J2EE機能で「IJServer」または「IJServerワークユニット」と呼んでいたアプリケーションの運用単位は、Jakarta EE 8機能では「GlassFish Serverクラスター」になります。J2EE機能のIJServerワークユニットは、業務プロセスを一括で管理するためのグループです。このため、一括での起動/停止/設定変更はできますが、プロセスごとの起動/停止などはできませんでした。
Jakarta EE 8機能では、「IJServerワークユニット」に対応する「GlassFish Serverクラスター」に、実際に生成されるJava VMプロセスと対応する「GlassFish Serverインスタンス」を定義できます。一括での起動/停止/設定変更ができるほか、GlassFish Serverインスタンス(プロセス)ごとに起動/停止、システムプロパティの設定変更ができます。このため、きめ細かい運用操作が可能です。
「IJServerワークユニット」と「GlassFish Serverクラスター」の対応を以下に示します。
J2EE機能 | Jakarta EE 8機能 | |
---|---|---|
名称 | IJServerワークユニット | GlassFish Serverクラスター |
位置付け | 業務プロセスを一括管理する論理的なグループ | 業務プロセスを「GlassFish Serverインスタンス」と呼び、GlassFish Serverインスタンスを一括管理する論理的なグループ |
プロセス多重度 | 業務プロセスの多重化は、IJServerワークユニットの「プロセス多重度」として設定する。 | 業務プロセスの多重化は、GlassFish ServerクラスターにGlassFish Serverインスタンスを複数作成する。 |
業務プロセスの起動/停止 | IJServerワークユニット単位の操作で行う。 | GlassFish Serverクラスター単位の(一括)操作と、GlassFish Serverインスタンス単位の起動/停止が可能。 |
業務プロセスの設定変更 | IJServerワークユニット内の業務プロセスはすべて同じ設定を共有。 | GlassFish Serverクラスター内のGlassFish Serverインスタンスはすべて同じ設定を共有することもでき、また、システムプロパティなどGlassFish Serverインスタンス単位に設定することも可能。 |