辞書を複写する時の注意事項を、以下に示します。
部門間の複写を行う場合
部門間複写を行う場合で、複写元の辞書に個人ごとの公開条件を設定している場合は、複写元の辞書退避を行う前に個人ごとの公開条件を削除してください。
その後、複写先で辞書を復元し、複写先の環境に合わせた公開条件を設定してください。
個人辞書の複写を行う場合
複写元の辞書に個人辞書の退避情報(ユーザIDを16進数、8桁の大文字で表記したディレクトリ)が存在する場合、複写先の環境に同じユーザIDのユーザが存在する個人辞書の退避情報だけ復元されます。
サーバ間で辞書情報の複写を行った場合、かつ複写元のサーバで分散運用をしていた場合
サーバA上のOracleで作成されたデータベースリンクを、サーバB上で同じ資源名で作成する必要があります。
サーバBの環境変数RN_DBMS_KINDに“ORACLE”を設定しておきます。
ServerBからServerCに接続する場合、ServerBのOracleのデータベースリンクの定義にしたがって行われるため、ServerBにデータベースリンクをServerAと同様に定義すれば他サイトの資源を使用できます。
ODBCドライバがサーバBにインストールされている必要があります。また、 サーバAと同じ設定が、サーバBのODBCドライバに設定されている必要があります。
サーバBの環境変数RN_DBMS_KINDにODBCを設定しておきます。
文字コードが異なるOS間での辞書複写
コード系によっては、同じ文字でもバイト数が異なることがあります。
半角カタカナ、拡張漢字、および利用者定義文字などは、コード系によってバイト数が異なります。そのため、このような文字が辞書の退避データに含まれている場合に、コード系の異なるOS間で辞書複写を行う場合には、注意が必要です。
例えば、文字コードがShift-JISコードのOSからEUCコードのOSへ辞書複写を行う場合、半角カタカナで254文字(254バイト)の注釈が定義されていると、そのデータをコード変換するとEUCコードでは508バイトとなります。そのため、そのままでは辞書の復元ができません。このような場合には複写元の辞書の注釈をEUCコードでも254バイトになるように127バイト以下に修正してから辞書の退避を行う必要があります。
また、「メッセージの発信」機能で作成したメッセージ情報は、正しく復元できません。移行先環境に「RN_MSGRECEIVE_CONTROL=OFF」を設定するか、「メッセージの削除」で発信メッセージをすべて削除してください。
WindowsサーバからUNIX間での辞書複写
Windowsサーバの場合はファイル名の英大文字と英小文字を区別しませんが、UNIXでは英大文字と英小文字を区別します。そのため、辞書複写を行う場合、辞書の退避ファイル名や退避データを格納しているディレクトリ名は英大文字、英小文字の違いも含めて正確に複写してください。
また、「メッセージの発信」機能で作成したメッセージ情報は、正しく復元できません。移行先環境に「RN_MSGRECEIVE_CONTROL=OFF」を設定するか、「メッセージの削除」で発信メッセージをすべて削除してください。
データベースにUnicodeを使用する場合の辞書複写
移行元のデータベースがUnicodeでなく、移行先のデータベースがUnicodeの場合、移行先環境に「RN_DICTIONARY_EXPAND=YES」を設定してください。他文字コードからUnicodeへ移行する場合の詳細は、“Navigator Server セットアップガイド Vol.1”を参照してください。
SQL Server 7/2000からSQL Server 2005以降への辞書複写
SQL Server 2005では日付時刻型(datetime、およびsmalldatetime)の形式が変更されたため、これらの形式を含むSQL Server 7.0/2000の辞書をSQL Server 2005以降の環境に複写すると、問い合わせの結果が出力されないなどの問題が発生する場合があります。
SQL Server 7.0/2000の辞書をSQL Server 2005以降の環境に複写する場合は、Navigator辞書管理ツールの時間属性の設定を行い、日付時刻型の形式をSQL Server 2005以降の形式に合わせてください。
SQL Server 7/2000の形式 | SQL Server 2005以降の形式 | |
---|---|---|
datetime型 | yyyy/mm/dd | yyyy-mm-dd |
smalldatetime型 | yyyy/mm/dd | yyyy-mm-dd |
辞書の運用形態について
複写元の辞書が部門辞書運用の場合、複写先の辞書も部門辞書運用にする必要があります。
辞書の運用形態については、“Navigator Server 概説書”、および“Navigator Server セットアップガイド Vol.1”を参照してください。
複写元と複写先でデータベース名(Oracleの場合はORACLE_SID、Symfowareの場合はRDB2DB、SQL Serverの場合はRN_MSSQLSERVER_DB、Postgresの場合はRN_POSTGRES_DB)が異なる場合の復元
「データベース名の変換を行う」をチェックします。
退避情報の権限
退避情報を複写先に複写した後で、退避情報ファイル、および退避情報を格納したディレクトリに対して復元を実行するユーザが、読み込み、書き込み可能な権限を付与してください。
『備考』
環境設定ファイル、および環境変数の詳細については、“Navigator Server セットアップガイド Vol.1”を参照してください。
複写作業の終了後、複写先でツールクライアントにより整合性チェックを実施してください。整合性チェックの詳細は“8.1 データベースの変更に伴う整合性の保全”を参照してください。