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Enterprise Postgres 12 SP1 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)
FUJITSU Software

7.3.5 スタンバイサーバの災害対策運用のセットアップ

スタンバイサーバの災害対策運用のセットアップ手順は、基本的にはデータベース多重化運用の手順と同じです。詳細は、“2.5.1 スタンバイサーバのデータベース多重化運用のセットアップ”を参照してください。以下は、データベース多重化運用時のセットアップ手順との相違点です。

待機センタでデータベース多重化機能を利用する場合

2.5.1 スタンバイサーバのデータベース多重化運用のセットアップ”の手順5において、プライマリ候補サーバからコピーして配置したサーバ識別子.confファイルの以下のパラメータを変更します。

以下のパラメータ以外に、待機センタのスタンバイサーバ用に編集が必要なパラメータがある場合は、変更を行います。

表7.8 変更するパラメータ

パラメータ

指定内容

備考

standbycenter_mode

standby

待機センタのスタンバイサーバとして運用するため、standbyを指定します。

primarycenter_primary_conninfo

'host=運用センタ内のプライマリサーバのホスト名,スタンバイサーバのホスト名 port=運用センタ内のプライマリサーバのポート番号,スタンバイサーバのポート番号 application_name=待機センタのスタンバイサーバ名 target_session_attrs=read-write …'

運用センタのプライマリサーバに接続するための情報をPostgreSQLの接続文字列の形式で指定します。

host、port、application_name、target_session_attrsの指定は必須です。

application_nameには、自サーバのpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータで指定するapplication_nameの値と同じ値を設定します。

target_session_attrsにはread-writeを設定します。

standbycenter_primary_conninfo

'host=待機センタ内の相手サーバのホスト名 port=待機センタ内の相手サーバのポート番号 application_name=待機センタのスタンバイサーバ名 …'

待機センタの相手サーバに接続するための情報をPostgreSQLの接続文字列の形式で指定します。

host、port、application_nameの指定は必須です。

application_nameには、自サーバのpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータで指定するapplication_nameの値と同じ値を設定します。

target_session_attrsを指定する場合はread-writeを設定しないでください。

注意

  • センタ切り替えの手順を簡易化するため、待機センタでのみ設定が必要なパラメータを除いたサーバ識別子.confファイルの設定は、運用センタと待機センタで共通の値を指定することを推奨します。待機センタでのみ設定が必要なパラメータについては、“12.2 データベースサーバのサーバ定義ファイル”を参照してください。

  • 自動または手動による接続先切り替え時に、Mirroring Controllerがpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータの設定値を以下のように変更します。

    • 待機センタの新プライマリ候補サーバのpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータの設定を、サーバ識別子.confファイルのprimarycenter_primary_conninfoパラメータの設定で上書きします。

    • 待機センタの新スタンバイサーバのpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータの設定を、サーバ識別子.confファイルのstandbycenter_primary_conninfoパラメータの設定で上書きします。

    そのため、必須の接続文字列以外に必要な情報がある場合は、primarycenter_primary_conninfoおよびstandbycenter_primary_conninfoパラメータに設定する接続文字列に含めてください。

  • 自動または手動による接続先切り替えでは、Mirroring Controllerがサーバ識別子.confファイルのstandbycenter_modeの値を、新プライマリ候補サーバではprimaryに、新スタンバイサーバではstandbyに変更します。

  • postgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータの設定と、サーバ識別子.confファイルのstandbycenter_primary_conninfoパラメータの設定は、スタンバイサーバ内で同じ値を指定してください。スタンバイサーバのpostgresql.auto.confファイルのprimary_conninfoパラメータの設定方法の詳細は、“7.3.6 スタンバイサーバのインスタンスの作成・設定・登録”を参照してください。

参照

primary_conninfoの詳細については、“PostgreSQL Documentation”の“Setting Up a Standby Server”を参照してください。

待機センタでデータベース多重化機能を利用しない場合

2.5.1 スタンバイサーバのデータベース多重化運用のセットアップ”の手順8において、--mc-onlyオプションを指定し、Mirroring ControllerのみをWindowsサービスで起動・停止するようにします。

待機センタではセンタ切り替え時以外はMirroring Controllerを起動しません。このため、Windowsサービス登録後、Mirroring Controllerの自動起動は無効にします。