト名、ポート番号はarbitration.confファイルのportパラメータに指定したポート番号を指定してください。

  3. プライマリサーバとスタンバイサーバのサーバ識別子.confを編集し、裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用に必要なパラメータを追加してください。

    裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用の場合に必要なパラメータについては、“A.4.1 データベースサーバのサーバ定義ファイル”を参照してください。

  4. プライマリサーバとスタンバイサーバでmc_ctlコマンドをstartモードで実行し、Mirroring Controllerのプロセスを起動します。

    例)
    $ mc_ctl start -M /mcdir/inst1 --mc-only
共通の操作
  1. データベースサーバまたは裁定サーバから接続状態を確認します。

    接続状態の確認手順については、“2.8 接続状態の確認”を参照してください。