ここでは、CIP の設定が完了している状態から、GFS 共用ファイルシステムを利用するアプリケーションをクラスタアプリケーションとして設定する場合の手順を、例を通して説明します。
参照
設定にあたっては、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”、“PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書”、および“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
手順1. 自動リソース登録の実施 (共通操作)
ディスク装置の自動リソース登録をまだ実施していない場合は、以下のコマンドを 1つのノードで実施し、ディスク装置をクラスタリソースとして登録します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -r -n <Enter> |
手順2. GDS ボリューム作成 [ノードA (運用ノード)、ノードB (待機ノード)]
以下の方法により、GDS ボリュームを作成します。
なお、GFS 共用ファイルシステムでは、管理パーティション用の GDS ボリュームを用意する必要があります。管理パーティションとして使用する GDS ボリュームが属するディスククラスは、クラスタアプリケーションの Gds リソースとして使用する GDS ボリュームのディスククラスとは別に作成する必要があります。
ノードA (運用ノード) のホスト名が sunny、ノードB (待機ノード) のホスト名を moony として説明します。
sunny 側で、ディスククラスへのディスクの登録を sdxdisk コマンドで行います。
クラスタシステムでは、-a オプションでスコープとしてノード名、クラスタイプとして shared を指定してください。
sunny# sdxdisk -M -c gfs -d c0t1d0=DISK1,c0t2d0=DISK2 -a scope=sunny:moony,type=shared <Enter> sunny# sdxdisk -M -c gfs01 -d c0t3d0=DISK3,c0t4d0=DISK4 -a scope=sunny:moony,type=shared <Enter> |
sunny 側で、ミラーディスクグループへのディスクの接続を sdxdisk コマンドで行います。
sunny# sdxdisk -C -c gfs -g grp0001 -d DISK1,DISK2 <Enter> sunny# sdxdisk -C -c gfs01 -g grp0002 -d DISK3,DISK4 <Enter> |
sunny 側で、GDS ボリュームの作成を sdxvolume コマンドで行います。
GFS 共用ファイルシステムの管理パーティションとして使用するボリュームは、40 メガバイト 以上の容量が必要です。
sunny# sdxvolume -M -c gfs -g grp0001 -v control -s 81920 <Enter> sunny# sdxvolume -M -c gfs01 -g grp0002 -v volume01 -s 17563648 <Enter> |
moony 側で、GDS ボリュームの活性化を sdxvolume コマンドで行います。
moony# sdxvolume -N -c gfs -v control <Enter> moony# sdxvolume -N -c gfs01 -v volume01 <Enter> |
sunny 側で、ディスククラスへのディスクの登録を sdxdisk コマンドで行います。
クラスタシステムでは、-a オプションでスコープとしてノード名、クラスタイプとして shared を指定してください。
sunny# sdxdisk -M -c gfs -d c0t1d0=DISK1:single -a scope=sunny:moony,type=shared <Enter> sunny# sdxdisk -M -c gfs -d c0t2d0=DISK2:single -a scope=sunny:moony,type=shared <Enter> |
sunny 側で、GDS ボリュームの作成を sdxvolume コマンドで行います。
GFS 共用ファイルシステムの管理パーティションとして使用するボリュームは、40 メガバイト以上の容量が必要です。
sunny# sdxvolume -M -c gfs -d DISK1 -v control -s 81920 <Enter> sunny# sdxvolume -M -c gfs01 -d DISK2 -v volume01 -s 17563648 <Enter> |
moony 側で、GDS ボリュームの活性化を sdxvolume コマンドで行います。
moony# sdxvolume -N -c gfs -v control <Enter> moony# sdxvolume -N -c gfs01 -v volume01 <Enter> |
手順3. GFS 共用ファイルシステムの作成 [ノードA (運用ノード)、ノードB (待機ノード)]
どちらかのノードで GFS 共用ファイルシステムを作成します。
GFS 共用ファイルシステムの作成には、mkfs_sfcfs(1M) を使用します。
インストール後、最初の GFS 共用ファイルシステムの作成では、以下のように、ファイルシステム作成前に GFS 共用ファイルシステムの活性化が必要です。
どちらかのノードで GFS 共用ファイルシステムの管理パーティションを作成します。
# sfcsetup -c /dev/sfdsk/gfs/rdsk/control <Enter> |
各ノードで GFS 共用ファイルシステムの管理パーティションへノード情報を登録します。
sunny# sfcsetup -a /dev/sfdsk/gfs/rdsk/control <Enter> moony# sfcsetup -a /dev/sfdsk/gfs/rdsk/control <Enter> |
各ノードで GFS 共用ファイルシステムを活性化します。
sunny# sfcfrmstart <Enter> moony# sfcfrmstart <Enter> |
どちらかのノードで GFS 共用ファイルシステムを作成します。
# mkfs -F sfcfs -o node=sunny,moony /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
手順4. /etc/vfstab に当該 GFS 共用ファイルシステムを追加 [ノードA (運用ノード)、ノードB (待機ノード)]
各ノードの /etc/vfstab に当該 GFS 共用ファイルシステムのマウント情報を追加します。
このとき、追加するマウント情報の "mount options" フィールドに "no" を必ず指定してください。
/dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 /sfcfs sfcfs - no - |
手順5. RMS 構成定義としてクラスタアプリケーションの切替定義を設定 [ノードA (運用ノード)、ノードB (待機ノード)]
userApplication Configuration Wizard を使用して、クラスタアプリケーションの設定を行います。
参照
設定の詳細は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”、および“PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書”を参照してください。
注意
GFS 共用ファイルシステムが利用する GDS ボリュームの状態は、すべてのノードで常に ACTIVE である必要があります。そのためにクラスタアプリケーションの設定では次のことに注意してください。
クラスタアプリケーションの設定で、GFS 共用ファイルシステムが利用する GDS のボリュームが属するディスククラスに対して、Gds リソースの登録を行わないでください。
クラスタアプリケーションの設定で、GFS 共用ファイルシステムに対して、Fsystem リソースの登録を行わないでください。
GDS ボリュームに対して、次のコマンドを実行しないでください。
/usr/opt/reliant/bin/hvgdsetup
手順6. 設定の確認 [ノードA (運用ノード)、ノードB (待機ノード)]
GFS 共用ファイルシステムを各ノードでマウント後、RMS を起動し、以下の点に注意して、/etc/vfstab ファイルやクラスタアプリケーションの設定が正しいことを確認します。
両ノードで、/etc/vfstab ファイルに設定した GFS 共用ファイルシステムがマウントされるか。
運用ノードが FAILOVER した際、クラスタアプリケーションが待機ノードへ切り替わるか。
注意
本手順の中で、GFS 共用ファイルシステムのマウントに失敗する場合、以下に示す対処をしてください。
/etc/vfstab ファイルで指定したファイルシステムの種類が間違っている場合
対処:/etc/vfstab ファイルを修正してください。
GDS ボリュームが ACTIVE でない状態である場合
対処:GDS ボリュームを ACTIVE の状態にしてください。