マスタスケジュール管理機能は、ジョブネットのスケジュール情報を、運用日ごとに管理・運用する機能です。また、スケジュール情報を複数のサーバに配付し、スケジュール処理を実行することができます。
マスタスケジュール管理機能を利用することにより、以下のことが可能となります。
運用日ごとにスケジュール情報が管理できるため、マスタ情報を変更することなく定義を変更できます。
非定型業務が発生する特定の日だけスケジュール情報を変更する場合、変更する運用日のスケジュール情報をあらかじめ設定しておくことができます。また、動作後に元の設定に戻すなどの煩雑な作業が不要となります。
運用日ごとの管理によって、スケジュール管理操作に要するリソースを節約できることから、スケジュールの実行性能向上が図れます。
マスタスケジュール管理機能では、運用日ごとのスケジュール情報は、運用日に必要なデータのみをマスタ情報から抽出して作成されます。よって、例えば月に1度しか実行しないジョブネットが大量にある場合には、運用日ごとにスケジュール情報を作成すると、1日あたりのスケジュール情報を小さくでき、スケジュール管理操作に要するリソースを節約できることから、スケジュールの実行性能が向上します。
スケジュール情報を複数のサーバに配付できるため、スケジュール処理によるサーバの負荷を分散することができます。【UNIX版】
マスタ情報を、実際に運用される日を指定して、あらかじめ登録しておくことができます。
運用中にジョブネットやジョブの定義情報が大幅に変更される場合に、計画的に変更作業ができます。
運用日をまたいで持ち越したジョブネットの、当日のスケジュールを制御できます。
前日のうちに終了しない業務がある場合、前日分の終了を待ち合わせたり、オペレータの判断で対処したりなど、柔軟な対応がとれます。
本節では、マスタスケジュール管理機能で実現できる項目を以下に分けて説明します。
日ごとスケジュール管理
日ごとスケジュールの配付【UNIX版】
運用変更
持ち越しジョブネット
スケジュールの監視/操作
注意
マスタスケジュール管理機能に向かない業務について
マスタスケジュール管理機能は、日々スケジュールが変化する業務について1年の単位で運用変更を管理することができます。そのため、例えば、1年に数回しか動作しないスケジュールの管理や、非定型の変更が発生しない業務を管理する場合は、マスタスケジュール管理機能を利用せず、通常スケジュールで運用してください。
なお、このような業務をマスタスケジュール管理機能で管理する場合には、マスタスケジュール管理機能で設定する[保管する世代数]に注意する必要があります。詳細については、“3.1.2.4 スケジュール情報の保管”に記載されている注意事項を参照してください。