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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

3.1.2 設定項目の決定

使用する二重化方式ごとに設定項目の内容を決めます。

3.1.2.1 高速切替方式

高速切替方式を使用する場合、表3.2 高速切替方式の設定項目(構成情報)に示す設定項目(構成情報)を決めます。

表3.2 高速切替方式の設定項目(構成情報)

設定項目(構成情報)

仮想インタフェース情報(1)

仮想インタフェース名

仮想IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

物理インタフェース情報(1)

物理インタフェース名

IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

物理インタフェース情報(2)

物理インタフェース名

IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

(物理インタフェース数分繰り返す)

(仮想インタフェース数分繰り返す)

以下に各設定項目について説明します。

<仮想インタフェース情報>

仮想インタフェースの数分、以下の設定を行います。

仮想インタフェース名

二重化する物理インタフェースに割り当てる仮想インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-nオプションで、shaX(Xは数字)の名前で指定します。

仮想IPアドレス(またはホスト名)

仮想インタフェースに割り当てるIPアドレス(またはホスト名)を指定します。このIPアドレスのネットワーク部(IPv4時)またはprefix(IPv6時)は、物理インタフェースに割り当てるIPアドレスと異なる値でなければいけません。本項目は、IPv4の場合は、hanetconfig createコマンドの-iオプションで指定します。IPv6の場合は、/etc/radvd.confファイルで指定します。

サブネットマスク

IPv4アドレスを使用する場合は、仮想IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を設定します。サブネット分割を行わない場合には省略可能です。本項目は、hanetmaskコマンドで記述します。IPv6アドレスを使用する場合は設定不要です。

<物理インタフェース情報>

冗長化する物理インタフェースの数分、以下の設定を行います。

物理インタフェース名

使用する物理インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-tオプションで指定します。(例.eth1,eth2等)

物理IPアドレス

IPv4アドレスを使用する場合、物理インタフェースに割り当てるIPアドレス(またはホスト名)を指定します。このIPアドレスのネットワーク部は、他の物理インタフェースおよび仮想インタフェースに割り当てるIPアドレスと異なる値でなければいけません。本項目は、" /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-物理インタフェース名"ファイルを作成し、ファイル内に、IPアドレスを記載することで設定します。

サブネットマスク

IPv4アドレスを使用する場合は、物理IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を設定します。サブネット分割を行わない場合には省略可能です。本項目は、" /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-物理インタフェース名"ファイルで記述します。RHEL8では、NETMASKではなくPREFIXを用いてサブネットマスクの設定を行ってください。IPv6アドレスを使用する場合は設定不要です。

3.1.2.2 NIC切替方式

NIC切替方式を使用する場合、表3.3 NIC切替方式の設定項目(構成情報)に示す設定項目(構成情報)を決めます。

表3.3 NIC切替方式の設定項目(構成情報)

設定項目(構成情報)

仮想インタフェース情報(1)

仮想インタフェース名

仮想IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

物理インタフェース情報(1)

物理インタフェース名

IPアドレス(またはホスト名)

物理インタフェース情報(2)

物理インタフェース名

待機パトロール情報

仮想インタフェース名

自動切戻し方法

監視先情報

プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

セカンダリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

HUB-HUB間監視

(仮想インタフェース数分繰り返す)

以下に各設定項目について説明します。

<仮想インタフェース情報>

仮想インタフェースの数分、以下の設定を行います。

仮想インタフェース名

二重化する物理インタフェースに割り当てる仮想インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-nオプションで、shaX(Xは数字)の名前で指定します。

仮想IPアドレス(またはホスト名)

仮想インタフェースに割り当てるIPアドレス(またはホスト名)を指定します。このIPアドレスのネットワーク部(IPv4時)またはprefix(IPv6時)は、物理インタフェースに割り当てるIPアドレスと同じでなければいけません。本項目は、hanetconfig createコマンドの-iオプションで指定します。

サブネットマスク

IPv4アドレスを使用する場合は、仮想IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を設定します。サブネット分割を行わない場合には省略可能です。本項目は、hanetmaskコマンドで記述します。IPv6アドレスを使用する場合は設定不要です。

