運用管理サーバ二重化システムを構成している主系サーバ/従系サーバで使用可能な機能を示します。
カテゴリ | 機能分類 | 機能 | 主系 | 従系 | |
|---|---|---|---|---|---|
フレームワーク | 構成の管理 | ネットワークの構成情報の管理 | ノード検出 | ○ | × |
システムの構成情報の管理 | インベントリ管理 | ○ | × | ||
アプリケーションの構成情報の管理 | アプリケーション検出 | ○ | × | ||
コンソール | クライアントのコンソール | Systemwalkerコンソール | ○ | ○ | |
Webコンソール | Systemwalker Webコンソール | ○ | ○ | ||
ポリシー配付 | ポリシー配付 | ○(注1) | ×(注2) | ||
デプロイメント | 資源の配付 | 資源配付 | 資源配付 | ○ | × |
監視 | ネットワーク/システムの監視 | 稼働監視 | 稼働状態の監視 | ○ | ○ |
障害監視 | SNMPトラップの監視 | ○ | ○ | ||
MIBの監視 | ○ | ○ | |||
システムのイベント監視 | ○ | ○ | |||
性能監視 | システム性能監視 | ○ | ○ | ||
ネットワーク性能監視 | ○ | ○ | |||
性能情報の表示 | ○ | ○ | |||
アプリケーションの監視 | 稼働監視 | アプリケーションの稼働状態の表示 | ○ | ○ | |
アプリケーションの稼働状態の監視 | ○ | ○ | |||
障害監視 | アプリケーションのイベント監視 | ○ | ○ | ||
性能監視 | アプリケーションしきい値監視 | ○ | ○ | ||
アプリケーション性能表示 | ○ | ○ | |||
業務の監視 | 業務監視 | 業務構成の管理 | ○ | ○ | |
リソースの関係管理 | ○ | ○ | |||
ノードの変更監視 | 未登録固定IPノードの接続検知 | ○ | ○ | ||
固定IPノードの削除/追加/アドレス変更の検知 | ○ | ○ | |||
メッセージ返答要求・応答 | メッセージ返答要求・応答 | ○ | ○ | ||
監査ログ管理(注4) | ログ収集 | ログ収集 | ○ | ○ | |
監査ログ分析 | ログ分析 | ログ分析 | ○ | ○ | |
SDK | インテリジェントサービス | インテリジェントサービス | ○ | ○ | |
リカバリ | 障害の対処 | リモートからの操作 | リモート操作(注3) | ○ | ○ |
リモートコマンド | ○ | ○ | |||
リモートからの電源投入・切断 | サーバの電源投入・切断 | ○ | ○ | ||
障害対処の自動化 | 自動アクション | ○(注5) | ○(注5) | ||
アセスメント | サービスレベルの評価 | ネットワーク性能評価 | 性能情報グラフ表示 | ○ | ○ |
操作制御 | コンソール操作制御 | Systemwalkerコンソールの操作制御 | ○ | ○ | |
サーバアクセス制御 | Windows/Linuxサーバのアクセス制御 | ○ | ○ | ||
ソフトウェア修正管理 | 修正の管理 | 修正の適用状況を監査する | ○ | ×(注6) | |
○：使用可能、△：一部不可、×：使用不可
主系サーバから従系サーバへのポリシー配付ができません。
同期を行わない運用の場合、従系サーバからのポリシー配付ができます。ただし、主系サーバへは配付できません。
リモート操作機能は、Windows版だけの機能です。
連携型の場合、監査ログ管理機能を使用するための設定は、主系サーバ側で行います。監査ログ管理機能に関する設定については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編”を参照してください。
特定したメッセージに対して、実行する処理（自動アクション）を事前に設定している場合、メッセージが発生すると、主系サーバと従系サーバで自動アクションが実行されます。
たとえば、あるメッセージに対し、「メールで通報する」の自動アクションを設定している場合、主系サーバと従系サーバから、複数個の同じメールが送信されます。
そのため従系サーバでは、自動アクションを抑止する必要があります。
従系サーバでの自動アクションの抑止については、“自動アクションの抑止設定”を参照してください。
主系サーバから直接、従系サーバの修正適用状況を監視することはできません。
注意
VM運用について
管理OSに異常が発生した場合、同一物理サーバ内のゲストOSにも影響があり、高信頼な環境を実現することができません。このため、同一物理サーバ内の2台の運用管理サーバで、二重化環境を作成しないでください。VM運用で使用できる機能の詳細については、“Systemwalker Centric Manager PRIMERGY/PRIMEQUEST運用管理ガイド”の、“機能概要”を参照してください。
自動アクションの抑止設定
以下のどちらかの方法で、従系サーバでの自動アクションの実行を抑止することができます。
自動アクションの実行の抑止・解除を手動で実行する
主系サーバの運用状況にあわせて、従系サーバでmpaosment(アクション実行抑止コマンド)を実行し、自動アクションの実行を抑止・解除します。
また、構成情報/ポリシー定義の変更時に実行するmpduppolrs(二重化環境における従系サーバ側のポリシー情報移入コマンド)で、自動アクションの実行を抑止します。
自動アクションの実行の抑止・解除を自動で実行する【Windows版】
