ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Service Quality CoordinatorV15.2.4 使用手引書

7.4 Oracle Database Serverの管理設定

Oracleを管理対象にする場合は、必要に応じてデータベース種別ごとに以下のセクションを定義します。

[ORA][ORACDB]、[ORAPDB]セクション

項目

定義内容

定義例

[ORA]

セクション名です。管理対象のデータベース種別がNon-CDBの場合に使用します。

1つのインスタンスを監視する場合は変更しないでください。

2つ以上のインスタンスを監視する場合は、後述の【2つ以上のOracleインスタンスを監視する場合】を参照してください。

ORA

[ORACDB]

セクション名です。管理対象のデータベース種別がCDBの場合に使用します。

1つのインスタンスを監視する場合は変更しないでください。

2つ以上のインスタンスを監視する場合は、後述の【2つ以上のOracleインスタンスを監視する場合】を参照してください。

ORACDB

[ORAPDB]

セクション名です。管理対象のデータベース種別がPDBの場合に使用します。

1つのインスタンスを監視する場合は変更しないでください。

2つ以上のインスタンスを監視する場合は、後述の【2つ以上のOracleインスタンスを監視する場合】を参照してください。

ORAPDB

DCAID

Oracleを監視するための固有のIDです。データベースの種別によって以下のIDを設定してください。

  • Non-CDBの場合:ORA

  • CDBの場合:ORACDB

  • PDBの場合:ORAPDB

"ORA"

INTERVAL

収集間隔です。単位は分です。変更しないでください。

5

SID

データベースの種別によって以下を設定してください。

  • Non-CDBおよびCDBの場合:Oracleインスタンス名

  • PDBの場合:リスナー経由でPDBに接続するための接続識別子

    • 指定できる文字数の上限は128バイトです。

    • 使用できる文字は、英数字と以下に示す記号のみです。

      _-+*.:/#%?^~{}

参考

Non-CDBの場合、SIDに設定した名前がコンソールの監視画面の詳細ツリーのインスタンスに表示されます。

ORCL

INSTANCE

データベースの種別によって以下を設定してください。

  • Non-CDBの場合:設定しないでください。

  • CDBの場合:”<Oracleインスタンス名>:CDB_ROOT”

  • PDBの場合:”<Oracleインスタンス名>:<PDBのコンテナ名>”

参考

CDB、PDBの場合、INSTANCEに設定した名前がコンソールの監視画面の詳細ツリーのインスタンスに表示されます。

ORCL:PDB1

USERNAME

Oracleにアクセスし、動的パフォーマンスビューから情報を取得するためのユーザー(DBAロールを付与した管理者ユーザー)のIDを入力します。

通常、Oracleのデフォルトでは“system”です。デフォルトから変更する場合は、「7.4.1 Oracleの動的パフォーマンス・ビューにアクセスできるユーザーを新規で作成する方法」を参照してください。

system

PASS

上記「USERNAME」に対応するパスワードをgenpwd(注1)で暗号化し、作成された文字列を入力します。

Oracleのデフォルトのパスワードから変更する場合は、「7.4.1 Oracleの動的パフォーマンス・ビューにアクセスできるユーザーを新規で作成する方法」を参照してください。

なお、パスワードに以下の文字は使用できません。

$\/;|<>?@()`'"^

注1) genpwd(パスワード暗号化コマンド)の使用方法は、「A.6 genpwd(パスワード暗号化コマンド)」を参照してください。

oShc+uU9Gl8=

VER

監視するOracleインスタンスのバージョンを記述します。「X.X.X」という3桁の形式で記述してください。

19.0.0

ORAHOME

監視するOracleのORACLE_HOMEの内容を設定します。

注意

最後に「/」を付けないでください。

誤:/opt/oracle/product/19c/dbhome_1/

  ↓

正:/opt/oracle/product/19c/dbhome_1

/opt/oracle/product/19c/dbhome_1

[ATTR::DB]セクション

データベースの種別がCDB、PDBの場合、[ATTR::DB]セクションの「GROUP」キーにそれぞれ“ORACDB”、“ORAPDB”を追加します。“ORACDB”と“ORAPDB”の両方を追加する場合の例を示します。

[ATTR::DB]
GROUP="XXXX,YYYY,ORACDB,ORAPDB"

参考

Oracleインスタンス名、データベースの種別、PDBのコンテナ名は、sqlplusコマンドで対象のデータベースに接続し、以下の方法で確認してください。

  1. Oracleインスタンス名を確認するには、以下を実行してください。

    SELECT INSTANCE_NAME FROM V$INSTANCE;

  2. データベースの種別を確認するには、以下を実行してください。

    SELECT CDB FROM V$DATABASE;

