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Enterprise Postgres 12 SP1 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)
FUJITSU Software

6.2 災害対策運用のシステム構成

災害対策運用のシステムは、データベース多重化機能とストリーミングレプリケーションを組み合わせて構築します。

注意

本書では、災害対策運用の説明において、以下のように記載しています。

  • 運用センタと待機センタのデータベース多重化機能を区別するために、運用センタのデータベース多重化機能の動作を“運用センタモード”、待機センタのデータベース多重化機能の動作を“待機センタモード”と記載します。

  • 待機センタ内の2つのデータベースサーバを区別するために、便宜上、センタ切り替え後にプライマリサーバとして利用するデータベースサーバを“待機センタのプライマリ候補サーバ”、もう一方のデータベースサーバを“待機センタのスタンバイサーバ”と記載しています。

ポイント

  • ここでは、運用センタと待機センタ間でトランザクションログを送信する経路として、本業務を稼働させるセンタのプライマリサーバから相手センタへ送信する構成を前提に、運用センタと待機センタ間のセットアップや運用方法について説明します。本構成は、センタ切り替えや切り戻しの手順が単純化される特徴があります。

  • 待機センタでデータベース多重化機能を利用する場合、待機センタでデータベース多重化機能を利用しない場合と比べて、より高いRPOやRTOを実現できます。

災害対策運用のシステム構成

システム構成は、待機センタでデータベース多重化機能を利用する場合と利用しない場合で異なります。

図6.1 待機センタでデータベース多重化機能を利用する場合

図6.2 待機センタでデータベース多重化機能を利用しない場合

ポイント

  • 待機センタは、参照業務に活用することが可能です。

  • 待機センタでデータベース多重化機能を利用しない場合、センタ切り替え後もセンタ内の高信頼性を継続するために、待機センタのMirroring Controllerは待機センタで本業務を稼働する直前に起動します。

参考

  • 運用センタと待機センタ間には、通信データとしてトランザクションログが転送されます。透過的データの暗号化機能を使用することで、トランザクションログを暗号化し、通信データを解読できないようにすることができます。詳細は、“運用ガイド”の“透過的データ暗号化による格納データの保護”を参照してください。

  • RPOはセンタ間のトランザクションログの送信遅延量に依存し、被災時に損失するトランザクション数は送信遅延量から算出することができます。トランザクションログの送信遅延量は、想定されるアプリケーション業務を動作させて実機で確認します。トランザクションログの送信遅延量の確認方法については“9.1.2 災害対策運用の状態確認”を参照してください。