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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

1.1 伝送路二重化機能とは

伝送路二重化機能は、複数のNIC(Network Interface Card)を使用して、自システムが接続されるネットワークの伝送路を冗長化し、通信全体の高信頼化を実現するソフトウェアです。

以下の4つの方式による伝送路制御機能を提供しています。

高速切替方式

高速切替方式は、同一ネットワーク上のサーバ間の伝送路を冗長化し、伝送路障害発生時の通信継続、および伝送路同時使用によるトータルスループットの向上を実現します。本方式では、冗長化した伝送路(最大8多重まで)を同時に使用し、障害発生時は該当の伝送路を切り離して縮退運用します。Global Link Services (以降、GLS)自身が制御するため、障害を早期に検出することが可能です。通信可能な相手装置は、GLSの高速切替方式が動作しているPRIMEQUEST、PRIMERGY、SPARC M10、SPARC Enterprise、PRIMEPOWERなどです。なお、ルータを越えた別ネットワーク上のホストとの通信には利用できません。また、多重化していない伝送路を使用することも可能です。詳細については、“2.2.4 単一物理インタフェースの設定”を参照してください。

図1.1 高速切替方式

NIC切替方式

NIC切替方式は、二重化したNIC(LANカード)を同一ネットワーク上に接続し、排他使用して伝送路の切替えを制御します。通信相手が限定されず、またルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信も可能です。なお、多重化していないNICを使用することも可能です。詳細については、“2.2.4 単一物理インタフェースの設定”を参照してください。

図1.2 NIC切替方式

仮想NIC方式

仮想NIC方式は、同一ネットワーク上に接続した複数の物理NIC(LANカード)を、論理的に1本に見せるための仮想的なインタフェースを生成して通信を行います。本方式では、二重化したNICを排他使用して伝送路の切替えを制御します。通信相手が限定されず、またルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信も可能です。なお、多重化していないNICを使用することも可能です。詳細については、“2.2.4 単一物理インタフェースの設定”を参照してください。

図1.3 仮想NIC方式

GS連携方式

GS連携方式は、グローバルサーバとの間で高信頼通信を行います。本方式では冗長化した伝送路(最大8多重まで)を同時に使用し、正常時はTCPコネクションごとに伝送路を自動的に振り分けて通信を行い、異常発生時には、該当の伝送路を切り離してTCPコネクションを正常な伝送路へ移動し、縮退運用を行います。通信可能な相手装置は、グローバルサーバ、GLSのGS連携方式が動作しているPRIMEQUESTまたはPRIMERGYです。また、ルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信も可能です。なお、多重化していないNICを使用することも可能です。詳細については、“2.2.4 単一物理インタフェースの設定”を参照してください。(以降、グローバルサーバをGSと呼びます。)

図1.4 GS連携方式