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Interstage List Works V11.0.0 環境構築手引書
FUJITSU Software

3.3.2 Oracleデータベースの環境設定

Oracleデータベースの環境設定について説明します。なお、保管データベースの環境設定はOracleアカウントで行います。

Oracleアカウントについては、Oracleのマニュアルを参照してください。

注意

  • リカバリ構成、プロセス数、キャラクタ・セット、ユーザ名以外の項目については、運用によって変更しても問題ありません。

  • 統計情報を固定化したままにすると、システムを運用していく間に統計情報のデータ分布と実態が乖離し、非効率な実行計画のままSQLを実行してしまうことがあるため、統計情報を固定化する場合は適宜見直しを行う必要があります。

  • Oracle RAC構成とする場合は、事前にOracle RACを構築し、SQL*Plusで接続できることを確認してください。

    Oracle RACの構築方法については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

以下の手順で保管データベースの環境設定を行います。


保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合は、上記の作業手順と作業するサーバが以下のように異なります。点付き数字の順番に従って環境設定を行ってください。

作業項目

作業するサーバ

データベースサーバ

List Worksサーバ

(1) ディスクスペースの見積もり

1.

(2) カーネルパラメタの編集

2.

(3) 環境変数の設定

3.

(4) リスナーの作成

4.

(5) 保管データベースの作成

5.

(6) リスナーの設定

6.

(7) ユーザの作成

7.

(8) サービス・ネーミングの設定

8.

(9) 保管データベースの動作確認とテーブル作成

9.

(10) データベースの自動起動の設定

10.

(11) クライアントの接続設定

11.

ここでは、手順の概略を説明しています。Oracleデータベースの環境設定の詳細は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

保管データベースをList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に用意する場合は、クラスタシステムを使用して保管データベースをクラスタ運用することを推奨します。

Oracleデータベースのクラスタ運用を行う場合の環境設定の詳細は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

(1) ディスクスペースの見積もり

保管データベースの運用に必要なディスク容量の見積もりは、Database見積もりツールを使用して行います。見積もりによって求めた値は、“(5) 保管データベースの作成”でUSERS表領域のサイズとして使用します。

Database見積もりツール(dbmitsumori.xls)は、List WorksのインストールCDに格納されています。


(2) カーネルパラメタの編集

データベースを使用するに当たり、Solarisのカーネルパラメタを編集する必要があります。

カーネルパラメタの編集については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

(3) 環境変数の設定

Oracleのコマンドを使用するために必要な以下の環境変数を設定します。この環境変数は、保管データベースの作成に必要となります。

環境変数

設定値

ORACLE_HOME

Oracleのインストール先ディレクトリ

LD_LIBRARY_PATH

$ORACLE_HOME/lib

NLS_LANG

Japanese_Japan.JA16EUC

PATH

$ORACLE_HOME/bin


(4) リスナーの作成

Oracleデータベースのユーティリティ(Oracle Net Configuration Assistantなど)を使用して、以下のリスナーを作成します。

作成中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
リスナー名

LISTENER

プロトコル

TCP

ポート番号

使用されていない任意のポート番号

(標準ポート番号1521を使用する場合は、「標準ポート番号の1521を使用」を選択)


(5) 保管データベースの作成

Oracleデータベースのユーティリティを使用して、以下の保管データベースを作成します。ここでは、Oracle Database Configuration Assistantを使用した設定をベースにして説明します。

作成中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
作成モード

「拡張構成」を選択します。

デプロイ・タイプ
データベース・タイプ

「Oracle単一インスタンス・データベース」または「Oracle Real Application Cluster (RAC)データベース」を選択します。

テンプレート

「カスタム・データベース」を選択します。


以降はデータベース・タイプに「Oracle単一インスタンス・データベース」を選択したものとして、説明します。

データベースの識別
グローバル・データベース名

LWDB

SID

LWDB

注意

「グローバル・データベース名」および「SID」(LWDB)は原則固定です。すでにOracleデータベースを構築しており、マルチRDB運用を行う場合に、重複しないSIDを設定してください。

