操作制御マネージャ起動条件記述ファイルの定義例を示します。
定義例では、以下の環境を想定しています。
1つの運用管理サーバにAセンターとBセンターの業務サーバが接続しています。
Aセンターの管理者のログインIDは、centa003、centa005です。
Bセンターの管理者のログインIDは、jkl00001、jkl00021です。
担当外のサーバに対しては、利用者権限で使用します。
すべてのログインIDは、Systemwalkerコンソールの操作権のあるユーザです。
ファイル記述方法の詳細
想定に合わせた操作制御マネージャ起動条件記述ファイルの記述方法を説明します。
以下に記述例を示します。
操作判定情報を設定します。
コンソール操作制御機能の実施有無 | check_console | y | コンソール操作制御機能を使用する |
未登録操作のレベル(判定を行う操作が登録されていない操作の操作レベル) | level | 127 | 管理者権限 |
操作制御マネージャ起動条件記述ファイルでは、以下の定義になります。
check_console=y #コンソール操作制御機能の実施有無 |
ユーザグループを登録します。
操作権限を設定したいユーザのグループ分けを行います。
ユーザグループは操作制御マネージャ起動条件記述ファイル内だけで有効であり、ACLマネージャのロールや、セキュリティ管理者、セキュリティ監査者の設定と関係しません。
グループが行う操作 | ユーザグループ名 | ログインID |
---|---|---|
Aセンターの管理 | CenterA | centa003 |
centa005 | ||
Bセンターの管理 | CenterB | jkl00001 |
jkl00021 |
操作制御マネージャ起動条件記述ファイルでは、以下の定義になります。
!UserID CenterA centa003 centa005 CenterB jkl00001 jkl00021 !UserID-End
操作のレベルを登録します。
操作を行うために必要な権限のレベルを決めます。
各メニューに対する操作レベルの設定例
操作レベル | |
---|---|
更新権が必要なメニュー | 50 |
操作権が必要なメニュー | 10 |
参照権が必要なメニュー | 5 |
メニューの詳細は、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“Systemwalkerコンソールのメニュー項目”を参照してください。操作制御マネージャ起動条件記述ファイルに設定する「操作名」は“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“操作制御マネージャ起動条件記述ファイル”を参照してください。
操作 | 操作 | 製品名 | 判定を行う操作 | |
---|---|---|---|---|
[リモートコマンド]で、右記のコマンドを投入 | ls -l | 1 | opmgr | "command ls -l" |
kill | 50 | "command kill" | ||
監視イベントの状態変更 | 10 | action | ||
リモートコマンド検索(全ノード) | 10 | rcmdserchall | ||
メッセージ検索(指定ノード) | 10 | msgserchsel | ||
[リモートコマンド]画面の起動 | 1 | "CONSOLE TOOLS_REMOTECOMMAND" | ||
[監視イベントの状態変更]画面の起動 | 5 | "CONSOLE EVENT_UPDATEEVENT" | ||
[リモートコマンド検索]画面の起動 | 5 | "CONSOLE TOOLS_A_SERCHRCMD" | ||
[メッセージ検索]画面の起動 | 5 | "CONSOLE TOOLS_SERCHMSGLOG" |
製品名:opmgr は予約語であり、Systemwalkerコンソールの操作に対する判定を行うことを表します。
操作制御マネージャ起動条件記述ファイルは、以下の定義となります。
!OperationEx opmgr 1,"command ls -l" 50,"command kill" 10,action 10,rcmdserchall 10,msgserchsel 1,"CONSOLE TOOLS_REMOTECOMMAND" 5,"CONSOLE EVENT_UPDATEEVENT" 5,"CONSOLE TOOLS_A_SERCHRCMD" 5,"CONSOLE TOOLS_SERCHMSGLOG" 1,"CONSOLE FILE_SELECTTREE" !OperationEx-End
条件グループを登録します。
製品名に対して実行可能なレベルを決めたグループ(条件グループ)を決めます。
定義するグループの権限 | 条件グループ名 | 実行できる権限 | 製品名 | ユーザレベル |
---|---|---|---|---|
管理者権限 | Special | 製品名opmgrに対して、127レベルまで実行可能 | opmgr | 127 |
利用者権限 | User | 製品名opmgrに対して、15レベルまで実行可能 | 15 | |
一時利用者 | Guest | 製品名opmgrに対して、5レベルまで実行可能 | 5 |
操作制御マネージャ起動条件記述ファイルは、以下の定義となります。
!Condition Guest opmgr,5 User opmgr,15 Special opmgr,127 !Condition-End
グループへの条件設定を設定します。
操作対象に対して、ユーザグループと条件グループを関連付けます。