<物理インタフェース情報>

冗長化する物理インタフェースの数分、以下の設定を行います。

物理インタフェース名

使用する物理インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-tオプションで指定します。(例.eth1,eth2等)

物理IPアドレス(またはホスト名)

物理インタフェースに割り当てるIPアドレス(またはホスト名)を指定します。他の物理インタフェースおよび仮想インタフェースに割り当てるIPアドレスと異なる値でなければいけません。本項目は、”/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-物理インタフェース名”ファイルを作成し、ファイル内に、IPアドレスを記載します。

<待機パトロール情報>

待機パトロール機能を使用する場合、以下の設定を行います。待機パトロール機能を使用しない場合、本設定は不要です。

仮想インタフェース名

待機パトロール用の仮想インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-nオプションで、shaX(Xは数字)の名前で指定します。

自動切戻し方法

待機パトロール機能を設定することにより、伝送路が復旧した場合、自動切戻し機能が有効となります。復旧後、待機インタフェースとして組み込む場合には、hanetconfig createコマンドの-mオプションでpを指定します。復旧後、直ちに切り戻しを実行したい場合には-mオプションでqを指定します。

<監視先情報>

仮想インタフェースの数分、以下の設定を行います。なお、本項目を省略することはできません。

プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

プライマリ物理インタフェース使用時に監視するHUBのIPアドレス(またはホスト名)を指定します。本項目は、hanetpoll createコマンドの-pオプションで指定します。なお、pingによる監視を行わない場合は”_none_”を入力してください。

セカンダリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

セカンダリ物理インタフェース使用時に監視するHUBのIPアドレス(またはホスト名)を指定します。本項目は、hanetpoll createコマンドの-pオプションで指定します。本項目は省略可能です。その場合、プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)と同じ値が適用されます。プライマリ監視先IPアドレスに”_none_”を指定した場合は指定しないでください。

HUB-HUB間監視

HUBを2台使用しHUB-HUB間をカスケード接続している場合、カスケード接続しているHUB-HUB間の伝送路の状態を監視するか否かを指定します。
on:HUB-HUB間の監視を行います。
off:HUB-HUB間の監視を行いません。
初期値として“off”が設定されています。本項目は、hanetpoll createコマンドの-bオプションで指定します。

3.1.2.3 仮想NIC方式

仮想NIC方式を使用する場合、表3.4 仮想NIC方式の設定項目(構成情報)に示す設定項目(構成情報)を決めます。

表3.4 仮想NIC方式の設定項目(構成情報)

設定項目(構成情報)

仮想インタフェース情報(1)

仮想インタフェース名

仮想IPアドレス

サブネットマスク

物理インタフェース情報(1)

物理インタフェース名

物理インタフェース情報(2)

物理インタフェース名

監視先情報

プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

セカンダリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

(仮想インタフェース数分繰り返す)

以下に各設定項目について説明します。

<仮想インタフェース情報>

仮想インタフェースの数分、以下の設定を行います。

仮想インタフェース名

二重化する物理インタフェースに割り当てる仮想インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-nオプションで、shaX(Xは数字)の名前で指定します。なお、仮想インタフェースのインタフェース設定ファイルは、hanetconfig createコマンドにて仮想インタフェースを設定した際に作成されます。

仮想IPアドレス

仮想インタフェースに割り当てるIPアドレスを指定します。本項目は、仮想インタフェース shaX のインタフェース設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX)に記述します。

サブネットマスク

仮想IPアドレスを設定する場合は、仮想IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を設定します。本項目は、仮想インタフェース shaX のインタフェース設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX)に記述します。

また、hanethvrscコマンドでクラスタ引継ぎIPアドレスを設定する場合は、hanetmask コマンドでもサブネットマスクを設定します。

<物理インタフェース情報>

冗長化する物理インタフェースの数分、以下の設定を行います。

物理インタフェース名

使用する物理インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-tオプションで指定します。(例.eth1,eth2等)

