クラスタアプリケーションの状態遷移には、以下の5種類があります。
起動(OnlineまたはStandby)
停止(Offline)
切替え
切捨て
組込み
◆起動(OnlineまたはStandby)
ユーザがクラスタアプリケーションを起動した場合、クラスタアプリケーションの状態が停止状態から運用状態へ状態遷移します。
◆停止(Offline)
ユーザがクラスタアプリケーションを停止またはシステム制御が異常を検出した場合、クラスタアプリケーションの状態がほかの状態から停止状態へ状態遷移します。
◆切替え
運用系のクラスタアプリケーションで異常または切替え依頼が発生した場合に、運用系のクラスタアプリケーションを停止します。停止したあと、待機系のクラスタアプリケーションを運用系のクラスタアプリケーションに切替え、業務の引継ぎ処理を行います。
クラスタアプリケーションの状態は、運用状態から片側運用状態へ状態遷移します。
◆切捨て
待機系のクラスタアプリケーションで異常または停止依頼が発生した場合に、待機系のクラスタアプリケーションを停止します。クラスタアプリケーションの状態は運用状態から片側運用状態へ状態遷移します。
◆組込み
待機系のクラスタアプリケーションの起動をおこない、クラスタアプリケーションの状態が片側運用状態から運用状態へ状態遷移します。
■クラスタアプリケーションの状態遷移とSymfoware/RDBの動作関係
クラスタシステムは、クラスタシステムを構成するハードウェア資源やソフトウェア資源を活性化または非活性化する制御や故障監視を行う単位ごとにリソースとして管理します。ユーザログの取得では、運用単位であるSymfoware/RDBを、リソースとしてクラスタシステムに登録します。
クラスタシステムのリソースとして登録したSymfoware/RDBを起動または停止する場合は、PRIMECLUSTERのクラスタアプリケーションを起動または停止します。クラスタシステムでは、Symfoware/RDBの起動および停止は、PRIMECLUSTERのクラスタアプリケーションの状態遷移と連動します。
クラスタシステムで、rdbstartコマンドまたはrdbstopコマンドを実行するのは、以下のような特別な場合だけです。
Symfoware/RDBの環境構築時
Symfoware/RDBのシステムファイルの変更時
Symfoware/RDBのシステムファイルのリカバリ時
rdbstartコマンドでSymfoware/RDBを起動している状態で、クラスタアプリケーションの起動などを行った場合、クラスタアプリケーションの状態遷移に失敗する場合があります。状態遷移の延長で実行されるSymfoware/RDBの起動がエラー(すでに起動されている)となり、状態遷移そのものがエラーとなる場合があります。
このような操作ミスによる状態遷移の失敗を防ぐため、rdbstartコマンドまたはrdbstopコマンドによるSymfoware/RDBの起動または停止は、上記のような特別な場合以外では行わないでください。