主系サーバで、二重化環境のアクション環境設定ファイルに自動アクションの実行環境を設定します。二重化環境のアクション環境設定ファイルの設定に従って、以下が自動的に行われます。
正常運用時の従系サーバでの自動アクションの実行抑止
障害発生時の主系サーバから従系サーバへの自動アクションの引継ぎ
障害発生により主系サーバがダウンした場合は、自動的に従系サーバに自動アクションが引き継がれ、主系サーバが復旧するまで、従系サーバで自動アクションが実行されます。
主系サーバ復旧後は、従系サーバでmpaosdupact(二重化環境におけるアクション復旧コマンド)を実行することで、正常運用時の自動アクションの実行環境に戻すことができます。
注意
自動アクションの実行の抑止・解除を自動で実行する場合【Windows版】
運用中に運用管理サーバを再起動するときの起動順によって、自動アクションの抑止・引継ぎが正しく行われない場合があります。運用中に運用管理サーバを再起動するときの起動順については、“運用管理サーバを再起動する【Windows版】”を参照してください。
主系サーバ、従系サーバ間のネットワーク異常により自動アクションが二重実行される場合があります。本機能を利用される場合は、主系、従系の運用管理サーバ間のLANを二重化することを推奨します。
mpaosment(アクション実行抑止コマンド)、mpduppolrs(二重化環境における従系サーバ側のポリシー情報移入コマンド)の-Mオプションおよび-Pオプションは使用しないでください。
mpaosmentコマンド、mpduppolrsコマンドの-Mオプションおよび-Pオプションを使用して引継ぎ対象の自動アクションを抑止した場合、その設定が優先され、引継ぎ対象の自動アクションが正しく引き継がれません。
従系の運用管理サーバが複数ある環境で、自動アクションの実行の抑止・解除を利用する場合
自動アクションの実行の抑止・解除を手動で実行する設定をしてください。
以下に、障害発生時の自動アクションの実行の流れを説明します。
自動アクションの実行の抑止・解除を手動で実行する場合
従系サーバでの自動アクションの実行をmpaosmentコマンドで抑止・解除した場合の、自動アクションの実行の流れについて説明します。
○：実行、△：抑止、×：実行不能
自動アクションが実行されます。
mpaosmentコマンドで、従系サーバでの自動アクションの実行を抑止します。
主系サーバがダウンし、主系サーバで自動アクションが実行できません。
mpaosmentコマンドで、従系サーバでの自動アクションの実行抑止を解除します。
コマンド実行後は、従系サーバで自動アクションが実行されます。
自動アクションが実行されます。
mpaosmentコマンドで、従系サーバでの自動アクションの実行を抑止します。
自動アクションの実行の抑止・解除を自動で実行する場合【Windows版】
二重化環境のアクション環境設定ファイルで自動アクションの実行環境を設定した場合の、自動アクションの実行の流れについて説明します。
○：実行、△：抑止、×：実行不能
自動アクションが実行されます。
実行すべき自動アクションが発生した時点で、主系サーバの状態を確認するための通信を行います。
通信エラーがない場合は、主系サーバが正常に動作しているとみなし、従系サーバは自動アクションの実行を抑止します。このとき、抑止した自動アクションは従系サーバ側で一定期間保留されます。
ポイント
以下は導入時に設定する二重化環境のアクション環境設定ファイルで指定することができます。
主系サーバの状態を確認するための通信でエラーが発生した場合のリトライ回数・リトライ間隔
リトライ回数やリトライ間隔を大きくした場合、主系サーバのダウンを検知するまでの時間が長くなるため、主系サーバから従系サーバへの自動アクションの引継ぎが遅くなります。
従系サーバ側で自動アクションを保留する時間
自動アクション保留時間を長くした場合、目安として1自動アクションあたり13Kbyteのメモリ使用量が増加します。
主系サーバがダウンし、主系サーバで自動アクションが実行できません。
従系サーバが主系サーバのダウンを検知し、自動的に従系サーバに自動アクションが引き継がれます。
このとき、従系サーバは保留していた自動アクションから順番に自動アクションを実行していきます。
主系サーバの復旧が完了しても、従系サーバでmpaosdupactコマンドが実行されるまでは、主系サーバの自動アクションの実行は抑止されます。
主系サーバの復旧が完了しても、従系サーバでmpaosdupactコマンドが実行されるまでは、従系サーバで自動アクションの実行が行われます。
mpaosdupactコマンドが実行されると、正常運用時と同じ運用に戻ります。
従系サーバでの自動アクションの実行は抑止され、主系サーバでの自動アクションの実行が再開されます。
ただし、主系サーバは、復旧後に従系サーバでmpaosdupactコマンドが実行されるまでの自動アクションを保留しません。mpaosdupactコマンドが実行されたことを従系サーバから通知された時点より後に発生したイベントに対して自動アクションを実行します。
注意
主系サーバ、従系サーバの順でサーバがダウンした場合
主系サーバ、従系サーバの順で復旧作業を行うと、従系サーバは主系サーバがダウンした状態を記憶しているため、主系サーバが自動アクションの実行を再開しても、従系サーバで自動アクションが実行されます。
この場合、従系サーバでmpaosdupactコマンドを実行するまでは、主系サーバと従系サーバで自動アクションが二重実行されることになります。
