ページの先頭行へ戻る
Enterprise Postgres 14 SP1 導入ガイド(サーバ編)
FUJITSU Software

付録D 設定パラメータ

WebAdminは、以下の設定ファイルに記述された内容に従ってデータベースを運用・管理します。

これらの設定ファイルは、WebAdminによるインスタンス作成時および設定内容を変更したときに情報が書き込まれ、データ格納先に配置されます。そして、インスタンスの起動時、または[設定]メニューから各情報を表示した場合に、読み込まれます。

各設定ファイルの内容は、テキストエディタで直接編集もできます。

参照

パラメータの詳細については、“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Server Configuration”および“Client Authentication”を参照してください。

注意

WebAdminは、様々な運用の際に、ポート番号とバックアップデータ格納先の異常を確認します。WebAdminの[ポート番号]と[バックアップ格納パス]のどちらか、または両方の値がpostgresql.confの対応するパラメータと異なる場合に異常が発生します。詳細は、“運用ガイド”の“異常検知と対処”を参照してください。

postgresql.confについて

WebAdminで変更できるパラメータ

WebAdminで変更できるpostgresql.confのパラメータを以下に示します。

セクション

WebAdminでの項目名

postgresql.confのパラメータ

インスタンスの構成

文字コード

文字セット

client_encoding

メッセージのロケール

lc_messages

コミュニケーション

最大接続数

max_connections

SQLオプション

NULL値の解釈

transform_null_equals

日付出力フォーマット

DateStyle (注)

インターバル出力フォーマット

IntervalStyle

浮動値の桁数

extra_float_digits

トランザクション分離レベル

default_transaction_isolation

通貨フォーマット

lc_monetary

日時と時刻の形式

lc_time

数値フォーマット

lc_numeric

メモリ

ソートメモリ(単位:キロバイト)

work_mem

共有バッファ(単位:キロバイト)

shared_buffers

ストリーミングレプリケーション

WALレベル

wal_level

WALの最大送信プロセス数

max_wal_senders

WALの保存サイズ(単位:メガバイト)

wal_keep_size

ホットスタンバイ

hot_standby

同期スタンバイ名

synchronous_standby_names

非同期WAL送信に追従

following_async_walsenders

WAL受信タイムアウト(単位:ミリ秒)

wal_receiver_timeout

インスタンスを編集する

インスタンス名

n/a

インスタンスポート

port

バックアップ格納パス

backup_destination

注) 出力書式指定に“Postgres”を指定した場合、PostgreSQL Documentationに記載してある“Wed Dec 17 1997”という形式ではなく、“12-17-1997”という形式で出力されます。

参考

  • 以下の式で最大接続数を計算します。

    最大接続数 = <アプリケーションからの最大接続数> + 3 (注)

    注) システムに必要な接続数の初期値は3です。
    postgresql.confでsuperuser_reserved_connections(スーパーユーザー用の接続)を変更する際は、以下の式を使って最大接続数を計算します。

    最大接続数 = <アプリケーションからの最大接続数> + superuser_reserved_connections
  • 使用メモリがインストールされたメモリを超えているかどうかも確認します(“WebAdminがメモリ量に応じて自動的に設定しているパラメータ”を参照)。

  • “データベースのバッファサイズ(単位:MB)”または“最大接続数”を修正する際は、kernelパラメータを編集します。詳細は、“付録H カーネルパラメータの設定”および“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Managing Kernel Resources”を参照してください。


WebAdminが設定しているパラメータ

WebAdminがインスタンス起動時に設定しているパラメータを以下に示します。

これらのパラメータはpostgresql.confに指定しても有効になりません。

パラメータ名

設定値

listen_addresses

*

log_destination

'stderr,syslog'

logging_collector

on

log_line_prefix

'%e: %t [%p]: [%l-1] user = %u,db = %d,remote = %r app = %a '

log_filename (注1)(注2)

'logfile-%a.log'

log_file_mode

0600

log_truncate_on_rotation

on

log_rotation_age

1d

注1) サーバログは曜日ごとのファイルに分割され1週間でローテションされます。

注2) インスタンス停止中に日付が変わると、古いログが削除されず残存します。
     ディスク容量を圧迫する原因になるため、不要な古いログを手動で削除してください。


WebAdminがメモリ量に応じて自動的に設定しているパラメータ

WebAdminがインスタンス作成時にマシンの搭載メモリ量に応じて自動的に設定しているpostgresql.confのパラメータを以下に示します。

パラメータ名

設定値

shared_buffers

マシンの搭載メモリ量の30%

work_mem

マシンの搭載メモリ量の30% ÷ max_connections ÷ 2

effective_cache_size

マシンの搭載メモリ量の75%

maintenance_work_mem

マシンの搭載メモリ量の10% ÷ (1 + autovacuum_max_workers) (注1)

注1) この値が2097151KBを超える場合、2097151KBが設定されます。

上記のパラメータに設定する値は、インスタンスにアクセスするアプリケーションやコマンドの数、処理内容など、業務運用中のアクセス量の増加や性能への影響を予測して決める必要があります。また、実際のデータベースサーバでは、FUJITSU Enterprise Postgres以外の他のソフトウェアも稼働している場合があり、データベースと他のソフトウェアとの優先度やメモリの分配量を決める必要があります。

WebAdminは、上記のような難しいパラメータの設定を、マシンの搭載メモリ量を基準にして自動的に設定しています。これにより、マシンの持つメモリを最大限に活用して業務運用中の変動にも耐えられるようにしています。

したがって、他のソフトウェアや別のインスタンスとメモリ資源を効果的に分配し、互いに影響しあわないようにするためには、上述の影響を予測してパラメータの設定値を決めた上で、設定を行うようにしてください。パラメータの設定値と必要な考慮事項は、“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Resource Consumption”の“Memory”、および、“Query Planning”の“Planner Cost Constants”を参照してください。

パラメータの設定値の変更は、WebAdminの[設定]メニューまたはテキストエディタで直接編集することにより実施してください。

なお、インスタンスを追加する場合は、既存のインスタンスも含め、パラメータの設定値を決定して変更してください。

参照

変更するパラメータによっては、カーネルパラメータのチューニングが必要になります。カーネルパラメータのチューニングの詳細については、“付録H カーネルパラメータの設定”および“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Managing Kernel Resources”を参照してください。

注意

  • postgresql.confの以下のパラメータはテキストエディタで直接編集しないでください。誤って編集した場合、WebAdminが正しく動作しません。

    • archive_mode

    • archive_command

    • wal_level

    • log_line_prefix

    • log_destination

    • logging_collector

    • log_directory

    • log_file_mode

    • log_filename

    • log_truncate_on_rotation

    • log_rotation_age

  • 以下のパラメータについて注意が必要です。

    • superuser_reserved_connections

      WebAdminで必要な接続数3を含めた接続数を設定してください。デフォルトは3です。

pg_hba.confについて

pg_hba.confに設定できる内容は、“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Client Authentication”を参照してください。

注意

  • 接続形式“local”の設定で、インスタンス管理者を許可する設定にしてください。設定されていない場合、WebAdminが正しく動作しません。

  • pg_hba.confファイルをテキストエディタで編集した場合に、WebAdminで設定できない項目および値を指定すると、その行はWebAdminから参照できなくなります。