<監視先情報>

ネットワーク監視機能のHUB監視を有効にする場合は、以下の設定を行います。なお、本項目を省略した場合、HUB監視は行われません。

プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

プライマリ物理インタフェース使用時に監視するHUBのIPアドレス(またはホスト名)を指定します。本項目は、hanetpathmon target コマンドで指定します。

セカンダリ監視先IPアドレス(またはホスト名)

セカンダリ物理インタフェース使用時に監視するHUBのIPアドレス(またはホスト名)を指定します。本項目は、hanetpathmon target コマンドで指定します。本項目は省略可能です。その場合、プライマリ監視先IPアドレス(またはホスト名)と同じ値が適用されます。

3.1.2.4 GS連携方式

GS連携方式を使用する場合、表3.5 GS連携方式の設定項目(構成情報)に示す設定項目(構成情報)を決めます。

表3.5 GS連携方式の設定項目(構成情報)

設定項目(構成情報)

仮想インタフェース情報

仮想インタフェース名

仮想IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

物理インタフェース情報(1)

物理インタフェース名

IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

物理インタフェース情報(2)

物理インタフェース名

IPアドレス(またはホスト名)

サブネットマスク

(物理インタフェース数分繰り返す)

仮想ゲートウェイ情報

仮想ゲートウェイIPアドレス

(仮想インタフェース数分繰り返す)

相手ノード情報

相手ノード名

仮想IPアドレス情報

仮想IPアドレス(またはホスト名)

相手物理IPアドレス情報

IPアドレス(またはホスト名)(1)

ルータIPアドレス(またはホスト名)(1)

IPアドレス(またはホスト名)(2)

ルータIPアドレス(またはホスト名)(2)

(IPアドレス数分繰り返す)

(仮想IP分繰り返す)

(相手ノード数分繰り返す)

以下に各設定項目について説明します。

<仮想インタフェース情報>

仮想インタフェースの数分、以下の設定を行います。

仮想インタフェース名

二重化する物理インタフェースに割り当てる仮想インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-nオプションで、shaX(Xは数字)の名前で指定します。

仮想IPアドレス(またはホスト名)

仮想インタフェースに割り当てるIPv4アドレス(またはホスト名)を指定します。このIPアドレスのネットワーク部は、物理インタフェースに割り当てるIPアドレスと異なる値でなければいけません。本項目は、hanetconfig createコマンドの-iオプションで指定します。

サブネットマスク

仮想IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を指定します。サブネット分割を行わない場合には省略可能です。本項目は、hanetmaskコマンドで記述します。サブネットマスクを適用する場合は、仮想IPアドレス、物理IPアドレスすべてに同じマスク値を適用してください。

<物理インタフェース情報>

冗長化する物理インタフェースの数分、以下の設定を行います。

物理インタフェース名

使用する物理インタフェースの名前を指定します。本項目は、hanetconfig createコマンドの-tオプションで指定します。(例.eth1,eth2等)

物理IPアドレス(またはホスト名)

物理インタフェースに割り当てるIPアドレス(またはホスト名)を指定します。このIPアドレスのネットワーク部は、他の物理インタフェースおよび仮想インタフェースに割り当てるIPアドレスと異なる値でなければいけません。本項目は、"/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-物理インタフェース名"ファイルを作成し、ファイル内に、IPアドレスを記載することで設定します。

サブネットマスク

物理IPアドレスに適用するサブネットワークマスク値を指定します。サブネット分割を行わない場合には省略可能です。本項目は、"/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-物理インタフェース名"ファイルで記述します。RHEL8では、NETMASKではなくPREFIXを用いてサブネットマスクの設定を行ってください。サブネットマスクを適用する場合は、仮想IPアドレス、物理IPアドレスすべてに同じマスク値を適用してください。

<仮想ゲートウェイ情報>

仮想インタフェースの数分、仮想ゲートウェイの設定を行います。

仮想ゲートウェイIPアドレス

通信相手となる仮想ゲートウェイのIPアドレスを指定します。このIPアドレスのネットワーク部は、仮想インタフェースに割り当てるIPアドレスと同一の値でなければいけません。本項目は、"/etc/sysconfig/network-scripts/route-仮想インタフェース名"ファイルを作成し、ファイル内に仮想ゲートウェイを使用する静的経路情報を設定します。さらに、hanetgw createコマンドの-gオプションで仮想ゲートウェイのIPアドレスを指定します。

