ゲストドメインまたは、制御ドメインにクラスタアプリケーションを構築します。
ゲストドメインへの構築手順については、“第6章 クラスタアプリケーションの構築”を参照してください。
Oracle VM Server for SPARC環境における制御ドメイン間クラスタでは、ゲストドメイン状態を監視するため、ゲストドメインひとつに対し、ひとつのクラスタアプリケーションを作成してください。ゲストドメイン状態を監視する各クラスタアプリケーションは、Cmdlineリソースをひとつ、GlsリソースおよびGdsリソースをそれぞれひとつ以上で構成してください。
ここでは、ゲストドメイン状態を監視するクラスタアプリケーションの構築について説明します。
クラスタアプリケーションとCmdlineリソースの詳細は“第6章 クラスタアプリケーションの構築”を参照してください。
ゲストドメイン状態を監視するCmdlineリソース
対象のゲストドメインを起動、停止、監視します。
Glsリソース
対象のゲストドメインが仮想I/O経由で使用するネットワークを制御ドメインから監視します。
Gdsリソース
対象のゲストドメインが仮想I/O経由で使用するボリュームを制御ドメインから起動、停止、監視します。
制御ドメイン間クラスタで、ゲストドメインの状態を監視するクラスタアプリケーションの構築手順は以下の通りです。
ゲストドメイン状態を監視するCmdlineリソースの作成
クラスタアプリケーションの設定
ゲストドメインを、userApplicationの状態遷移に連動して起動/停止するために、Onlineスクリプト、OfflineスクリプトおよびCheckスクリプトを作成してください。
Onlineスクリプトには、ゲストドメインを起動するコマンドを設定します。Offlineスクリプトには、ゲストドメインを停止するコマンドを設定します。Checkスクリプトには、ゲストドメインがOSを起動できる状態であることを確認するコマンドを設定します。
■サンプルスクリプト
以下にOnline(Start)スクリプト、Offline(Stop)スクリプト、Checkスクリプトのサンプルスクリプトを示します。
各スクリプトの引数には対象のゲストドメインのゲストドメイン名を指定してください。また、本スクリプトをCmdlineリソースに設定する場合、対象のゲストドメイン名を各ノードで同一にする必要があります。
作成したスクリプトは、Cmdlineリソースに設定して、そのリソースをuserApplicationに設定します。詳細については、“6.7.1.1 Cmdlineリソースの作成”を参照してください。
Startスクリプト: 対象のゲストドメインを起動します。成功であれば 0 を返し、失敗であれば 0 以外を返します。
#!/bin/sh # # Sample online script for a guest domain # Exit with 0: Success 1: Fail # # Copyright(c) 2008 FUJITSU LIMITED. All rights reserved. # LDOMSNAME=$1 LDM="/opt/SUNWldm/bin/ldm" $LDM bind-domain $LDOMSNAME $LDM start-domain $LDOMSNAME # Logical Domain の状態が active の場合のみ 0 (success)で exit $LDM list-domain $LDOMSNAME | tail -1 | awk '{print $2}' | grep "^active" && exit 0 exit 1
Stopスクリプト: 対象のゲストドメインを停止します。成功であれば 0 を返し、失敗であれば 0 以外を返します。
#!/bin/sh # # Sample offline script for a guest domain # Exit with 0: Success 1: Fail # # Copyright(c) 2008 FUJITSU LIMITED. All rights reserved. # LDOMSNAME=$1 LDM="/opt/SUNWldm/bin/ldm" $LDM stop-domain $LDOMSNAME [ 0 -ne $? ] && $LDM stop-domain -f $LDOMSNAME $LDM unbind-domain $LDOMSNAME # Logical Domain の状態が inactive の場合のみ 0 (success)で exit $LDM list-domain $LDOMSNAME | tail -1 | awk '{print $2}' | grep "^inactive" && exit 0 exit 1
Checkスクリプト: 対象のゲストドメインのactive状態を監視し、active であれば 0 を返し、active以外であれば 0 以外を返します。
#!/bin/sh # # Sample check script for a guest domain # Exit with 0: Online 1: Offline # # Copyright(c) 2008 FUJITSU LIMITED. All rights reserved. # LDOMSNAME=$1 LDM="/opt/SUNWldm/bin/ldm" # Logical Domain の状態が active の場合のみ 0 (success)で exit $LDM list-domain $LDOMSNAME | tail -1 | awk '{print $2}' | grep "^active" && exit 0 exit 1
Cmdlineリソース、Gdsリソース、Glsリソースのクラスタアプリケーションの設定をしてください。
Gdsリソース、Glsリソースのリソースの設定の詳細については、“6.7.1 リソースの設定”のGdsリソースの作成、Glsリソースの作成を参照してください。クラスタアプリケーションの設定の詳細については“6.7 クラスタアプリケーションの設定”を参照してください。