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Interstage List Works V10.3.3 保守手引書
FUJITSU Software

2.1.1 オーバレイの更新

オーバレイに変更が生じた場合、オーバレイをリスト管理サーバに再登録する必要があります。

変更されたオーバレイの転送、および再登録の方法は、印刷データの種類によって異なります。

オーバレイの転送、登録については、“運用手引書”を参照してください。

(1) 世代の更新

オーバレイの履歴管理を行っている場合は、変更されたオーバレイを登録すると、今まで使用していたオーバレイが1世代前として自動的に履歴管理されます。なお、Solaris版でオーバレイ世代管理の方法を変更した場合は、変更されたオーバレイが最新世代として管理されます。

扱う帳票の種類、List Worksの動作環境の違いによる、オーバレイの世代更新方法を示します。

扱う帳票の種類

リスト管理サーバにおける履歴管理

マイ コンピュータにおける履歴管理

Windows版の場合

Solaris版の場合

一般アプリ帳票

自動(操作不要)

自動(操作不要)

List Creator帳票、
NetCOBOL/MeFt帳票

自動(操作不要)

自動(操作不要)、またはlvsvovlコマンドで登録

自動(操作不要)

IBMビジネスサーバ帳票

自動(操作不要)

自動(操作不要)

富士通ホスト帳票

自動(操作不要)

lvsvovlコマンドで登録

自動(操作不要)


なお、リスト管理サーバにおいて履歴管理できるオーバレイの世代数は、Windows版の場合は4096世代まで、Solaris 版の場合は255世代までです。マイ  コンピュータにおいては、Windows版/Solaris版とも4096世代までとなります。


オーバレイの履歴管理の確認

オーバレイの履歴管理が行われているかを確認する方法は、以下のとおりです。


Windows版リスト管理サーバの場合

【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【登録】タブで、「履歴管理を行う」の設定状態を確認してください。

【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスについては、“操作手引書 運用管理者編”を参照してください。

注意

  • 富士通ホスト帳票を分散印刷運用で扱う場合でかつ、APSのライタ定義において「TERMOVERLAY(NO)」を指定した場合は、オーバレイの履歴管理はできません。

  • オーバレイの履歴管理を行う場合、1世代前のオーバレイの帳票項目の設定を引き継ぐことができます。
    【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの「新しいオーバレイに、1世代前のオーバレイの帳票項目を引き継ぐ」がチェックされていない場合は、新しいオーバレイを登録するたびに、帳票項目を設定しなおす必要があります。

  • ホスト連携プレミアムのオーバレイツールを使用して、オーバレイを移行しないでください。オーバレイツールでオーバレイを移行した場合、オーバレイが再登録されたと見なされ、オーバレイの登録時間が更新されます。このため、オーバレイの履歴管理が動作し、オーバレイが正常に表示されなくなります。
    オーバレイの登録日付を変更しないでオーバレイを移行するには、ホスト連携プレミアムの環境移行支援ツールを使用してください。ただし本ツールを使用した場合、オーバレイのみを選択しての移行はできず、ホスト連携プレミアム(HOST PRINT)全体の環境の保存と復元となります。

Solaris 版リスト管理サーバの場合

サーバ動作環境ファイル(lvsvenv)のCTRL-OVLキーワード(オーバレイ世代管理用ディレクトリ)の設定を確認します。CTRL-OVLキーワードにオーバレイ世代管理用ディレクトリが指定されている場合は、世代管理が行われています。指定されていない場合は、オーバレイの世代管理は行われていません。