コンテナ・データベースとして作成

オプションのチェックをはずします。


記憶域オプション

運用に応じて作成するデータベース・ファイルの位置を指定します。運用管理の点から「データベース記憶域属性に次を使用」の選択を推奨します。

高速リカバリ・オプション

「高速リカバリ領域の指定」および「アーカイブ有効化」は選択しません。

ネットワーク構成

"(4) リスナーの作成”で作成したリスナーを選択します。

データベース・オプション

設定項目の指定はありません。


構成オプション
メモリー

メモリ使用量を指定します。メモリ使用量は大きい方が保管データベースのパフォーマンスが向上します。スワップを使用しない状態で使用可能な物理メモリのサイズを指定します。

サイズ設定

「ブロック・サイズ」が8192バイトであることを確認します。保管データベースのデータファイルのサイズが32GB以上になる場合は16384バイト、64GB以上になる場合は32768バイトを設定する必要があります。

「処理」に以下の値を設定します。

  • マルチプロセス運用を行わない場合

    256

  • マルチプロセス運用を行う場合

    以下の計算方法で算出された値を設定します。ただし、算出された値が256以下の場合は、256を設定します。

    (33×リスト管理サーバのプロセス数×1.2(安全係数))+30(固定値)

    例:

    リスト管理サーバのプロセス数が20の場合

    (33×20×1.2)+30 = 822

キャラクタ・セット

「Unicode(AL32UTF8)」を選択します。

接続モード

「専用サーバー・モード」を選択します。


管理オプション

Oracle Enterprise Manager Database Expressを使用する場合は、「Enterprise Manager (EM) Database Express の構成」を選択します。

ユーザ資格証明

管理パスワードの指定方法を選択し、任意のパスワードを指定します。

作成オプション

「データベースの作成」、「データベース作成スクリプトの生成」を選択します。


記憶域の場所のカスタマイズ

各表領域のサイズを下表の値に変更します。

すでに設定されている値の方が大きい場合は、変更しないでください。

表領域

タイプ

サイズ(MB)

増分値(MB)

SYSAUX

PERMANENT(永続)

500

50

SYSTEM

PERMANENT(永続)

500

50

TEMP

TEMPORARY(一時)

1000

100

UNDOTBS1

UNDO

1000

100

USERS

PERMANENT(永続)

(注)

200

注:Database見積りツールで計算した見積もり結果のサイズを指定してください。

  • 表領域に2GB以上のファイルを使用する場合は、「ビッグファイル表領域の使用」を選択します。

  • ビッグファイルの使用については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

エクステント管理

「ローカル管理表領域の使用」を選択し、割当てに「自動」を指定します。

セグメント領域の管理

「自動セグメント領域管理の使用」を選択します。


(6) リスナーの設定

Oracleデータベースのユーティリティ(Oracle Net Managerなど)を使用して、“(4) リスナーの作成”で作成したリスナー「LISTENER」を、以下のように設定します。

設定中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
ネットワーク・アドレスの設定
プロトコル

TCP/IP

ホスト

データベースサーバのホスト名、またはIPアドレス

ポート

(4) リスナーの作成”で設定したポート番号(標準ポートの場合は1521)

データベースの設定
グローバル・データベース名

LWDB

Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleのインストールディレクトリ

SID

LWDB


(7) ユーザの作成

保管データベースで使用するユーザをコマンドで作成します。

作成中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

以下に手順を示します。

手順1:SQL*Plusの起動

端末エミュレータより「sqlplus」コマンドを実行して、「sqlplus」モードになります。

# sqlplus / as sysdba
手順2:ユーザの作成

userid には「LW」を指定し、password は任意のパスワードを入力してください。

SQL> CREATE USER userid
    IDENTIFIED BY "password"
    DEFAULT TABLESPACE USERS
    TEMPORARY TABLESPACE TEMP;  

→以下のとおり、設定されます。

  • プロファイル:DEFAULT

  • デフォルト表領域:USERS

  • 一時表領域:TEMP

    パスワードに使用可能な文字については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
手順3:ユーザの権限付与

保管データベースで使用するユーザに対して、権限を付与します。userid には「LW」を指定します。

SQL> GRANT CONNECT,DBA TO userid;
手順4:SQL*Plusの終了

以下の構文を入力して実行します。

SQL> quit;

