レプリケーションの運用にあたっては、以下の手順によるセットアップが必要です。
データベースのセットアップ
Linkexpressのセットアップ
Linkexpress Replication optionのセットアップ
複写元・複写先データベースのインストール・セットアップを実施します。ここでは、複写元データベースであるOracleのセットアップについて説明します。なお、Oracleのセットアップの詳細については、Oracleのソフトウェア説明書およびOracleのマニュアルを参照してください。
複写先データベースであるSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのセットアップについては、“Symfoware Server 導入ガイド(サーバ編)”、“Symfoware Server セットアップガイド”または“Enterprise Postgres 導入ガイド(サーバ編)”を参照してください。
データベース・キャラクタ・セット(NLS_LANG)がJapanese_Japan.AL32UTF8の場合、
NLS_NCHAR_CHARACTERSETには、UTF8を指定することを推奨します。
Linkexpress Replication optionのOracle抽出レプリケーションを使用する場合には、以下のSQLスクリプトの実行が必要です。
catalog.sql
catproc.sql
Linkexpress Replication optionのOracle抽出レプリケーションでは、トリガを利用して差分ログを収集しています。さらにトリガ内では外部プロシジャをコールすることで、トランザクションログデータベースへの格納形式に変換しています。トリガ内で外部プロシジャをコールするためには、リスナー(Listener)を起動する必要があります。以下にリスナーのセットアップ方法および起動方法を説明します。
リスナーのセットアップは、$ORACLE_HOME/network/admin配下にある以下のファイルを修正します。ファイルがない場合には作成してください。
listener.ora
tnsnames.ora
extproc.ora
listener.oraファイルに以下の記述を追加してください。なお、SID_NAME、ORACLE_HOMEはシステムに合うように修正してください。詳細は、Oracleのマニュアルを参照してください。
EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER = → 1 (ADDRESS_LIST = (ADDRESS= (PROTOCOL= IPC)(KEY= extproc_key)) ) SID_LIST_EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER = → 2 (SID_LIST = (SID_DESC = (SID_NAME = レプリケーション対象インスタンスのOracleシステム識別子(SID)) (ENVS = "EXTPROC_DLLS = ONLY:/opt/FJSVlnkre/lib/f3earpofunc64.so") → 3 (ORACLE_HOME = Oracleのインストールパス) (PROGRAM = extproc) → 4 ) )
外部プロシジャ用リスナー名です。
外部プロシジャ用静的サービス登録(SID_LIST)、SID_LIST_外部プロシジャ用リスナー名です。
EXTPROC_DLLSには、Linkexpress Replication optionのライブラリを指定します。
例)
(ENVS="EXTPROC_DLLS=ONLY:/opt/FJSVlnkre/lib/f3earpofunc64.so")
組み合わせるOracleに関係なく、PROGRAMにextprocを指定します。
EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER = → 1 (ADDRESS_LIST = (ADDRESS= (PROTOCOL= IPC)(KEY= extproc_key)) ) SID_LIST_EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER = → 2 (SID_LIST = (SID_DESC = (SID_NAME = レプリケーション対象インスタンスのOracleシステム識別子(SID)) (ENVS="EXTPROC_DLLS=ONLY:/opt/FSUNlnkre/lib/f3earpofunc64.so") → 3 (ORACLE_HOME = Oracleのインストールパス) (PROGRAM = extproc32) → 4 ) )
外部プロシジャ用リスナー名です。
外部プロシジャ用静的サービス登録(SID_LIST)、SID_LIST_外部プロシジャ用リスナー名です。
組み合わせるOracleに関係なく、EXTPROC_DLLSにはf3earpofunc64.soを指定します。
Oracle19cの場合は、extprocを指定してください。
tnsnames.oraファイルに以下の記述を追加してください。すでにextprocに対して定義されている場合(listener.oraファイルのextprocまたはextproc32に対応するKEYが定義されている場合。下の場合にはextproc_key)には、追加する必要はありません。なお、SIDはシステムに合うように修正してください。
extproc_connection_data = (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = extproc_key)) (CONNECT_DATA = (SID = o1010)) )
