データベース多重化システムを構成する製品、機能、およびネットワークについて説明します。
データベース多重化システムは、以下のネットワークを使用します。
ネットワークの種類 | 目的 |
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業務用ネットワーク | データベースにアクセスするアプリケーションとデータベースサーバ間のネットワークです。 |
裁定用ネットワーク | 裁定サーバがプライマリサーバとスタンバイサーバの状態確認やデータベースサーバのMirroring Controllerと通信するためのネットワークです。また、業務用ネットワークが外部から切り離されている場合には、裁定用ネットワークと兼用することができます。ネットワークのセキュリティについては“1.4 データベース多重化におけるセキュリティ”を参照してください。 |
管理用ネットワーク | プライマリサーバおよびスタンバイサーバのMirroring Controllerによる相互監視や、他サーバのMirroring Controllerを制御するために使用するネットワークです。 |
ログ転送用ネットワーク | データベースを多重化するために、データベースのトランザクションログの転送などに使用するネットワークです。 |
図1.5 データベース多重化運用のシステム構成
裁定サーバは、第三者としてデータベースサーバの状態確認とフェンシングを行うことを目的に設置します。そのため、裁定サーバの効果を得るためには、以下の構成を考慮してください。
裁定サーバは、データベースサーバと異なるサーバに設置してください。
裁定用ネットワークは、管理用ネットワークやログ転送用ネットワークでの回線障害や負荷の影響を受けないネットワークを利用してください。管理用ネットワークやログ転送用ネットワークの異常を正しく判断するために必要です。
ポイント
裁定サーバは、アプリケーションサーバと兼用することが可能です。ただし、サーバの負荷に考慮してください。
裁定サーバは、他のクラスタシステムなどと連携し、冗長化することを推奨します。
裁定サーバは、プライマリサーバおよびスタンバイサーバと同一バージョンのFujitsu Enterprise Postgresと組み合わせて使用してください。
裁定サーバはデータベースサーバと異なるプラットフォームに構築することも可能です。
注意
データベースサーバのハートビート監視はOSのpingコマンドを利用しているため、管理用ネットワークおよび裁定用ネットワークにおいてICMPが利用可能なようにネットワークの設定を行ってください。