本手順は、二階層運用を行うシステムでEnterprise Managerのクラスタ化を行いたい場合に実施します。
■手順
以下の手順に沿って実施してください。
役割の用意
共用ディスク、ネットワークおよびIPアドレスの設定
現用系サーバでのEnterprise Managerのインストール
現用系サーバでのクラスタセットアップ
待機系サーバでのEnterprise Managerのインストール
待機系サーバでのクラスタセットアップ
本項ではクラスタ環境を構築するため、以下のグループ、および基本リソースを用意します。
Systemwalker Service Quality Coordinator登録用役割
Systemwalker Service Quality Coordinatorをクラスタ運用するための役割です。
共用ディスク
現用系サーバと待機系サーバのEnterprise Managerが共有するファイルを格納するディスクです。
性能データベース(PDB)およびアーカイブファイルの格納先を変更する場合は、その格納先の物理ディスクを共用ディスクとします。
論理IPアドレス
クラスタシステムで運用する時に、使用するネットワーク上でユニークなIPアドレスを新規に割り当てます。
論理ホスト名
論理IPアドレスに対するネットワークのホスト名です。
役割の用意
Enterprise Managerが使用するグループを用意します。クラスタシステムの運用形態によって以下の2つの方法のどちらかを実施します。
Systemwalker Service Quality Coordinatorを独立したクラスタシステムで運用する場合
フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して、本製品用の役割を以下の名前で登録します。
「Systemwalker SQC Group」
Systemwalker Service Quality CoordinatorをSystemwalker Centric Managerのクラスタシステムに追加する場合
Systemwalker Centric Managerの役割に追加する場合は、Systemwalker Centric Managerのクラスタ環境を作成し、「CentricMGR Group」グループを用意しておきます。
共用ディスク、ネットワークおよびIPアドレスの設定
基本となるリソースをグループに登録します。
本製品の共有ファイルを格納する物理ディスク、ネットワーク、およびIPアドレスを、「1. 役割の用意」で用意した役割に登録します。
現用系サーバでEnterprise Managerをインストール
「3.1.1 Manager/Enterprise Manager【EE】のインストール」または「3.2 サイレントインストール」を参照してインストールを実施してください。
注意
共用ディスクにはインストールしないでください。
現用系サーバでのクラスタセットアップ
現用系サーバでディスクの所有権を獲得する
フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して以下のディスクの所有権を獲得します。
Quorumディスク
本製品で使用する共用ディスク
共用ディスクをオンラインにする
フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して共用ディスクをオンラインにします。
フェールオーバー クラスター マネージャーとレジストリエディタを終了する
フェールオーバー クラスター マネージャーとレジストリエディタが起動されている場合は、終了させてください。
現用系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行する
「A.6 クラスタセットアップコマンド」を参照して、現用系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclpを実行してください。
コマンドの実行形式は以下です。
<インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupclp -m <共用ディスク> -h <論理ホスト名> |
性能データベース(PDB)およびアーカイブファイルの格納先を変更する
性能データベース(PDB)およびアーカイブファイルの格納先を変更する場合は、「6.6.1 PDB/アーカイブファイル格納先の変更」を参照してください。
性能データベース(PDB)の格納先を変更しない場合、フェイルオーバ後、現用系に蓄積された性能データは待機系で参照できません。
Enterprise Managerのセットアップ
Enterprise Managerに含まれるAgentの機能を使用してEnterprise Manager自身の性能情報を収集したい場合は、「A.1 サーバ内リソース情報収集ポリシー作成コマンド」を参照して、収集ポリシーの作成と適用を実施してください。Enterprise ManagerにAgentをインストールする必要はありません。
待機系サーバでのEnterprise Managerのインストール
「3.1.1 Manager/Enterprise Manager【EE】のインストール」または「3.2 サイレントインストール」を参照してインストールを実施してください。
ポイント
Enterprise Manager環境は、現用系サーバ、待機系サーバとも同一環境(同じデバイス名、共用ディスク、かつ同じインストールパス)で作成してください。
なお、共用ディスクにはインストールしないでください。
待機系サーバでのクラスタセットアップ
フェールオーバー クラスター マネージャーとレジストリエディタを終了する。
フェールオーバー クラスター マネージャーとレジストリエディタが起動されている場合は、終了させてください。
待機系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行する。
「A.6 クラスタセットアップコマンド」を参照して、待機系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclsを実行してください。
コマンドの実行形式は以下です。
<インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupcls -m <共用ディスク> |
現用系サーバにてEnterprise Managerのサービスをフェールオーバークラスタリングのリソースとして登録します。
サービスの登録
「3.9.1.1 環境構築前の準備」の手順1.で作成した役割に、以下のサービスを汎用サービスとして追加してください
「Systemwalker SQC DCM」サービス
注意
[新しいリソース ウィザード]でリソースを追加した際は、その後に下記の表に記載の「リソースの依存関係」を設定してください。
「Systemwalker SQC DCM」サービス
項目 | 設定内容 |
---|---|
名前 | Systemwalker SQC DCM |
リソースの種類 | 汎用サービス |
グループ | Systemwalker SQC GroupまたはCentricMGR Group |
実行可能な所有者 | 現用系サーバと待機系サーバ |
リソースの依存関係 | 共用ディスクとして設定したディスク、IPアドレス |
サービス名 | SQC_DCM |
フェールオーバー クラスター マネージャーから、以下のSystemwalker Service Quality Coordinatorのサービスをオンラインにします。
「Systemwalker SQC DCM」サービス
フェールオーバークラスタリングのクラスタシステムにおけるEnterprise Managerの環境設定は以上です。
以降は、導入する運用モデルを参照して導入・設定を行ってください。
注意
Managerの二階層運用モデルの環境を構築する場合、Enterprise Managerは本手順で導入済みなので、「Enterprise Managerの作業」は省略してください。