<相手ノード情報>

相手ノード数分、以下の設定を行います。

相手ノード名

通信相手ホストのノードを識別する半角16文字以内の任意の名前を指定します。本項目はhanetobserv createコマンドの-nオプションで指定します。

<仮想IPアドレス情報>

仮想IPアドレス数分、以下の設定を行います。

仮想IPアドレス(またはホスト名)

通信相手ホストの仮想IPアドレス(またはホスト名)を指定します。本項目はhanetobserv createコマンドの-iオプションで指定します。このホスト名およびIPアドレスは、/etc/hosts ファイルにも定義しなければなりません。

相手物理IPアドレス情報

相手仮想IPアドレス配下に存在する物理IPアドレス(またはホスト名)を‘,’で区切ってリスト形式で指定します。本項目はhanetobserv createコマンドの-tオプションで指定します。このホスト名およびIPアドレスは、/etc/hosts ファイルにも定義しなければなりません。

ルータIPアドレス情報

ルータを経由してGSとリモートネットワーク通信を行う場合の自システム側に存在する隣接ルータのIPアドレス(またはホスト名)を、相手物理IPアドレス情報と合わせて‘ルータIPアドレス+相手物理IPアドレス’の形式で指定します。本項目はhanetobserv createコマンドの-tオプションで指定します。このホスト名およびIPアドレスは、/etc/hosts ファイルにも定義しなければなりません。なお、GSとリモートネットワーク通信を行わない場合には、本項目を設定する必要はありません。

3.1.2.5 各方式の設定項目

表3.6 二重化方式の設定項目(パラメタ)に、各方式の設定項目について説明します。本項目は、デフォルト値を使用する場合は設定不要です。

表3.6 二重化方式の設定項目(パラメタ)

設定項目(パラメタ)

高速切替
方式

NIC切替
方式

仮想NIC
方式

GS連携
方式

デフォルト値

伝送路監視間隔

5秒

メッセージ出力(相手監視)までの連続監視回数

0回

クラスタ切替えまでの連続監視回数

5秒

起動直後のクラスタ切替え

しない

メッセージ出力(物理インタフェース監視)

しない

待機パトロール監視間隔

15秒

メッセージ出力(待機パトロール監視)までの連続監視回数

3回

監視間隔

5秒
(仮想NIC方式:3秒)

監視回数

5回

復旧監視間隔

5秒

クラスタ切替え

行う

リンクアップ待ち時間

60秒
(仮想NIC方式:45秒)

リンク状態監視機能

有効
(仮想NIC方式:常に有効)

ホスト名変換機能

有効

監視自動起動

有効

復旧監視回数

仮想NIC方式:2回
GS連携方式:0回

自動切戻し

無効

セルフチェック機能

有効

[記号の説明] ○:有効、-:無効

以下に各設定項目について説明します。

伝送路監視間隔

伝送路を監視する間隔を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~300です。0を指定した場合は監視を行いません。初期値として5(秒)が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -w オプションで指定します。本項目は、高速切替方式の場合に有効です。

メッセージ出力(相手監視)までの連続監視回数

伝送路異常検出時に相手単位にメッセージ出力(メッセージ番号:800,801)する場合、メッセージ出力までの連続監視回数を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を行いません。初期値として0(メッセージ出力しない)が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -m オプションで指定します。本項目は、高速切替方式の場合に有効です。

クラスタ切替えまでの連続監視回数

仮想インタフェースが使用している伝送路がすべて異常となった場合、クラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は、クラスタ切替えを行いません。クラスタ切替えを行う場合は、クラスタ切替えを行うまでの連続監視回数を1~100の範囲で指定します。初期値として5(5回連続して全伝送路異常を検出した場合、クラスタ切替えを行う)が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -l オプションで指定します。本項目は、高速切替方式の場合に有効です。