$ORACLE_HOME/hs/adminにextproc.oraファイルが存在する場合は、extproc.oraファイルのSET EXTPROC_DLLSに、「/opt/FJSVlnkre/lib/f3earpofunc64.so」または「/opt/FSUNlnkre/lib/f3earpofunc64.so」を設定します。
SET EXTPROC_DLLSの設定がない場合は新たに設定してください。
例)
Linuxの場合
SET EXTPROC_DLLS=/opt/FJSVlnkre/lib/f3earpofunc64.so
Solarisの場合
SET EXTPROC_DLLS=/opt/FSUNlnkre/lib/f3earpofunc64.so
Oracleの管理者のログインIDで以下を実行し、リスナーを起動してください。
lsnrctl start リスナー名
リスナー名:上記の例では「EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER」になります。
また、以下の方法でリスナーを停止することができます。
lsnrctl stop リスナー名
リスナー名:上記の例では「EXTERNAL_PROCEDURE_LISTENER」になります。
Linkexpress Replication optionのOracle抽出レプリケーションにおける全件抽出では、複写元システムで文字コード変換を行う場合、lxrpoextコマンドでデータベースからデータを抽出した後、Linkexpressのlxcnvcdコマンドを内部から実行することで文字コード変換を行っています(UNIXシステム・ハンドラを使用)。
そのため、lxrpoextコマンドを使用するにあたっては、$ORACLE_HOME/network/admin配下のsqlnet.oraファイルを以下のように修正してください。ファイルがない場合には作成してください。
bequeath_detach=yes
sqlnet.oraファイルについての詳細は、Oracleのマニュアルを参照してください。
ここでは、Linkexpressのセットアップの方法について説明します。
Linkexpressのセットアップは以下の手順で行います。
インストール
TCP/IPの環境定義
Linkexpressの環境定義
DB連携機能の環境定義
Linkexpressのインストールの方法については、Linkexpressのソフトウェア説明書を参照してください。
Linkexpressの環境定義は以下の手順で行います。
動作環境定義
ネットワーク定義
サーバグループ定義
動作環境定義は、Linkexpressの基礎的な動作規定に関する情報を定義します。動作環境定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
ネットワーク定義は、データ通信を行うための情報を定義します。ネットワーク定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
サーバグループ定義は、サーバ間の運用情報のやり取りで使用されるセキュリティ情報を定義します。サーバグループ定義の方法については、“Linkexpress 導入ガイド”を参照してください。
なお、Linkexpressの環境定義については、“付録A Linkexpressの環境定義例”も併せて参照してください。
LinkexpressのDB連携機能は、あるシステムのデータを他のシステム上のデータベースに展開(格納)する機能を提供します。Linkexpress Replication optionではDB連携機能を使用してレプリケーション運用を行います。
DB連携機能の環境定義は以下の手順で行います。
環境変数の設定方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
DB動作環境定義の作成方法については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
DB動作環境定義については、以下の場所にサンプルを提供しています。セットアップ時の参考にしてください。
Windowsの場合
格納先ディレクトリ
インストールディレクトリ(注)\SAMPLE\DBENV
注)Linkexpress Replication optionのインストールディレクトリです。
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
Solarisの場合
格納先ディレクトリ
/opt/FSUNlnkre/SAMPLE/DBENV
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
Linuxの場合
格納先ディレクトリ
/opt/FJSVlnkre/SAMPLE/DBENV
ファイル名
LX_STRDB.ENV(格納処理時のDB動作環境定義のサンプル)
LX_EXTDB.ENV(抽出処理時のDB動作環境定義のサンプル)
参考
Linkexpress Replication optionでは、抽出処理時にも内部的にDB連携機能が動作します。このため、サンプルは、格納処理時と抽出処理時の2種類を提供しています。
差分ログデータと複写先データベースのデータの不整合発生時の動作を指定します。
EXIT:異常終了します(省略値)。
CONTINUE:代替レコード操作を行い、処理を継続します。
複写元システムでOracleの緊急停止、またはオペレーティングシステムのダウンが発生した場合、レプリケーションで重複した差分ログが抽出される場合があります。このため、本オペランドには“CONTINUE”を指定してください。
なし。
lxstrdbコマンド
TABLE_KEYCHK
