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Enterprise Postgres 15 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)

A.3 ネットワーク定義ファイル

データベースサーバと裁定サーバのそれぞれに定義する、ネットワーク定義ファイル(network.confファイル)について説明します。プライマリサーバとスタンバイサーバは同じ内容を定義してください。

データベース多重化運用では、network.confファイルに、以下に関するネットワークの構成を定義します。

network.confファイルに定義する項目

[指定形式]
サーバ識別子 ホスト名[,ホスト名] ポート番号[,ポート番号] [サーバ種別]
または、
サーバ識別子 IPアドレス[,IPアドレス] ポート番号[,ポート番号] [サーバ種別]

サーバ識別子、IPアドレスまたはホスト名、ポート番号、およびサーバ種別を半角空白で区切って指定します。

各項目の説明を以下に示します。

表A.3 network.confファイル

項目

説明

サーバ識別子

サーバを識別する任意の識別子を指定します。最大長は64バイトです。半角空白または#以外のASCII文字で指定してください。

IPアドレスまたはホスト名

データベースサーバ間の通信を行う管理用ネットワークおよびデータベースサーバと裁定サーバ間の通信を行う裁定用ネットワークに接続する、IPアドレスまたは対応するホスト名を指定します。

IPアドレスまたはホスト名をカンマ区切りで2つ指定する場合は、カンマの後にスペースを入れないでください。

ホスト名は、半角空白以外のASCII文字で指定してください。

ポート番号

ポート番号は、0 ~ 65535の範囲を超えて指定できません。他のソフトウェアと重ならないように設定してください。また、他のプログラムによって一時的に割り当てられる可能性のあるエフェメラルポートを指定しないでください。なお、本パラメータに指定したポート番号は、サービスファイルに設定する必要があります。

ポート番号をカンマ区切りで2つ指定する場合は、カンマの後ろにスペースを入れないでください。

サーバ種別

サーバ種別は、データベースサーバを示す“server”、または裁定サーバを示す“arbiter”を指定してください。なお、データベースサーバを示す“server”は省略可能です。

データベースサーバでの定義内容

データベースサーバに定義するnetwork.confの定義内容を説明します。

ハートビート異常検出時の動作の設定値によって、定義内容が異なります。

裁定サーバによる自動縮退を選択した場合
  • 管理用ネットワークと裁定用ネットワークに関する定義を行います。

  • サーバ種別(データベースサーバまたは裁定サーバ)に応じて、IPアドレスまたはホスト名、およびポート番号を下表のとおりに指定します。

    サーバ種別

    IPアドレスまたはホスト名

    ポート番号

    1つ目

    2つ目

    1つ目

    2つ目

    server

    管理用ネットワークとして使用するIPアドレスまたはホスト名

    裁定用ネットワークとして使用するIPアドレスまたはホスト名(注)

    管理用ネットワークとして使用するポート番号

    裁定用ネットワークとして使用するポート番号(注)

    arbiter

    裁定サーバ側のIPアドレスまたはホスト名

    裁定サーバのarbitration.confのmy_addressパラメータに指定した値と同じ値を指定してください。

    指定不要

    裁定サーバ側のポート番号

    裁定サーバのarbitration.confのportパラメータに指定した値と同じ値を指定してください。

    指定不要

    注)自サーバの定義でなければ省略可能ですが、省略した場合、プライマリサーバとスタンバイサーバそれぞれでnetwork.confファイルの作成が必要です。


設定例)
[IPv4の場合]
server1 192.0.2.100,192.0.3.100 27540,27541 server
server2 192.0.2.110,192.0.3.110 27540,27541 server
arbiter 192.0.3.120             27541       arbiter
[IPv6の場合]
server1 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea7:559f,2001:258:8404:1217:250:56ff:fea8:559f 27540,27541 server
server2 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea7:55a0,2001:258:8404:1217:250:56ff:fea8:55a0 27540,27541 server
arbiter 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea8:55a0                                       27541       arbiter

裁定サーバによる自動縮退以外を選択した場合
  • 管理用ネットワークに関する定義を行います。

  • プライマリサーバ、スタンバイサーバで同じ内容を定義します。

  • サーバ種別がデータベースサーバの行のみを定義します。

  • IPアドレスまたはホスト名、ポート番号は1つだけ指定します。

    IPアドレスまたはホスト名

    ポート番号

    1つ目

    2つ目

    1つ目

    2つ目

    管理用ネットワークとして使用するIPアドレスまたはホスト名

    指定不要

    管理用ネットワークとして使用するポート番号

    指定不要


設定例)
[IPv4の場合]
server1 192.0.2.100 27540
server2 192.0.2.110 27540
[IPv6の場合]
server1 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea7:559f 27540
server2 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea7:55a0 27540

裁定サーバでの定義内容

裁定サーバに定義するnetwork.confの定義内容を説明します。

設定例)
[IPv4の場合]
server1 192.0.3.100 27541
server2 192.0.3.110 27541
[IPv6の場合]
server1 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea8:559f 27541
server2 2001:258:8404:1217:250:56ff:fea8:55a0 27541

ネットワークに関する定義の関係について

ネットワーク定義ファイル(network.confファイル)や裁定定義ファイル(arbitration.confファイル)に指定するホスト名および、IPアドレスまたはポート番号の関係については、以下の図を参照してください。