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Enterprise Postgres 15 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)

1.2 データベース多重化運用のシステム構成

データベース多重化システムを構成する製品、機能、およびネットワークについて説明します。

データベース多重化システムは、以下のネットワークを使用します。

ネットワークの種類

目的

業務用ネットワーク

データベースにアクセスするアプリケーションとデータベースサーバ間のネットワークです。

裁定用ネットワーク

裁定サーバがプライマリサーバとスタンバイサーバの状態確認やデータベースサーバのMirroring Controllerと通信するためのネットワークです。また、業務用ネットワークが外部から切り離されている場合には、裁定用ネットワークと兼用することができます。ネットワークのセキュリティについては“1.4 データベース多重化におけるセキュリティ”を参照してください。

管理用ネットワーク

プライマリサーバおよびスタンバイサーバのMirroring Controllerによる相互監視や、他サーバのMirroring Controllerを制御するために使用するネットワークです。

ログ転送用ネットワーク

データベースを多重化するために、データベースのトランザクションログの転送などに使用するネットワークです。

図1.5 データベース多重化運用のシステム構成


裁定サーバは、第三者としてデータベースサーバの状態確認とフェンシングを行うことを目的に設置します。そのため、裁定サーバの効果を得るためには、以下の構成を考慮してください。

ポイント

  • 裁定サーバは、アプリケーションサーバと兼用することが可能です。ただし、サーバの負荷に考慮してください。

  • 裁定サーバは、他のクラスタシステムなどと連携し、冗長化することを推奨します。

  • 裁定サーバは、プライマリサーバおよびスタンバイサーバと同一バージョンのFujitsu Enterprise Postgresと組み合わせて使用してください。

  • 裁定サーバはデータベースサーバと異なるプラットフォームに構築することも可能です。

注意

データベースサーバのハートビート監視はOSのpingコマンドを利用しているため、管理用ネットワークおよび裁定用ネットワークにおいてICMPが利用可能なようにネットワークの設定を行ってください。