Webクライアントとの入出力情報、およびプラグインモジュールとの入出力情報をログ(トレースログ)として出力します。
トレースログの出力先や出力内容を変更する場合は、環境定義ファイル(httpd.conf)を使用して設定します。設定方法については、「3.6 トレースログの設定」を参照してください。
インストール直後の初期設定では、トレースログは以下のファイルに出力されます。
(インストールパスはデフォルト)
C:\Interstage\F3FMahs\logs\tracelog
(インストールパスはデフォルト)
/var/opt/FJSVahs/logs/tracelog
ポイント
ログファイルのローテーションが行われる場合、トレースログは以下のファイル(初期値)に変名されます。
tracelog.N
Nは通番で、0から始まる連続の番号です。新しいファイルの順に、1番目のファイルの通番は「.0」、N番目のファイルの通番は「.(N-1)」となります。
トレースログは、各トレース情報に対して、以下のタイミングで出力されます。
Webクライアントとの入出力情報
TCPコネクション接続時
TCPコネクション切断時
HTTPリクエスト受信時
HTTPレスポンス送信時
プラグインモジュールとの入出力情報
プラグインモジュールの応答処理関数の呼出し時
プラグインモジュールの応答処理関数の復帰時
トレースログとして出力されるログの形式を以下に示します。
[日時][プロセスID][スレッドID(スレッドハンドルID)] [client IPアドレス:ポート番号]イベント 詳細情報
出力形式に対応する各出力項目を以下に示します。
トレース情報の出力日時
「[日/月/西暦:時:分:秒.ミリ秒]」の形式で出力されます。
デーモンプロセスのプロセスID
通信プロセスのプロセスID
通信スレッドのスレッドID
本項目は、省略される場合があります。
通信スレッドのスレッドハンドルID
本項目は、省略される場合があります。
クライアントまたはプロキシサーバなどのIPアドレス
クライアントまたはプロキシサーバなどのポート番号
各出力契機におけるトレース内容のフォーマットを以下に示します。
出力契機 | イベント | 詳細情報 |
---|---|---|
TCPコネクション接続時 | conn | WebクライアントまたはプロキシサーバなどのIPアドレス:ポート番号=> |
TCPコネクション切断時 | disc | |
HTTPリクエスト受信時 | recv | "リクエスト行" |
HTTPレスポンス送信時 | send | ステータスコード |
プラグインモジュール応答処理関数の呼出し時(注1) | call | モジュールソース名(注2) |
プラグインモジュール応答処理関数の復帰時(注1) | rtn | モジュールソース名(復帰コード) (注2)
|
注1)出力対象のプラグインモジュールを以下に示します。
Interstage HTTP Server 2.4が提供しているプロキシモジュール
Interstage HTTP Server 2.4の提供モジュール以外のモジュール
注2)プラグインモジュールのコンパイル時のソースファイル名です。プロキシモジュールのソース名は、「mod_proxy.c」と出力されます。
参考
トレースログにより、HTTP Keep-Alive機能の接続保持時間を確認できます。出力されたトレースログにおいて、disc(TCPコネクション切断時のイベント)およびsend(HTTPレスポンス送信時のイベント)の日時を確認し、以下の計算式で算出します。
HTTP Keep-Alive機能の接続保持時間 = discの日時 - sendの日時
注)タイムアウト発生時、WebサーバからクライアントへのTCPコネクション切断要求に対して、クライアントからの切断通知を2秒以内に受信できなかった場合、接続保持時間は、KeepAliveTimeoutディレクティブの設定より2秒長くなることがあります。
西暦年:「yyyy」
Webサーバ IPアドレス:「192.168.0.2」
Webサーバ ポート番号:「80」
client IPアドレス:「192.168.0.1」
client ポート番号:「49736」および「49870」
上記の場合の出力例を以下に示します。
[07/Jan/yyyy:13:53:58.457][7154][7210(140614926292736)][192.168.0.1:49736]conn 192.168.0.1:49736=>192.168.0.2:80 [07/Jan/yyyy:13:53:58.457][7154][7210(140614926292736)][192.168.0.1:49736]recv "GET / HTTP/1.1" [07/Jan/yyyy:13:53:58.457][7154][7210(140614926292736)][192.168.0.1:49736]call mod_proxy.c [07/Jan/yyyy:13:53:58.457][7154][7210(140614926292736)][192.168.0.1:49736]rtn mod_proxy.c(-1) [07/Jan/yyyy:13:53:58.457][7154][7210(140614926292736)][192.168.0.1:49736]send 200 [07/Jan/yyyy:13:53:58.562][7154][7211(140614917900032)][192.168.0.1:49736]recv "GET /interstage.jpg HTTP/1.1" [07/Jan/yyyy:13:53:58.562][7154][7211(140614917900032)][192.168.0.1:49736]call mod_proxy.c [07/Jan/yyyy:13:53:58.562][7154][7211(140614917900032)][192.168.0.1:49736]rtn mod_proxy.c(-1) [07/Jan/yyyy:13:53:58.660][7154][7212(140614909507328)][192.168.0.1:49736]send 200 [07/Jan/yyyy:13:53:59.397][7154][7213(140614901114624)][192.168.0.1:49736]disc [07/Jan/yyyy:14:21:24.258][7154][7214(140614892721920)][192.168.0.1:49870]conn 192.168.0.1:49870=>192.168.0.2:80 [07/Jan/yyyy:14:21:24.258][7154][7214(140614892721920)][192.168.0.1:49870]recv "GET /info/index.html HTTP/1.1" [07/Jan/yyyy:14:21:24.258][7154][7214(140614892721920)][192.168.0.1:49870]call mod_proxy.c [07/Jan/yyyy:14:21:24.259][7154][7214(140614892721920)][192.168.0.1:49870]rtn mod_proxy.c(0) [07/Jan/yyyy:14:21:24.259][7154][7214(140614892721920)][192.168.0.1:49870]send 200 [07/Jan/yyyy:14:21:45.300][7154][7223(140614746208000)][192.168.0.1:49870]disc