PRIMARY KEYで構成された複写先データベースに対して抽出データを格納する場合、lxstrdbコマンドの動作を指定します。
YES:異常終了します(省略値)。
NO :処理を継続します。
複写先データベースのPRIMARY KEYで構成される表に対してレプリケーションを行う場合は、“NO”を指定してください。
なし。
lxstrdbコマンド
本オペランドは、複写先データベースが以下のいずれかの場合に指定できます。
Symfoware Server (Postgres)
Enterprise Postgres
Symfoware Server (Nativeインタフェース)
複写先データベースであるSymfoware ServerまたはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンを指定します。
95 : Symfoware Server(Postgres)またはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが9.5の場合に指定します。なお、Linuxの場合は、本指定値が省略値となります。
96 : Symfoware Server(Postgres)またはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが9.6の場合に指定します。なお、Solarisの場合は、本指定値が省略値となります。
10 : Enterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが10の場合に指定します。
11 : Enterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが11の場合に指定します。
12 : Symfoware Server(Postgres)またはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが12の場合に指定します。
13 : Enterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが13の場合に指定します。
14 : Symfoware Server(Postgres)またはEnterprise PostgresがベースとするPostgreSQLのメジャーバージョンが14の場合に指定します。
本オペランドを省略した場合の意味は、DBサービス定義ファイルの出力データ形式に従います。詳細は、“Linkexpress運用ガイド”を参照してください。
複写先データベース | DBサービス定義の | PGS_VERSIONの指定 |
---|---|---|
Symfoware Server(Openインタフェース) | symfoware/pgs | 指定できません |
Symfoware Server(Postgres) V12.3 | symfoware/pgs | 指定できません(注) |
enterprise/pgs | 95を指定します | |
Linux/Windows Symfoware Server(Postgres) V12.4 | enterprise/pgs | 95を指定します |
Solaris Symfoware Server(Postgres) V12.4以降 | enterprise/pgs | 96を指定します |
Enterprise Postgres 9.6 | enterprise/pgs | 96を指定します |
Enterprise Postgres 10 | enterprise/pgs | 10を指定します |
Enterprise Postgres 11 | enterprise/pgs | 11を指定します |
Linux/Windows Symfoware Server(Postgres) V12.4.1 | enterprise/pgs | 12を指定します |
Enterprise Postgres 13および13 SP1 | enterprise/pgs | 13を指定します |
Linux Symfoware Server(Postgres) Enterprise Extended Edition V12.7 | enterprise/pgs | 14を指定します |
注) NATIONAL CHARACTER VARYING型へのレプリケーションはできません。
なし。
lxstrdbコマンド
出力するメッセージの種類を指定します。
i: 情報、警告およびエラーメッセージを出力します(省略値)。
w: 警告およびエラーメッセージを出力します。
e: エラーメッセージだけ出力します。
なし。
lxrpoextコマンド、lxrpocmtコマンド
浮動小数点属性データの型変換の桁あふれ発生時の動作を指定します。
EXIT : 異常終了します(省略値)。
CONTINUE : 代替値を採用し処理を継続します。
なし。
lxrpoextコマンド
文字属性データのコード変換エラー発生時の動作を指定します。
EXIT : 異常終了します(省略値)。
CONTINUE : ALTERNATE_CHARACTER1キーワードまたはUNICODE_ALTERNATE_CHARACTER1キーワードの指定値を代替値として採用し、処理を継続します。
なし。
lxrpoextコマンド
コード変換エラー時の代替文字を指定します。
1バイトおよび2バイトの代替文字を"XX:YYYY"の形式で指定します。本キーワードを省略した場合、それぞれ半角および全角のアンダ・スコアに対応するコードが採用されます。
"XX"および"YYYY"に設定する値は、代替文字を出力データのコード系の16進数で表現した値です。
"XX"に指定したコードは英数字属性(CHARなど)の代替文字、"YYYY"に指定したコードは日本語属性(NCHARなど)の代替文字になります。
