Storage Cluster機能の運用を開始/変更するため、以下の手順で設定してください。
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合
ポイント
手順1および手順2は、Webコンソールを使って簡単に実施できます。
上記以外の場合
FC構成の場合の、業務ボリュームの割当てに関する構成例を「図9.15 Storage Cluster機能: 業務ボリュームの割当て構成例(FC構成の場合)」に示します。
iSCSI構成の場合は、図の中のFCスイッチがネットワークスイッチとなり、ゾーニング設定が存在しません。
図9.15 Storage Cluster機能: 業務ボリュームの割当て構成例(FC構成の場合)
業務ボリュームの準備
Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイに、Storage Cluster機能で切替えを行うボリュームを用意します。なお、Storage Clusterで切替えを行うボリュームは、以下のすべての条件を満たす必要があります。
Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイに、容量が同じボリュームが存在していること
無停止ストレージマイグレーションで使用するボリュームでないこと
外部LU情報が"Inherited"のボリュームでないこと
用途が"Veeam"のボリュームでないこと
ボリュームタイプが、"Standard"、"WSV"、"TPV"、または"FTV"のどれかである。かつ、Primary/Secondaryストレージの対応するボリュームのボリュームタイプが同じであること
"SDV"および"SDPV"は未サポートです。
"FTV"の場合、アクセス状況データを同期させることで、フェイルオーバ/フェイルバック後も、ストレージ自動階層制御の性能情報および再配置状態を引き継げます。アクセス状況データを同期させる方法は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「アクセス状況データの同期」を参照してください。
アドバンスト・コピーが実行されていないこと
装置あたりの業務ボリュームの総容量が、TFOV総容量を超過していないこと
注意
CAポートペアに属するボリュームは、Storage Cluster機能で使用しないポートからは共有できません。
ポイント
Storage Cluster機能を利用している業務ボリュームのボリュームタイプが"Standard"、"TPV"、または"FTV"の場合は、ボリュームの容量を拡張できます。拡張方法は、「9.4.2.4 業務ボリュームの容量拡張」を参照してください。
ボリュームタイプが"WSV"の場合は、ボリュームの容量を拡張できません。
業務ボリュームの総容量が装置あたりのTFOV総容量を超える場合は、TFOV総容量を拡張してください。拡張方法は、「TFOV総容量の拡張」を参照してください。
RAIDグループ、シン・プロビジョニングプール、またはTierプールに空き容量がない場合、『Webコンソール説明書』の「RAIDグループに関する操作」、「シン・プロビジョニングに関する操作」、または「ストレージ自動階層制御に関する操作」を参照し、領域を確保してください。
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合は、Webコンソールを使って、「Storage Clusterで切替えを行うボリュームに求められる条件」を満たしたボリュームを簡単に作成できます。
Webコンソールの操作手順は以下のとおりです。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、Primaryストレージとして指定するETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
ボリュームを作成します。
ボリュームタイプが"Standard"または"TPV"のボリュームを作成する場合
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[ボリュームの作成]をクリックします。
[TFOグループ]ドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面の左側には、Primaryストレージに作成するボリュームの情報入力画面が表示されます。
画面の右側には、Secondaryストレージに作成するボリュームの情報入力画面が表示されます。
画面左側のPrimaryストレージ部分に、必要な情報を入力します。
画面右側のSecondaryストレージ部分にある「Primaryストレージと同じボリュームを作成します」チェックボックスにチェックが入っていることを確認します。
ポイント
「Primaryストレージと同じボリュームを作成します」チェックボックスにチェックが入っていると、以下の項目は、入力を省略してPrimaryストレージと同様の設定値にすることができます。
- 名前
- 容量
- タイプ
- 暗号化
- Deduplication
- Compression
- Deduplication/Compression
- Allocation
なお、「ボリューム数」は、チェックボックスの選択状態にかかわらず、入力が必須です。
画面右側のSecondaryストレージ部分に、必要な情報を入力します。
画面右下の[次へ]ボタンをクリックします。
情報確認画面が表示されます。
情報を確認したあと、画面右下の[作成]ボタンをクリックします。
ボリュームタイプが"FTV"のボリュームを作成する場合
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[FTVの作成]をクリックします。
[TFOグループ]ドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面の左側には、Primaryストレージに作成するボリュームの情報入力画面が表示されます。
画面の右側には、Secondaryストレージに作成するボリュームの情報入力画面が表示されます。
画面左側のPrimaryストレージ部分に、必要な情報を入力します。
画面右側のSecondaryストレージ部分にある「Primaryストレージと同じボリュームを作成します」チェックボックスにチェックが入っていることを確認します。
ポイント
「Primaryストレージと同じボリュームを作成します」チェックボックスにチェックが入っていると、以下の項目は、入力を省略してPrimaryストレージと同様の設定値にすることができます。
- FTV名
- 総容量
- ボリューム数
- Allocation
- 注意閾値
- QoS自動化の有効/無効
- QoS自動化:優先度
- 目標レスポンスタイム
なお、以下の項目は、チェックボックスの選択状態にかかわらず、入力が必須です。
- プール名
- 優先FTSP
- Low割当て率
- Middle割当て率
- High割当て率
- 割当て率調整