    “YES”と表示される場合は、対象のデータベースはCDBまたはPDBです。

    “NO”と表示される場合は、対象のデータベースはNon-CDBです。

  3. 上記2.でCDBまたはPDBの場合は、以下を実行してください。

    show con_name

    “CDB$ROOT”と表示される場合は、対象のデータベースはCDBです。

    上記以外が表示される場合は、対象のデータベースはPDBです。

    PDBの場合、INSTANCEに指定する”PDBのコンテナ名”はこの値を使用してください。

参考

PDBの場合に必要なリスナー経由でPDBに接続するための接続識別子は、以下の方法で確認/設定を行ってください。

  1. データベース接続情報ファイル(tnsnames.ora)を確認します。

    • Oracle Database Server 19c

      ${ORACLE_HOME}/network/admin/tnsnames.ora

    • Oracle Database Server 21c以降

      ${ORACLE_BASE}/homes/<Oracleホーム名>/network/admin/tnsnames.ora

    注)${ORACLE_HOME}、${ORACLE_BASE}はOracle Database Serverをインストールした時に設定される環境変数を示します。

  2. データベース接続情報ファイル(tnsnames.ora)に、PDBへの接続定義が設定されているか確認します。

    PDBへの接続定義が設定されていない場合は、PDBへの接続定義を追加してください。

    同ファイルにすでに設定されているCDBへの接続定義を参考にして、PDBへの接続定義を追加します。

    データベース接続情報ファイル(tnsnames.ora)に設定する、PDBへの接続定義の内容は以下のとおりです。

    <ALIAS> =

      (DESCRIPTION =

        (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = <HOSTNAME>)(PORT = <PORT番号>))

        (CONNECT_DATA =

          (SERVER = DEDICATED)

          (SERVICE_NAME = <SERVICE_NAME>)

        )

      )

    • <SERVICE_NAME>にPDBのコンテナ名を指定します。

    • <ALIAS>に指定する文字列が、PDBへの接続識別子になります。ここで指定したPDBへの接続識別子をtemplate.datのSIDに指定します。

    注意

    Oracle Real Application Clusters(RAC)環境の場合は、Systemwalker Service Quality CoordinatorのAgentと同じノード上のOracleインスタンスに接続する必要があります。このため、ADDRESSで指定する接続先に論理ホスト名や複数アドレス・リストは指定しないでください。

    PDBに接続するための接続識別子の定義例を以下に示します。下記の例では、PDBへの接続識別子は"ORCLPDB1" です。

    ORCLPDB1 =

      (DESCRIPTION =

        (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = VM01.localdomain)(PORT = 1521))

        (CONNECT_DATA =

          (SERVER = DEDICATED)

          (SERVICE_NAME = ORCLPDB1)

        )

      )

定義例

管理対象のデータベース種別ごとの例を記載します。

2つ以上のOracleインスタンスを監視する場合

以下の定義を行います。

  1. セクションを追加し、パラメーターを設定します。

    • セクションは、18バイト以内の半角英数字で定義可能ですが、セクション名がテンプレート内で重複しないように定義します。ここでは、「ORA2」、「ORACDB2」、「ORAPDB2」というセクションを追加した例を記述します。

    • 複数のOracleインスタンスを監視する場合も、「DCAID」キーの値は変更せず、それぞれ以下の値で定義してください。

      • Non-CDBの場合:ORA

      • CDBの場合:ORACDB

      • PDBの場合:ORAPDB

    定義例

    :

    #########################################
    # Oracle Information

    [ORA]
    DCAID="ORA"
    INTERVAL=5
    SID=ORCL
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"

    [ORA2]
    DCAID="ORA"
    INTERVAL=5
    SID=ORCL2
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"

    #########################################
    # Oracle CDB Information
    [ORACDB]
    DCAID="ORACDB"
    INTERVAL=5
    SID=ORCLCDB
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"
    INSTANCE=ORCLCDB:CDB_ROOT

    [ORACDB2]
    DCAID="ORACDB"
    INTERVAL=5
    SID=ORCLCDB2
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"
    INSTANCE=ORCLCDB2:CDB_ROOT

    #########################################
    # Oracle PDB Information
    [ORAPDB]
    DCAID="ORAPDB"
    INTERVAL=5
    SID=ORCLPDB1
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"
    INSTANCE=ORCLCDB:ORCLPDB1

    [ORAPDB2]
    DCAID="ORAPDB"
    INTERVAL=5
    SID=ORCLPDB2
    USERNAME=system
    PASS=NODnW62lZtZx2iOhD8iGlg==
    VER=19.0.0
    ORAHOME="/opt/oracle/product/19c/dbhome_1"
    INSTANCE=ORCLCDB2:ORCLPDB2
    :


  2. 手順1.で追加したセクションを、「ATTR::DB」セクションの「GROUP」キーに追加します。手順1.の例のように定義した場合には、以下のように修正します。

    定義前

    :

    [ATTR::DB]
    GROUP="XXXX,YYYY"
    :

    定義後

    :

    [ATTR::DB]
    GROUP="XXXX,YYYY,ORA2,ORACDB2,ORAPDB2"
    :