起動直後のクラスタ切替え

システム起動前に、既に仮想インタフェースが使用するすべての伝送路で異常が発生していた場合、クラスタ起動後直ちにクラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。“on ”を指定した場合、userApplication起動後直ちにクラスタ切替えを行います。“off”を指定した場合は、userApplication起動直後はクラスタ切替えを行いません。初期値として、“off”が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -c オプションで指定します。本項目は、高速切替方式の場合に有効です。

メッセージ出力(物理インタフェース監視)

仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化(伝送路異常検出、または復旧)した場合に、メッセージ出力を行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。 “on”を指定した場合、メッセージを出力(メッセージ番号:990,991,992)します。“off”を指定した場合にはメッセージを出力しません。初期値として、“off”が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -s オプションで指定します。本項目は、高速切替方式の場合に有効です。

待機パトロール監視間隔

待機パトロール機能による運用NICの監視間隔を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は監視を行いません。ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。初期値として15(秒)が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -p オプションで指定します。本項目は、NIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。

メッセージ出力(待機パトロール監視)までの連続監視回数

待機パトロール機能による伝送路異常検出時、メッセージ出力(メッセージ番号:875)までの連続監視回数を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を停止し、待機パトロール機能による監視を無効化します。ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。初期値として3(回)が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの -o オプションで指定します。本項目は、NIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。なお、待機パトロール開始直後は、連続監視回数は、本オプションでの設定値×2となります。

監視間隔

監視間隔を秒で指定します。設定可能な範囲は1~300です。初期値として5(秒)が設定されています。仮想NIC方式の場合は、3(秒)が設定されています。

本項目は、以下のコマンドで指定します。

  • NIC切替方式の場合

    hanetpoll onコマンドの-sオプションで指定します。

  • 仮想NIC方式の場合

    hanetpathmon param コマンドの-sオプションで指定します。

  • GS連携方式の場合

    hanetobserv paramコマンドの-sオプションで指定します。

本項目は、NIC切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式の場合に有効です。

監視回数

監視回数を指定します。設定可能な範囲は1~300です。初期値として5(回)が設定されています。

本項目は、以下のコマンドで指定します。

  • NIC切替方式の場合

    hanetpoll onコマンドの-cオプションで指定します。

  • 仮想NIC方式の場合

    hanetpathmon param コマンドの-cオプションで指定します。

  • GS連携方式の場合

    hanetobserv paramコマンドの-cオプションで指定します。

本項目は、NIC切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式の場合に有効です。

復旧監視間隔

GS連携方式の通信相手ホスト監視で異常を検出した場合の復旧監視間隔を指定します。設定可能な範囲は1~300です。初期値として5(秒)が設定されます。本項目は、hanetobserv paramコマンドの-bオプションで指定します。本項目は、GS連携方式の場合に有効です。

クラスタ切替え

クラスタ運用中に全伝送路異常が発生した場合、ノード間切替えを行うか否かを指定します。
yes:伝送路監視異常発生時にノード間切替えを行います。
no:伝送路監視異常発生時にノード間切替えを行いません。
初期値として“yes”が設定されています。

本項目は、以下のコマンドで指定します。

  • NIC切替方式の場合

    hanetpoll onコマンドの-fオプションで指定します。

  • 仮想NIC方式の場合

    hanetpathmon param コマンドの-fオプションで指定します。

  • GS連携方式の場合

    hanetobserv paramコマンドの-fオプションで指定します。

本項目は、NIC切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式を使用し、かつ、クラスタ運用時のみ有効です。

リンクアップ待ち時間

監視開始後のHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で指定します。設定可能な範囲は1~300です。初期設定値は60(秒)が設定されます。仮想NIC方式では45(秒)が設定されます。また、監視間隔×監視回数よりも値が小さい場合には、リンクアップ待ち時間に設定された時間は無視され、監視間隔×監視回数で設定されている時間を採用します。

本項目は、以下のコマンドで指定します。

  • NIC切替方式の場合

    hanetpoll onコマンドの-pオプションで指定します。

  • 仮想NIC方式の場合

    hanetpathmon param コマンドの-pオプションで指定します。

  • GS連携方式の場合

    hanetobserv paramコマンドの-pオプションで指定します。

本項目は、NIC切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式の場合に有効です。

リンク状態監視機能

仮想インタフェースが束ねるインタフェースのリンク状態の監視を行うか否かを指定します。

  • NIC切替方式の場合

    リンク状態は、hanetpoll onコマンドの-sオプションで設定された間隔で監視され、インタフェースのリンクダウン検出時、GLSは即時にNICの切替えを行います。初期値として“yes”が設定されています。本監視は、hanetpoll onコマンドの-lオプションで指定します。