画面右側のSecondaryストレージ部分に、必要な情報を入力します。
画面右下の[次へ]ボタンをクリックします。
情報確認画面が表示されます。
情報を確認したあと、画面右下の[作成]ボタンをクリックします。
上記以外の場合のボリューム作成方法は、『Webコンソール説明書』の「ボリュームの作成」または「FTVの作成」を参照してください。
すでにサーバに割り当てられているボリュームをStorage Cluster機能で使用する場合は、「Storage Clusterで切替えを行うボリュームに求められる条件」を満たすようにSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイにボリュームを作成してください。
また、アドバンスト・コピーが動作している場合は、停止してください。
参照
アドバンスト・コピーを停止する手順は、使用している機能に沿って、以下のどちらかを参照してください。
AdvancedCopy ManagerのCopy Control Module機能を使用している場合
『Webコンソール説明書』の「[ストレージ]タブから始める操作」
AdvancedCopy Managerのバックアップ運用またはレプリケーション運用機能を使用している場合
『Webコンソール説明書』の「[サーバ]タブから始める操作」-「アドバンスト・コピーに関する操作」
ここまでの作業が完了したら、以下の箇所へ進んでください。
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合
「アクセスパスの設定(PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合)」
上記以外の場合
「アクセスパスの設定(ストレージごとに実施する場合、またはPrimaryストレージだけで運用していた環境にSecondaryストレージを追加する場合)」
アクセスパスの設定(PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合)
Storage Cluster機能で切り替えるボリュームをサーバに接続します。
アクセスパス設定のために、以下の作業を行う必要があります。
ホストの追加
アフィニティ/LUNグループの作成
ホストアフィニティの設定(サーバHBA、ディスクアレイポート、アフィニティ/LUNグループの関連付け)
ポイント
BS2000環境の場合、業務ボリューム数が513以上のアフィニティ/LUNグループを関連付けたホストアフィニティ設定が可能です。
アクセスパスの設定は、以下のとおりです。
サーバHBAとETERNUS ディスクアレイポートの選択について
TFOグループにおいてペアに指定した2つのポートは、同一のHBAと関連付けます。
例えば、「図9.16 Storage Cluster機能: 正しいアクセスパスの設定例」のようにHBAとポートを選択した場合は、Storage Cluster機能の運用が可能です。
図9.16 Storage Cluster機能: 正しいアクセスパスの設定例
「図9.17 Storage Cluster機能: 誤ったアクセスパスの設定例」のようにHBAとポートを選択した場合は、Storage Cluster機能の運用が不可能です。
図9.17 Storage Cluster機能: 誤ったアクセスパスの設定例
Webコンソールでホストを追加する手順は、以下のとおりです。
ポイント
本手順に沿うことで、ポートペアに指定したPrimaryストレージのポートおよびSecondaryストレージのポートについて、WWPN/iSCSI名を意識することなく同じHBAへの関連付けを行うことができます。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、Primaryストレージとして指定するETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
ホストを追加します。
FCホストを追加する場合
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[FCホストの追加]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
[TFOグループ]ドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面左側の[ポート]のドロップダウンから、TFOグループにおけるPrimary側のポートを選択できるようになります。
[ポート]のドロップダウンから、ホストに割り当てるPrimary側のポートを選択します。
TFOグループにおいて、ペアに指定した2つのポート(PrimaryストレージのポートおよびSecondaryストレージのポート)が表示されます。
ホスト一覧には、Primaryストレージのポートに接続されたホストだけが表示されます。WWPNを確認し、ポートに割り当てるホストを選択します。
必要情報を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
情報を確認したあと、画面右下の[追加]ボタンをクリックします。
iSCSIホストを追加する場合
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[iSCSIホストの追加]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
[TFOグループ]のドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面左側の[ポート]のドロップダウンから、TFOグループにおけるPrimary側のポートを選択できるようになります。
[ポート]のドロップダウンから、ホストに割り当てるPrimary側のポートを選択します。
TFOグループにおいて、ペアに指定した2つのポート(PrimaryストレージのポートおよびSecondaryストレージのポート)が表示されます。
ホスト一覧には、Primaryストレージのポートに接続されたホストだけが表示されます。iSCSI名を確認し、ポートに割り当てるホストを選択します。
必要情報を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
情報を確認したあと、画面右下の[追加]ボタンをクリックします。
Webコンソールでアフィニティ/LUNグループを作成する手順は、以下のとおりです。
ポイント
本手順に沿うことで、アフィニティ/LUNグループにおいてPrimary/SecondaryストレージのStorage Cluster切替えボリュームに必要な条件を満たすことができます。必要な条件は、「Storage Clusterで切替えを行うボリュームに求められる条件」を参照してください。
注意