CHARACTER_CONVERT_ERROR:CONTINUE
lxrpoextコマンド
文字属性データの文字あふれ発生時の動作を指定します。
EXIT : 異常終了します(省略値)。
CONTINUE : あふれた文字列を切り捨て、処理を継続します。
なし。
lxrpoextコマンド
文字あふれ発生時の不完全文字に対する代替文字を指定します。
1バイトの代替文字を出力データのコード系の16進数で表現した値で指定します。本キーワードを省略した場合、半角のアンダ・スコアに対応するコードが採用されます。
CHARACTER_OVERFLOW:CONTINUE
lxrpoextコマンド
UNICODE系を出力コードとする場合のコード変換エラー時の代替文字を指定します。
1バイトおよび2バイトの代替文字を"UNICODE系の形式:1バイト系文字用代替文字:2バイト系文字用代替文字"の形式で指定します。本キーワードを省略した場合、それぞれ半角および全角のアンダ・スコアに対応するコードが採用されます。
CHARACTER_CONVERT_ERROR:CONTINUE
lxrpoextコマンド
ここでは、Linkexpress Replication optionのセットアップの方法について説明します。
セットアップの手順は、複写元システムと複写先システムで異なります。
セットアップの手順を以下に示します。
複写元システム | 複写先システム |
---|---|
1.インストール | 1.インストール (注) |
2.動作環境ファイルの作成 | - |
3.トランザクションログデータベースの作成 | - |
注)複写先システムがSymfoware Parallel Serverの場合は、複写先システムのインストールは必要ありません。
Linkexpress Replication optionのインストールの方法については、 “インストールガイド”を参照してください。
Linkexpress Replication optionのOracle抽出レプリケーションを使用する場合には、複写元システムで以下の環境変数を設定してください。
Linuxの場合
環境変数名 | 指定内容 |
---|---|
/opt/FJSVlnkre/bin | |
/opt/FJSVlnkre/lib | |
Oracleシステム名 | |
Japanese_Japan.AL32UTF8 | |
LANG | ja_JP.UTF-8 |
Oracleのインストールパス |
注)レプリケーションはOracleシステム単位(ORACLE_SID)に運用します。Oracleシステムを認識するために、環境変数“ORACLE_SID”を指定する必要があります。
Solarisの場合
環境変数名 | 指定内容 |
---|---|
/opt/FSUNlnkre/bin | |
/opt/FSUNlnkre/lib | |
Oracleシステム名 | |
| |
LANG |
|
Oracleのインストールパス |
注1) 64bit版のOracle Databaseを使用する場合、次の32bit版クライアントをインストールする必要があります。
・Oracle Database 19c Client(19.3) for Oracle Solaris on SPARC(32-bit)
32bit版クライアントのインストール後は、以下のシンボリックリンクを作成することで前述のLD_LIBRARY_PATHが有効となります。
$ORACLE_HOME配下で、シンボリックリンク名:"lib32"を作成します。実体は、32bit版クライアントのlibです。以下に、32bit版クライアントを /work へインストールした場合の例を示します。
ln -s /work/ora/app/oracle/product/19.3.0/client_1/lib $ORACLE_HOME/lib32
注2)レプリケーションはOracleシステム単位(ORACLE_SID)に運用します。Oracleシステムを認識するために、環境変数“ORACLE_SID”を指定する必要があります。
参照
Oracleを運用するために必要な環境変数については、Oracleのソフトウェア説明書およびマニュアルを参照してください。
さらにLinkexpressを運用するための環境変数が必要です。Linkexpressの運用で必要な環境変数については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
Linkexpress Replication optionのOracle抽出レプリケーションを使用する場合には、複写先システムでSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresの運用で必要な環境変数とLinkexpressを運用するための環境変数が必要です。Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの運用で必要な環境変数については、“Symfoware Server 運用ガイド”、“Symfoware Server セットアップガイド”または“Enterprise Postgres 導入ガイド(サーバ編)”を参照してください。また、Linkexpressの運用で必要な環境変数については、“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルには、Linkexpress Replication optionの動作条件や、Linkexpress Replication optionが管理するファイルの配置先などを指定します。
Linkexpress Replication optionをインストールすると、動作環境ファイルの雛形が作成されます。
