F.4.2 待機運用のサンプルスクリプト

本項では、待機運用の自動化を簡易化するサンプルスクリプトについて説明します。

図F.10 サンプルスクリプトによる待機運用の自動化手順の説明図

運用側装置で、acnas backupコマンドを実行してNASボリュームをバックアップします。
acopc queryコマンドを実行してNASボリュームのバックアップの物理コピー終了を待ち合わせます。
acec startコマンドを実行して運用側装置のNASバックアップボリュームから待機側装置のNASバックアップボリュームへのRECを起動します。
acec queryコマンドを実行してRECの等価を待ち合わせます。
acec suspendコマンドを実行してRECをサスペンドします。
待機側装置で、acnas restoreコマンドを実行してNASボリュームをリストアします。
acopc queryコマンド (-rオプション)を実行してNASボリュームのリストアの物理コピー終了を待ち合わせます。
acec resumeコマンドを実行してRECを再開します。

参考

サンプルスクリプトでは、REC起動時(3)にRECのコピーセッションの存在有無をチェックし、コピーセッションが存在しない場合は、初期コピーします。処理時間の短縮を図るために、事前にacnas backupコマンドを実行してNASボリュームをバックアップし、物理コピー終了を確認したあと、RECを起動することを推奨します。

注意

待機側装置のNASバックアップボリュームがマウントされているときに、本スクリプトを実行しないでください。

サンプルスクリプト名/格納ディレクトリ

サンプルスクリプト名および格納ディレクトリについて説明します。

サンプルスクリプトは、格納ディレクトリ配下のすべてのファイルを別フォルダにコピーして使用してください。また、実際の運用に合わせて、修正して使用してください。

Windowsの場合
バッチファイル名
格納ディレクトリ名
nas_rec_backup2.bat
<環境設定ディレクトリ>\CCM\etc\sample\nasrec
Solaris/Linuxの場合
スクリプトファイル名
格納ディレクトリ名
nas_rec_backup2.sh
/etc/opt/FJSVccm/samp/nasrec

バッチファイル名	格納ディレクトリ名
nas_rec_backup2.bat	<環境設定ディレクトリ>\CCM\etc\sample\nasrec

スクリプトファイル名	格納ディレクトリ名
nas_rec_backup2.sh	/etc/opt/FJSVccm/samp/nasrec

起動方法

Windowsの場合

nas_rec_backup2.bat NASCopyGroup RECCopyGroup NASRestoreCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

nas_rec_backup2.sh NASCopyGroup RECCopyGroup NASRestoreCopyGroup

オペランド

NASCopyGroup: 運用側装置でのNASボリュームとNASバックアップボリュームのコピーグループ名(QuickOPC)

RECCopyGroup: 運用側装置のNASバックアップボリュームと待機側装置のNASバックアップボリュームのコピーグループ名(REC)

NASRestoreCopyGroup: 待機側装置でのNASバックアップボリュームとNASボリュームのコピーグループ名(QuickOPC)

終了ステータス

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
4	コピーモード不当
5	環境不当

使用例

本スクリプトをSolarisで実行し、正常終了したときの使用例

> nas_rec_backup2.sh NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_1 RECGRP NASRestoreCopyGroup
nas_rec_backup2 start
backup from primary NAS volume to primary backup volume start
backup from primary NAS volume to primary backup volume end rc=0
rec from primary backup volume to secondary backup volume start
rec from primary backup volume to secondary backup volume end rc=0
suspend rec from primary backup volume to secondary backup volume start
suspend rec from primary backup volume to secondary backup volume end rc=0
restore from secondary backup volume to secondary NAS volume start
restore from secondary backup volume to secondary NAS volume end rc=0
resume rec from primary backup volume to secondary backup volume start
resume rec from primary backup volume to secondary backup volume end rc=0
nas_rec_backup end rc=0
>

本スクリプトをSolarisで実行し、異常終了したときの使用例

> nas_rec_backup2.sh NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_1 RECGRP NASRestoreCopyGroup
nas_rec_backup2 start
backup from NAS volume to primary backup volume start
ccmxxxxx(AdvancedCopy Manager CCMで何らかのエラーが発生し、AdvancedCopy Manager CCMのメッセージ出力)
backup from NAS volume to primary backup volume end rc=2
nas_rec_backup end rc=2
>