ユーザグループ | 操作対象名 (操作する対象) | 権限 | 設定する条件グループ | 操作できる権限 |
---|---|---|---|---|
CenterA | hostA | 管理者権限 | Special | ユーザグループ(CenterA)は、hostAに対して条件グループ(Special)で設定した権限(管理者権限)まで行える。 |
hostB | 利用者権限 | User | ユーザグループ(CenterA)は、hostBに対して条件グループ(User)で設定した権限(利用者権限)まで行える。 | |
“” | 利用者権限 | User | ユーザグループ(CenterA)は、操作対象名の判定を行わない操作(注)に対して条件グループ(User)で設定した権限(利用者権限)まで行える。 | |
* | 一時利用者 | Guest | ユーザグループ(CenterA)は、hostA、hostB以外に対して条件グループ(Guest)で設定した権限(一時利用者)まで行える。 | |
CenterB | hostA | 利用者権限 | User | ユーザグループ(CenterB)は、hostAに対して条件グループ(User)で設定した権限(利用者権限)まで行える。 |
hostB | 管理者権限 | Special | ユーザグループ(CenterB)は、hostBに対して条件グループ(Special)で設定した権限(管理者権限)まで行える。 | |
“” | 利用者権限 | User | ユーザグループ(CenterB)は、操作対象名の判定を行わない操作(注)に対して条件グループ(User)で設定した権限(利用者権限)まで行える。 | |
* | 一時利用者 | Guest | ユーザグループ(CenterB)は、hostA、hostB以外に対して条件グループ(Guest)で設定した権限(一時利用者)まで行える。 |
注:“3.操作のレベルを登録します。”に登録されている操作で、[操作対象名]に[objectEx=""]が指定される操作。操作対象名については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“操作制御マネージャ起動条件記述ファイル”を参照してください。
操作制御マネージャ起動条件記述ファイルは、以下の定義となります。
!! CenterA objectEx=hostA condition=Special objectEx=hostB,”” condition=User objectEx=* condition=Guest CenterB objectEx=hostA,”” condition=User objectEx=hostB condition=Special objectEx=* condition=Guest !!
すべての定義を行った操作制御マネージャ起動条件記述ファイルを以下に示します。
check_console=y #コンソール操作制御機能の実施有無 level=127 #未登録操作のレベル !UserID CenterA centa003 #(1) centa005 CenterB jkl00001 jkl00021 !UserID-End !OperationEx opmgr #(4) 1,"command ls -l" 50,"command kill" 10,action 10,rcmdserchall 10,msgserchsel 1,"CONSOLE TOOLS_REMOTECOMMAND" 5,"CONSOLE EVENT_UPDATEEVENT" 5,"CONSOLE TOOLS_A_SERCHRCMD" 5,"CONSOLE TOOLS_SERCHMSGLOG" 1,"CONSOLE FILE_SELECTTREE" #(5) !OperationEx-End !Condition Guest opmgr,5 User opmgr,15 #(3) Special opmgr,127 !Condition-End !! CenterA objectEx=hostA condition=Special objectEx=hostB,"" #(2) #(6) condition=User objectEx=* condition=Guest CenterB objectEx=hostA,"" #(6) condition=User objectEx=hostB condition=Special objectEx=* condition=Guest !!
(1)ログインIDがcenta003の利用者は、Aセンターに属します。
(2)操作対象名がhostBに対してAセンターのcenta003は、User条件グループの権限を持っています。
(3)User条件グループの権限は、製品名(opmgr)に対して15のレベルの操作が許可されています。
(4)centa003は、hostBに対して、レベル1のリモートコマンド「ls -l」は実行できますが、レベル50のリモートコマンド「kill」は、実行できません。
(5)「監視ツリーの選択」は、ユーザを追加したときにツリーの切り替えが行えなくなるのを防ぐため、低いレベルを指定します。監視ツリーの選択を許可しない場合は高いレベルを設定します。
(6)操作対象名が存在しない操作を指定するときは「""」を設定します。
上記の定義の例では、“3.操作のレベルを登録します。”に登録されている操作の中で、[操作対象名]に[objectEx=""]が指定される操作です。
操作対象名については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“操作制御マネージャ起動条件記述ファイル”を参照してください。