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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.6
FUJITSU Software

17.2.1 制御ドメイン上でクラスタのライブマイグレーション操作を行う場合

注意

  • 手順の実施前に、制御ドメイン、および、ゲストドメインのシャットダウン機構の設定が正しく行われている必要があります。

  • 制御ドメインのシャットダウン機構の設定にホスト名が指定されている場合、ゲストドメインの /etc/inet/hosts ファイルにも制御ドメインで指定されたホスト名とそれに対応したIPアドレスが記載されている必要があります。

  • 手順3.~5.の操作は、制御ドメインで実行してください。

  • 手順1.、2.、6.の操作は、ゲストドメインで実行してください。

  • 一般権限ユーザ以外に、rootユーザも使用可能ですが、セキュリティ上は一般権限ユーザの設定が推奨です。
    rootユーザを使用する場合は、手順3.から実行してください。

  • 本手順は一度だけ実施し、マイグレーション実施ごとに行う必要はありません。

    ただし、本手順を実施後、構成変更を行った場合は、“17.2.2 事前設定後に構成変更を行った場合”にある手順を実施してください。

  1. 一般権限ユーザID(任意)の作成(ゲストドメイン)

    シャットダウン機構用の一般権限ユーザID(任意)をゲストドメインに作成してください。

    # useradd -m -d <ホームディレクトリ> <ユーザID>
  2. sudoコマンドの設定(ゲストドメイン)

    シャットダウン機構用の一般権限ユーザID(任意)は、rootユーザとしてコマンドを実行できるように、sudoコマンドの設定が必要です。

    visudoコマンドで、手順1で作成した一般権限ユーザIDに、パスワード入力なしでのコマンド実行を許可するように設定を行ってください。

    また、シャットダウン機構がsudoコマンドを使用することにより、syslogへsudoコマンドのログが出力されます。

    syslogを経由させず、任意のファイルにsudoコマンドのログを出力させる場合は、コマンド実行の許可と合わせて設定を行ってください。

    # visudo
    • コマンド実行の許可設定(必須)

      ライブマイグレーション時に実行が必要なコマンドについて、以下のいずれかの設定を行ってください。

      • 実行を許可するコマンドを個別に指定する場合(推奨)

        以下は1行で記載してください。

        <ユーザID> <ゲストドメインのホスト名>=(root) NOPASSWD:
        /usr/bin/chmod,/usr/bin/cp,/usr/bin/rm,/usr/bin/touch,/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldevparam,
        /etc/opt/FJSVcluster/sys/clovmconfedit,/etc/opt/FJSVcluster/sys/clovmmigrateg
      • 実行を許可するコマンドを個別に指定しない場合

        <ユーザID> <ゲストドメインのホスト名>=(root) NOPASSWD: ALL
    • syslogを経由させず、任意のファイルにsudoコマンドのログを出力させる設定(任意)

      Defaults !syslog
      Defaults logfile=<ログファイルフルパス名>
  3. ゲストドメインへのログイン(制御ドメイン)

    制御ドメインからゲストドメインへSSHでアクセスするため、SSH初回時のユーザ問い合わせ(RSA 鍵の生成)を済ませておく必要があります。

    すべての制御ドメイン上で手順2.で設定するゲストドメインのIP アドレスに対して、手順1.で設定した一般権限ユーザでログインを実行してください。

    手順1.、2.で一般権限ユーザを設定していない場合は、rootユーザでログインを実行してください。

    ゲストドメインへのログインが出来なかった場合は、ユーザID、またはパスワードを確認し、必要であれば修正後に本手順を再実行してください。

    # ssh -l user1 XXX.XXX.XXX.XXX
    The authenticity of host 'XXX.XXX.XXX.XXX (XXX.XXX.XXX.XXX)' can't be established.
    RSA key fingerprint is xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes ←yes と入力
  4. ゲストドメインの情報登録(制御ドメイン)

    制御ドメインのいずれかのクラスタノードで、以下のコマンドを実行し、マイグレーションで移動させる対象のゲストドメインの情報を登録します。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigratesetup -a guest-name guest-clustername guest-cfname guest_ip guest-user
    guest-name

    ゲストドメイン名

    guest-clustername

    ゲストドメインのクラスタ名

    guest-cfname

    ゲストドメインのCFノード名

    guest-ip

    ゲストドメインのIPアドレス
    指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスです。

    guest-user

    ゲストドメインへログインするためのユーザ名
    一般権限ユーザを使用する場合は、ゲストドメインでsudoの設定が必要です。

    例:2ノード構成のゲストドメイン間クラスタで構築されている場合(“図17.1 クラスタ構成例”)

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigratesetup -a guest1 cluster2 cfguest1 10.20.30.51 user1
    Enter User's Password:
    Re-enter User's Password:
    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigratesetup -a guest2 cluster2 cfguest2 10.20.30.52 user1
    Enter User's Password:
    Re-enter User's Password:
    #
  5. シャットダウン機構の重み連携の設定変更(制御ドメイン)

    シャットダウン機構の重み連携のデフォルトは、制御ドメインのシャットダウン機構とゲストドメインのシャットダウン機構の重みを連携します。

    制御ドメインのシャットダウン機構とゲストドメインのシャットダウン機構の重みを連携する場合、本手順は不要です。

    制御ドメインのシャットダウン機構とゲストドメインのシャットダウン機構の重みの連携を行わない場合、制御ドメインのいずれかのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigratesetup -w off
  6. /etc/systemの設定(ゲストドメイン)

    マイグレーションで移動させる対象のゲストドメインの“/etc/system”に、以下の記述を追加して再起動してください。

    なお、Solaris 11.1 の SRU 9.5.1 以降が適用されている環境では、本設定は不要です。

    forceload: misc/klmmod       

図17.1 クラスタ構成例