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Interstage Application Server V13.0.0 アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)
FUJITSU Software

2.3 サーバアプリケーションの登録

サーバアプリケーションをCORBAサービスのインプリメンテーションリポジトリとネーミングサービスへ登録する必要があります。OD_impl_instコマンドおよびOD_or_admコマンドを使用して登録してください。
インプリメンテーションリポジトリとネーミングサービスへの登録について、以下に示します。

サーバアプリケーション情報のインプリメンテーションリポジトリへの登録

OD_impl_instコマンドを使用して、インプリメンテーションリポジトリにサーバアプリケーション情報を登録します。OD_impl_instコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「CORBAサービス運用コマンド」-「OD_impl_inst」を参照してください。

OD_impl_inst -ax defname

なお、OD_impl_instコマンド実行時に指定するCORBAアプリケーション情報定義ファイルのアプリケーション固有データには、サーバアプリケーションが使用するリソース定義ファイルを以下のように指定する必要があります。


OD_impl_instコマンドの-axオプションに指定するCORBAアプリケーション情報定義ファイルの設定例

アプリケーション固有データ(項目名:data)は、ダブルクォーテーション("")で囲んで、"RESOURCE:[RM名:]リソース定義名"と指定してください。扱うリソースが1個の場合は、RM名を省略できます。なお、アプリケーションをマルチプロセス運用する場合は、thr_conc_initに「1」を指定してください。


rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
mode           = SYNC_END
data           = "RESOURCE:resource1"

rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
env            = LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNots/lib:/opt/FSUNod/lib/nt;OTS_HOME=/opt/FSUNots
mode           = SYNC_END
data           = "RESOURCE:resource1"

rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
env            = LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVots/lib:/opt/FJSVod/lib/nt;OTS_HOME=/opt/FJSVots
mode           = SYNC_END
data           = "RESOURCE:resource1"

また、サーバアプリケーションが複数リソースを扱う場合のdata行の書式は、以下のとおりです。

data="RESOURCE:Rmname1:defname1;Rmname2:defname2; ... ;RmnameN:defnameN"

data行の定義規約

defnameNはリソース定義名、RMnameNはリソース定義名defnameNに対応したRM名です。また、RM名は対応したリソース定義ファイルに記述されているRM名と同一である必要があります。

1つのサーバアプリケーションが複数のリソースにアクセスするためのCORBAアプリケーション情報定義ファイルの例を、以下に示します。以下の例は、サーバアプリケーションが2つのデータベースSymfoware/RDBとOracleにアクセスするため、data行に2つのリソース定義ファイルを設定しています。


rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
mode           = SYNC_END
data           = "RESOURCE:RDBII:rdb_resource;Oracle_XA:ora_resource"

rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
env            = LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNots/lib:/opt/FSUNod/lib/nt;OTS_HOME=/opt/FSUNots
mode           = SYNC_END
data           = "RESOURCE:RDBII:rdb_resource;Oracle_XA:ora_resource"

rep_id         = IDL:ODdemo/calculator:1.0
type           = persistent
proc_conc_max  = 8
thr_conc_init  = 1
env            = LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVots/lib:/opt/FJSVod/lib/nt;OTS_HOME=/opt/FJSVots
mode           = SYNC_END
data           = "Oracle_XA:ora_resource"

注意

  • 複数のリソース定義ファイルを指定した定義書式により登録されたアプリケーションは、複数リソースアクセス用のXA連携用プログラムとリンクされたサーバアプリケーションである必要があります。

  • OD_impl_instコマンドは、サーバアプリケーション情報を削除することもできます。
    削除処理の例を以下に示します。

    OD_impl_inst -d -r IDL:ODdemo/calculator:1.0

サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスの作成とネーミングサービスへの登録

サーバアプリケーションを他のアプリケーションからアクセス可能にするためには、目的のアプリケーションを識別するためのオブジェクトリファレンスを作成する必要があります。また、同時に作成したオブジェクトリファレンスをネーミングサービスに登録することにより、他のアプリケーションからのアクセスが可能となります。

サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスの作成方法、およびネーミングサービスへの登録方法について、以下に説明します。


(1) OD_or_admコマンドを使用する方法

OD_or_admコマンド(ORBの管理コマンド)は、オブジェクトリファレンス作成後、ネーミングサービスに登録します。
OD_or_admコマンドの登録例を以下に示します。OD_or_admコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「CORBAサービス運用コマンド」-「OD_or_adm」を参照してください。

OD_or_adm -c IDL:ODdemo/calculator:1.0  -n ODdemo::calculator

(2) サーバアプリケーションで作成する方法
CORBA_ORB               orb;            /* ORB_initで取得したObject */
CORBA_BOA               boa;            /* ORB_BOA_initで取得したObject */
CORBA_Repository        intf_rep;       /* インタフェースリポジトリのオブジェクトリファレンス */
CORBA_InterfaceDef      intf;           /* インタフェースリポジトリのInterfaceDef */
FJ_ImplementationRep    impl_rep;       /* インプリメンテーションリポジトリのオブジェクトリファレンス */
CORBA_ImplementationDef impl;           /* インプリメンテーションリポジトリのImplementationDef */
CORBA_Object            new_obj;        /* 作成したオブジェクトリファレンス */
CORBA_ReferenceData     id;             /* ReferenceData格納域 */
CosNaming_NamingContext cos_naming;     /* NamingServiceのオブジェクトリファレンス */
CosNaming_Name          name;           /* 検索した情報格納域 */
CosNaming_NameComponent name_component; /* 検索した情報格納域 */
CORBA_Environment       env;            /* 例外情報 */

/* ODの初期化(省略) */
       :

/* ReferenceDataの初期化 */
id._length  = 0;
id._maximum = 0;
id._buffer  = NULL;

/* インタフェースリポジトリのオブジェクトリファレンスの獲得 */
intf_rep = CORBA_ORB_resolve_initial_references(
        orb,
        CORBA_ORB_ObjectId_LightInterfaceRepository,
        &env );

/* InterfaceDefオブジェクトのオブジェクトリファレンスの獲得 */
intf = CORBA_Repository_lookup_id(
        intf_rep,
        "...",  /* インタフェースリポジトリID */
        &env );

/* インプリメンテーションリポジトリのオブジェクトリファレンスの獲得 */
impl_rep = CORBA_ORB_resolve_initial_references(
        orb,
        CORBA_ORB_ObjectId_ImplementationRepository,
        &env );

/* ImplementationDefオブジェクトのオブジェクトリファレンスの獲得 */
impl = FJ_ImplementationRep_lookup_id(
        impl_rep,
        "...",  /* インプリメンテーションリポジトリID */
        &env );

/* オブジェクトリファレンスの作成 */
new_obj = CORBA_BOA_create( boa, &id, intf, impl, &env );

/* NamingServiceのリファレンスを獲得 */
cos_naming = CORBA_ORB_resolve_initial_references(
    orb,
    CORBA_ORB_ObjectId_NameService,
    &env);

name._length        = name._maximum = 1;    /* オブジェクト名の数 */
name._buffer        = &name_component;      /* オブジェクト名格納域 */
name_component.id   = "ODdemo::calculator"; /* オブジェクト名 */
name_component.kind = "";                   /* オブジェクトのタイプ */

/* ネーミングサービスへの登録 */
CosNaming_NamingContext_bind (cos_naming, &name, new_obj, &env );