  • 仮想NIC方式の場合

    自動的にリンク状態が監視されます。

本項目は、NIC切替方式、または仮想NIC方式の場合に有効です。

ホスト名変換機能

本機能を有効にした場合、GLSの設定にIPアドレスではなくホスト名を指定した際に、OSの設定(/etc/nsswitch.conf)に依存せずホストファイル(/etc/hosts)を基に変換を行い、GLSのIPアドレスをインタフェースに割り当てることができます。初期値として“yes”が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの-hオプションで指定します。本項目は、高速切替方式、NIC切替方式、またはGS連携方式の場合に有効です。

監視自動起動

仮想NIC方式において、ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動するかどうかを指定します。
yes:ネットワーク監視を仮想インタフェースの起動と連動して起動します。
no:ネットワーク監視を仮想インタフェースの起動と連動して起動しません。
初期値として“yes”が設定されています。本項目は、hanetpathmon paramコマンドの-aオプションで指定します。本項目は、仮想NIC方式の場合に有効です。

復旧監視回数
  • 仮想NIC方式の場合

    ネットワーク監視機能の待機パトロールによる復旧監視において、監視先が復旧してから通常監視に戻るための、監視の成功回数を指定します。設定可能な範囲は1~300です。初期値として2(回)が設定されます(待機パトロールの成功が2回で復旧とみなします)。本項目は、hanetpathmon param コマンドの-rオプションで指定します。

  • GS連携方式の場合

    通信相手の実IPに対する復旧監視において、監視先が復旧してから通常監視に戻るための、リトライ回数を指定します。設定可能な範囲は0~300です。初期値として0(回)が設定されます(ping監視の成功が1回、かつリトライなしで復旧とみなします)。本項目は、hanetobserv param コマンドの-rオプションで指定します。

本項目は、仮想NIC方式、またはGS連携方式の場合に有効です。

自動切戻し

仮想NIC方式において、待機パトロール機能を使用して、運用NIC-待機NIC間の通信経路の復旧を検出した際に、自動切戻しを行うかどうかを指定します。
yes :自動切戻しを行います。
no :自動切戻しを行いません。
初期値として“no”が設定されています。本項目は、hanetpathmon param コマンドの-qオプションで指定します。本項目は、仮想NIC方式の場合に有効です。

セルフチェック機能

本機能を有効にした場合、定期的にGLSの運用状態を監視します。初期値として“yes”が設定されています。本項目は、hanetparamコマンドの-eオプションで指定します。


3.1.2.6 設定項目の上限値

各方式における設定項目の上限値について以下に示します。

二重化方式共通の上限値

二重化方式で設定する項目の上限値は以下のとおりです。

設定項目

上限値

仮想インタフェースと論理仮想インタフェースの合計数

64個

GS連携方式の上限値

GS連携方式の通信相手ホスト監視に設定する項目の上限値は以下のとおりです。

設定項目

上限値

仮想IPアドレスの最大数 (注1)

128個

物理IPアドレスの最大数

64個

1つの仮想IPアドレスが移動可能な最大ノード数 (注2)

4ノード

注1) クラスタ構成でGLSを使用している環境では、監視対象として以下の仮想IPアドレスの設定が必要です。

参照

クラスタ構成における監視の設定については、“3.10.1 通信相手ホスト監視”を参照してください。

注2) 下記設定ファイルの編集により、最大16ノードまで拡張できます。

/etc/opt/FJSVhanet/config/ctld.param
#
#  HA-Net Configuration File
#
#       Each entry is of the form:
#
#       <param> <value>
#

observ_msg      0
observ_polling_timeout  180
max_node_num    4      ←変更

注意

設定の反映には、resethanet -sコマンドの実行またはシステムのリブートが必要です。