サーバ動作環境ファイルの内容は、lvlstenvコマンドにより確認することができます。

サーバ動作環境ファイルの詳細は“環境構築手引書”を参照してください。
lvlstenvコマンドの詳細は“コマンドリファレンス”を参照してください。

マイ コンピュータの場合

リストナビの【オプション】ダイアログボックスの【ローカル】タブで、「オーバレイの履歴管理を行う」の設定状態を確認してください。

リストナビの【オプション】ダイアログボックスについては、“操作手引書 利用者編”を参照してください。

lvsvovlコマンドによるオーバレイの登録 <Solaris版のみ>

以下の運用において、リスト管理サーバでオーバレイの世代管理を行う場合の、オーバレイの登録方法について説明します。

  • 富士通ホスト帳票を扱う場合

  • オープン帳票を扱う場合で、サーバ動作環境ファイルで自動的に世代管理を行わない設定をしたとき


オーバレイの登録方法は、世代管理方法によって手順が異なります。

以下に手順を示します。なお、現在の世代管理方法については、lvsvovlコマンドを使用して確認できます。

lvsvovlコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。
今まで使用していたオーバレイを1世代前として登録する場合
  1. lvsvovlコマンドを実行し、オーバレイの世代を登録します。

    例)今まで使用していたオーバレイ「FRMA」を、世代識別名「E10」、バージョンレベル「V10L10」として登録する場合
    # lvsvovl -a -O"FRMA" -eE10 -vV10L10
  2. 修正されたオーバレイを、List Worksサーバの印刷資源の格納ディレクトリに転送します。

変更したオーバレイを最新世代として登録する場合
  1. 修正されたオーバレイを、List Worksサーバの印刷資源の格納ディレクトリに転送します。

  2. lvsvovlコマンドを実行し、オーバレイの世代を登録します。

  3. 印刷データを登録します。

    注意

    印刷データを登録する前に、帳票が使用するオーバレイが世代に登録されている必要があります。

    富士通ホスト帳票の場合、帳票が使用するオーバレイが世代に登録されていないと、印刷データの登録に失敗します。

    例)修正されたオーバレイ「FRMA」を、世代識別名「E10」、バージョンレベル「V10L10」として登録する場合
    # lvsvovl -a -O"FRMA" -eE10 -vV10L10

    注:世代識別名およびバージョンレベルは、オーバレイ世代管理方法の変更時に、システムで自動的に設定されます。

(2) 世代の削除

オーバレイの履歴管理を行う場合、管理できる世代数は以下のとおりです。

項目

リスト管理サーバにおける履歴管理

マイ コンピュータにおける履歴管理

Windows版の場合

Solaris版の場合

一般アプリ帳票

4096

4096

List Creator帳票、
NetCOBOL/MeFt帳票

4096

255

4096

IBMビジネスサーバ帳票

4096

4096

富士通ホスト帳票

4096 (注)

255

4096

注:富士通ホスト帳票をFNA通信形態の分散印刷運用で扱う場合、かつAPSのライタ定義において「TERMOVERLAY(NO)」を指定した場合は、オーバレイの履歴管理はできません。


オーバレイの履歴が、管理できる世代数に達した場合、またはオーバレイの格納ディスク容量が不足しそうな場合は、使用していない世代の履歴を削除する必要があります。

使用していない世代の削除方法は、オーバレイの履歴管理をどこで行っているかにより、以下のように異なります。

Windows版のリスト管理サーバ、またはマイ コンピュータの場合

オーバレイの履歴管理を行っている場合、古い日時のオーバレイは、オーバレイ格納場所フォルダ配下の履歴管理フォルダ「BACKUP.nnn」(nnn:世代番号、000~FFFの16進数、000が最も古い世代を表す)に、世代ごとに格納されています。


オーバレイ格納場所のフォルダ配下の例を以下に示します。

オーバレイ格納先のフォルダ
  │
  ├ OVL1.240  …オーバレイ「OVL1」の最新版
  ├ OVL1.fld
  ├ OVL2.240  …オーバレイ「OVL2」の最新版
  ├ OVL2.fld
  ├ OVL3.240  …オーバレイ「OVL3」の最新版
  │
  ├ BACKUP.000
  │  ├ OVL1.240  …3世代前のオーバレイ「OVL1」
  │  ├ OVL1.fld
  │  ├ OVL2.240  …2世代前のオーバレイ「OVL2」
  │  └ OVL2.fld
  │
  ├ BACKUP.001
  │  ├ OVL1.240  …2世代前のオーバレイ「OVL1」
  │  ├ OVL1.fld
  │  ├ OVL2.240  …1世代前のオーバレイ「OVL2」
  │  └ OVL2.fld
  │
  └ BACKUP.002
      ├ OVL1.240  …1世代前のオーバレイ「OVL1」
      └ OVL1.fld
(****.fldは帳票定義ファイル)

