セットアップを開始する前に以下の設計を行ってください。
RPOに基づいた運用センタで蓄積する最大トランザクションログ量
運用センタと待機センタを接続する広域回線の異常などにより、待機センタへのトランザクションログの送信が遅延することがあります。この状況で万が一被災した場合を考慮することで、RPOによる送信遅延量が決まります。そのため、システムで許容されるRPOに基づいて、待機センタへ未送信のトランザクションログを運用センタでどれだけ蓄積するかを決定する必要があります。
参考
運用センタでのトランザクションログを蓄積する手段としてレプリケーションスロットを利用する選択肢もあります。しかし、許容されるRPOの上限で最大蓄積量を決定するため、トランザクションログ格納ディレクトリが枯渇するまで蓄積可能なレプリケーションスロットは利用しない構築方法で説明します。
待機センタへの手動転送を考慮したアーカイブログファイルのライフサイクル
“6.3 災害対策運用におけるアーカイブログ運用”に示したとおり、ストリーミングレプリケーションによる待機センタへのトランザクションログ送信が行えない場合に、運用センタのアーカイブログファイルを手動転送することでRPOを高めることが可能です。一方、運用センタでのアーカイブログファイルのライフサイクルはバックアップ周期に基づいて決定されるため、手動転送を行う場合には、必要なアーカイブログ量も満たすライフサイクルを決定する必要があります。