Linuxの場合
格納先ディレクトリ:/opt/FJSVnkre/etc/
ファイル名:lxrpoconfig
Solarisの場合
格納先ディレクトリ:/opt/FSUNlnkre/etc/
ファイル名:lxrpoconfig
インストール直後の動作環境ファイルの内容は以下のとおりです。
# Config for Linkexpress Replication option(ORACLE抽出レプリケーション) CIRCULATING_TIME = 10 DEFMNGPATH = /home/rep/defmng WORKPATH = /home/rep/workpath ORACLE_VERSION = 1930
備考:「#」で始まる行はコメント行です。
動作環境ファイルは、上記の雛形を編集して作成します。なお、動作環境ファイルはOracleシステム名(ORACLE_SID)ごとに作成してください。作成するときのファイル名は、“ORACLE_SID.cfg(すべて半角文字で記述します)”です。
ここでは、動作環境ファイルに指定するオペランドについて説明します。
CIRCULATING_TIME = 差分ログ収集間隔
トランザクションログデータベースから差分ログを収集する間隔を指定します。本オペランドに指定された間隔でトランザクションログデータベースから差分ログの収集を行い、差分ログファイルに出力します。この間隔を差分ログ収集スケジュールと呼びます。なお、差分ログ収集スケジュールの開始、終了タイミングについては、“差分ログ収集スケジュール”を参照してください。
指定単位は分です。指定値は1から10080(1週間)までの符号なし整数が指定可能です。本オペランドは省略不可です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には10が指定されていますので、実際に運用に合った差分データ収集間隔に変更してください。
本指定値は、レプリケーション業務の業務スケジュールより小さい値を指定してください。
DEFMNGPATH (抽出定義管理ファイルの配置パス指定)
DEFMNGPATH = 抽出定義管理ファイルの格納ディレクトリパス名
抽出定義管理ファイルを管理するディレクトリパス名を指定します。
任意のパス名を214バイト以内の絶対パス名で指定します。ディレクトリパス名に空白を含むことはできません。本オペランドを省略することはできません。
指定するパス名には、すでに存在するディレクトリパスを指定してください。
指定したディレクトリパスは、Linkexpress Replication optionの起動以降で使用されます。
複数のOracleシステムで運用する場合は、システムごとに異なる配置ディレクトリパス名を指定してください。
WORKPATH = 一括差分複写用の作業域パス名
Oracleからの差分データ抽出用の作業域パス名を指定します。本領域は一括差分複写用の差分ログを取得するために使用します。
任意のパス名を170バイト以内の絶対パス名で指定します。パス名に空白を含むことはできません。本オペランドを省略することはできません。
指定するパス名には、すでに存在するパスを指定してください。
指定したパスは、Linkexpress Replication optionの起動以降で使用されます。
複数のOracleシステムで運用する場合は、システムごとに異なる作業域パス名を指定してください。
ORACLE_VERSION (Oracleのバージョンレベル)
ORACLE_VERSION = Oracleのバージョンレベル
複写元データベースであるOracleのバージョンレベルを指定します。
Oracleのバージョンレベルを“.”を省略して指定します。
Linuxの場合
1930:Oracle 19cを複写元データベースとする場合に指定します。(RHEL7の場合のみ指定可能)
Solarisの場合
1930:Oracle 19cを複写元データベースとする場合に指定します。(Solaris 11.3以降、指定可能)
本オペランドは省略できません。
REPCMD_NUM = レプリケーションのコマンド多重度
以下のレプリケーションコマンドの多重度を指定してください。
差分ログの取得開始コマンド
差分ログの取得終了コマンド
差分ログの追出しコマンド
レプリケーション起動コマンド
レプリケーション停止コマンド
レプリケーションコマンドの多重度を指定します。多重度は1から1000までの符号なし整数が指定可能です。本パラメタの値を超える多重度でコマンドを実行するとコマンドが異常終了します。本オペランドを省略すると“50”が指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーションコマンドの多重度を変更する場合に指定してください。
LOGDB_NAME(トランザクションログデータベースのスキーマ名)
LOGDB_NAME = スキーマ名.テーブル名
トランザクションログデータベースを作成したスキーマ名、テーブル名を指定します。
トランザクションログデータベースのスキーマ名、テーブル名を“.”で区切って指定します。トランザクションログデータベース作成用シェルスクリプトのテーブル定義に指定したスキーマ名、テーブル名を指定してください。
指定値はOracleのスキーマ・オブジエクトの命名規則に従ってください。半角の英字の大文字と小文字は区別されます。小文字を指定するために“"”で括る必要はありません。
本オペランドを省略するとREPUSER.REPTABLEが指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。トランザクションログデータベースを指定する場合に指定してください。
REPPROJECT_CODE(レプリケーションのコード名)