オーバレイの履歴が、管理できる世代数に達した場合、またはオーバレイの格納ディスク容量が不足しそうな場合は、以下のいずれかの方法で対処します。

  • 対処1:オーバレイの格納場所を変更する

  • 対処2:古いオーバレイの世代を退避し、削除する


削除された世代のオーバレイを使用している印刷データを表示しようとすると、同じ名前のオーバレイのうち、最新のオーバレイが使用されます。

以下、上記の対処1、対処2について説明します。


対処1:オーバレイの格納場所を変更する

オーバレイの格納場所を変更する対処方法について説明します。

  1. 新しいオーバレイの格納場所(フォルダ)の準備

    エクスプローラなどを使用して新しい格納場所(フォルダ)に、最新作成日時のオーバレイのデータを複写してください。

    また、履歴管理フォルダ「BACKUP.nnn」に格納されている古い日時のオーバレイも、必要に応じて複写してください。

    履歴管理フォルダ「BACKUP.nnn」の、「nnn」は、必ず「000」から作成してください。

  2. オーバレイ格納場所のフォルダの変更

    リスト管理サーバの場合は、リスト管理サーバの環境設定において、マイ  コンピュータの場合はリストナビの【オプション】ダイアログボックスで変更します。

    リスト管理サーバの環境設定については、“操作手引書 運用管理者編”、リストナビの【オプション】ダイアログボックスについては、“操作手引書 利用者編”を参照してください。

対処2:古い世代の履歴を退避し削除する

古いオーバレイの世代を退避し、削除する対処方法について説明します。

エクスプローラなどを使用して、利用していない古い世代のオーバレイを退避し、削除してください。また、不要な履歴管理フォルダ「BACKUP.nnn」を削除してください。

削除後は、履歴管理フォルダ「BACKUP.nnn」の「nnn」を、世代の古い順に「000」から付け直してください。


Solaris 版のリスト管理サーバの場合

Solaris 版のリスト管理サーバにおいて、古い世代のオーバレイが不要になった場合、lvsvovlコマンドで削除します。

lvsvovlコマンドでオーバレイの世代を削除すると、削除した世代のオーバレイを使用している印刷データは、最新世代のオーバレイを使用するように変更されます。

注意

変更したオーバレイを最新世代として登録する運用方法の場合の注意事項

  • 世代の削除または初期化によって削除されたオーバレイを再度世代に登録する場合には、削除前と同じ世代識別名およびバージョンレベルを指定してください。
    削除前と同じ世代にオーバレイが存在しない場合、最新世代のオーバレイが使用されるため、表示されるオーバレイ、帳票項目、抜き出し検索範囲がずれることがあります。

  • 以下のオーバレイの世代は、削除できません。

    • 各オーバレイの最新のオーバレイ世代

    • 初期世代(オーバレイ世代管理方法の変更時に、システムにより自動的に設定された世代識別名およびバージョンレベルの世代)

例1)  オーバレイ「FRMA」の世代識別名「E10」、バージョンレベル「V10L10」を削除する場合

# lvsvovl -d -O"FRMA" -eE10 -vV10L10

例2)  削除前、または削除後にオーバレイの世代管理情報を確認する場合

# lvsvovl -V

世代管理情報は、以下のように表示されます。

----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+----8
2008/11/21 18:35:27  オーバレイ世代管理   A1234    情報            (0013)
世代管理初期化日時  : 2007/11/21 10:12:56
世代管理最終更新日時: 2008/11/21 18:00:03
  世代名            : E10 V10L10
    作成日時        : 2007/11/21 13:22:25
    最終更新日時    : 2008/12/21 15:32:16
    オーバレイ名    : FRMB FRMC FRMD FRMS FRMK
  世代名            : E20 V10L10
    作成日時        : 2007/11/21 18:00:03
    最終更新日時    : 2008/11/21 18:00:03
    オーバレイ名    : FRMA FRMB FRMC FRMD

lvsvovlコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。