→SQL*Plusが終了します。


(8) サービス・ネーミングの設定

Oracleデータベースのユーティリティ(Oracle Net Managerなど)を使用して、サービス・ネーミング「LWDB」を以下のように設定します。

「LWDB」が存在しない場合は、作成します。サービス・ネーミングの設定は、SQL*Plusを動作させるために必要です。

設定中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
ネット・サービス名

LWDB

プロトコルの設定
プロトコル

TCP/IP

ホスト名

データベースサーバのホスト名

ポート番号

(4) リスナーの作成”で設定したポート番号(標準ポートの場合は1521)

サービスの設定
サービス名

LWDB

接続タイプ

データベースのデフォルト

また、サービス・ネーミングの設定後に接続テストを実施する場合は、データベースの接続ユーザとパスワードに“(7) ユーザの作成”で作成したユーザID「LW」とパスワードを設定してください。


(9) 保管データベースの動作確認とテーブルの作成

SQL*Plusを起動して、“(7) ユーザの作成”で作成したユーザID「LW」での動作確認とテーブル作成を行います。

テーブル作成用SQLファイルは以下の場所に格納されています。

/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/oracle/admin/LWDB/create/createLWTable.sql

(/opt はList Works のインストールディレクトリ)

動作確認および作成中にエラーが発生した場合は、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

以下に手順を示します。

手順1:テーブル作成用SQLファイルの複写

保管データベースとList Worksサーバが別サーバである場合は、テーブル作成用SQLファイルを保管データベースサーバに複写します。

手順2SQL*Plusの起動

端末エミュレータより「sqlplus」コマンドを実行して、「sqlplus」モードになります。

# sqlplus LW/LWに設定したパスワード@LWDB

手順3:テーブル作成

「接続されました。」のメッセージが表示されることを確認します。

  1. スプール出力設定

    以下の構文を入力し、スプール出力設定をONにします。

    SQL> SPOOL /work/createLWTable.log

    (/workはログ出力用の作業ディレクトリ)


  2. テーブル作成

    入力プロンプトに、以下のテーブル作成SQLファイルを入力して実行します。

    SQL> @/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/oracle/admin/LWDB/create/createLWTable.sql

    (/optはList Worksのインストールディレクトリ)


    →テーブル作成で正常終了のメッセージが表示されることを確認します。


手順4:確認

テーブルが作成できたことを確認します。以下の構文を入力して実行します。

SQL> DESC LW.LW_USER

以下のような結果が表示されれば、保管データベースは正常に構築されています。

SQL> DESC LW.LW_USER
名前                                      NULL?    型
----------------------------------------- -------- -----------------------
USERID                                    NOT NULL VARCHAR2(20)
USERNM                                             VARCHAR2(40)
PASSWD                                             VARCHAR2(64)
PWDMOD                                             VARCHAR2(17)
PWDEXPD                                            NUMBER(4)
AUTH                                      NOT NULL VARCHAR2(35)
MAIL                                               VARCHAR2(60)
NOTES                                              VARCHAR2(64)
CREATED                                   NOT NULL VARCHAR2(17)
LASTMOD                                   NOT NULL VARCHAR2(17)
ISADMIN                                   NOT NULL VARCHAR2(2)
SQL>

手順5SQL*Plusの終了

以下の構文を入力して実行します。

SQL> quit

→SQL*Plusが終了します。


(10) データベースの自動起動の設定

サーバの起動時および停止時に、Oracleデータベースの起動および停止を自動的に行う設定をします。クラスタ運用の場合は、クラスタシステムにより起動および停止が制御されるため、本作業は不要です。

データベースの自動起動の設定方法については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

(11) クライアントの接続設定

Oracle Clientの設定をします。

  1. Oracle Clientのコマンドを使用するために、以下の環境変数を設定します。

    環境変数

    設定値

    ORACLE_HOME

    Oracle Clientのインストール先ディレクトリ

    LD_LIBRARY_PATH

    $ORACLE_HOME/lib

    NLS_LANG

    Japanese_Japan.JA16EUC

    PATH

    $ORACLE_HOME/bin

  2. (8) サービス・ネーミングの設定”の手順に従って、クライアントのサービス・ネーミングを設定します。