REPPROJECT_CODE = レプリケーションが使用するIPCキーの最上位1バイトの値
レプリケーションが使用するIPCキーの最上位1バイトの値を16進表記で指定します。デフォルトは0xdeです。デフォルトの名前で運用上支障がない場合は、なるべくデフォルト値で運用してください。本オペランドは省略可能です。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーションが使用するIPCキーを変更する場合に指定してください。
REPSYSTEM_ID = レプリケーションに与えるシステムID
Oracleシステム単位に起動するレプリケーションに対して、一意なIDを指定してください。
レプリケーションに対して与えるシステムIDを1から31までの10進数で指定します。複数のレプリケーションを起動する場合には、省略できません。レプリケーションごとに違う値を設定してください。レプリケーションが1つの場合には省略可能です。省略した場合には1が指定されたものとみなされます。
本オペランドは、動作環境ファイルの雛形には記述されていません。レプリケーションのシステムIDを指定する場合に指定してください。
COMP_CHAR_PADDING = CHAR型の文字数までの残りスペースのパディング方法
レプリケーション対象の全テーブルのNCHAR型のデータ項目において、更新データの長さが抽出定義の“ DATATYPE”に指定したCHAR型の長さを満たさない場合、CHAR型の文字数までの残りスペースのパディング方法を指定します。
NO :半角の空白でパディングします。
YES:0x00でパディングします。
本オペランドを省略した場合、“NO”が採用されます。
本オペランドは、V5.0L20からの非互換に対する互換機能です。
レプリケーション運用中に以下のファイルの更新は行わないでください。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイル
Linkexpress Replication optionでは、一括差分複写を行うために、Oracleの差分データを抽出します。この時、差分データは、トリガを使用してOracleデータベースに蓄積されます。このデータベースをトランザクションログデータベースと呼びます。
トランザクションログデータベースは、あらかじめ利用者によってレプリケーションの運用前(起動前)に、作成しておく必要があります。作成は、Linkexpress Replication optionが提供するシェルスクリプトを実行することにより行います。
トランザクションログデータベースをチューニングする場合や、ユーザ名、表名を省略する場合には、シェルスクリプトのシェル変数を修正してください。以下にトランザクションログデータベースを作成するシェルスクリプトの概要を説明します。シェルスクリプトの詳細については、“付録B トランザクションログデータベースの作成”を参照してください。
格納場所
Linuxの場合 : /opt/FJSVlnkre/ORACLE/SETUP/lxcrtdb.sh
Solarisの場合 : /opt/FSUNlnkre/ORACLE/SETUP/lxcrtdb.sh
シェルスクリプトの内容
シェルスクリプトの実行方法
シェルスクリプトの内容を運用に合わせて修正を行い、シェルスクリプトの実行権限のあるユーザIDで実行してください。
注意
トランザクションログデータベースは、レプリケーションを行うOracleシステムごとに必要です。
トランザクションログデータベースを作成するシェルスクリプトには、レプリケーション管理者用のユーザIDやパスワードなどを記述して実行します。このため、トランザクションログデータベースを作成後はセキュリティを考慮してシェルスクリプトを管理してください。
複写元サーバでLinkexpress Replication optionを起動します。起動方法の詳細については、“コマンドリファレンス”の“lxrpostrコマンド”を参照してください。
Linkexpress Replication optionの起動までに以下の準備が必要です。
詳細は“3.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成”を参照してください。
詳細は“付録B トランザクションログデータベースの作成”を参照してください。
Linkexpress Replication optionでは、以下の作業域を使用します。必要な容量を準備してください。作業域見積りの詳細は“システム設計ガイド”の“容量見積り”を参照してください。
抽出定義管理ファイル
差分ログファイル
一括差分複写用作業域
なお、Linkexpress Replication optionの起動・停止により、差分ログ収集スケジュールが開始・終了されます。差分ログ収集スケジュールについては、以下を参照してください。
差分ログ収集スケジュールは、トランザクションログデータベースから一定間隔で差分データを収集するスケジュールです。差分ログ収集スケジュールは、動作環境ファイルで指定します。指定方法の詳細は“3.1.2.3.3 動作環境ファイルの作成”を参照してください。
なお、差分ログ収集スケジュールの開始または終了は、レプリケーションの起動または停止により行われます。以下に、差分ログ収集スケジュールの開始または終了タイミングについて説明します。
差分ログ収集スケジュールはレプリケーションの起動完了により開始します。
なお、レプリケーション起動コマンドで起動モードを指定することにより、差分ログ収集スケジュールの開始点を指定できます。以下に起動モードごとの差分ログ収集スケジュールの開始動作を説明します。詳細は“コマンドリファレンス”の“lxrpostrコマンド”を参照してください。