Primary/SecondaryストレージのLUNマッピング設定で、ホストLUNには同じ番号を設定してください。CAポートペアの2つのポートにホストアフィニティ設定されたボリュームのうち、ホストLUN No.(HLU)とボリューム容量が一致するボリュームが、同期対象のボリュームになります。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、Primaryストレージとして指定するETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[アフィニティ/LUNグループの作成]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
[TFOグループ]ドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面の左側には、選択したTFOグループにおいて指定したPrimaryストレージに作成するアフィニティ/LUNグループの情報入力画面が表示されます。
画面の右側には、選択したTFOグループにおいて指定したSecondaryストレージに作成するアフィニティ/LUNグループの情報入力画面が表示されます。
アフィニティ/LUNグループの名前を入力します。
ホストLUN開始番号を入力します。
アフィニティ/LUNグループに割り当てるボリュームを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
割り当てられたボリューム一覧に、選択したボリュームが表示されていることを確認します。
画面右側のSecondaryストレージ部分にある「Primaryストレージと同じアフィニティ/LUNグループを作成します」チェックボックスにチェックが入っていることを確認します。
画面右下の「次へ」ボタンをクリックします。
情報確認画面が表示されます。
情報を確認したあと、画面右下の[作成]ボタンをクリックします。
Webコンソールでホストアフィニティを設定する手順は、以下のとおりです。
ポイント
本手順に沿うことで、選択したポートペアの各ポートと選択したホストのホストアフィニティを設定できます。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、Primaryストレージとして指定するETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
アクションペインで、[業務ボリュームの割り当て]の下にある[ホストアフィニティの作成]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
[TFOグループ]のドロップダウンから、Storage Cluster機能で利用するTFOグループを選択します。
画面の左側には、選択したTFOグループにおいて指定したPrimaryストレージに作成するホストアフィニティの情報入力画面が表示されます。
画面の右側には、選択したTFOグループにおいて指定したSecondaryストレージに作成するホストアフィニティの情報入力画面が表示されます。
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージに対して、ホストアフィニティに設定するホストを選択します。
ホストアフィニティに設定するTFOグループのポートペアを選択します。
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージに対して、[アフィニティ/LUNグループ]ドロップダウンから、ホストアフィニティに設定するアフィニティ/LUNグループを選択します。
画面右下の[作成]ボタンをクリックします。
ここまでの作業が完了したら、「設定の確認」へ進んでください。
アクセスパスの設定(ストレージごとに実施する場合、またはPrimaryストレージだけで運用していた環境にSecondaryストレージを追加する場合)
PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合、アクセスパスの設定手順は、「アクセスパスの設定(PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両装置に対してボリュームの新規作成から実施する場合)」を参照してください。
上記以外の場合は、本項の手順で、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイにおいて、Storage Cluster機能で切り替えるボリュームをサーバに接続します。ただし、Primaryストレージにおいて設定が完了している場合は、Secondaryストレージだけ作業を実施してください。
Storage Cluster構成におけるアクセスパス設定は、以下の作業を行う必要があります。
アフィニティ/LUNグループの作成
ホストアフィニティの設定(サーバHBA、ディスクアレイポート、アフィニティ/LUNグループの関連付け)
FCスイッチのゾーニング設定(FC構成の場合だけ)
TFOポートペアの設定
アクセスパス設定は、上記の作業をまとめて実施でき、あるサーバとあるETERNUS ディスクアレイ間の複数のアクセスパスを同時に設定できる、ボリューム割当て機能の使用を推奨します。
Primary/Secondaryストレージに対して、Webコンソールまたはstorageadm zoneコマンドを使用してアクセスパス設定を実行することで、Secondaryストレージに対するアクセスパス設定の実行後にTFOポートペアが設定され、Storage Cluster機能によるボリュームの同期が開始されます。
注意
ボリューム割当て機能では、1つのHBAから同一ETERNUS ディスクアレイに対して、複数のアクセスパスを設定できません。複数のアクセスパスを設定する場合は、アクセスパスの追加手順で、1つずつアクセスパスを設定してください。
ポイント
BS2000環境の場合、業務ボリューム数が513以上のアフィニティ/LUNグループを関連付けたホストアフィニティ設定が可能です。
参照
ボリューム割当ての手順は、『Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのボリュームの割当て」を参照してください。
アクセスパスの追加手順は、『Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのアクセスパスの追加」を参照してください。
アクセスパスの設定は、以下のとおりです。
サーバHBAとETERNUS ディスクアレイポートの選択について
TFOグループにおいてペアに指定した2つのポートは、同一のHBAと関連付けてください。
例えば、「図9.16 Storage Cluster機能: 正しいアクセスパスの設定例」のようにHBAとポートを選択した場合は、Storage Cluster機能の運用が可能です。
「図9.17 Storage Cluster機能: 誤ったアクセスパスの設定例」のようにHBAとポートを選択した場合は、Storage Cluster機能の運用が不可能です。
アフィニティ/LUNグループの作成について
Storage Cluster機能の対象とするボリュームは、アフィニティ/LUNグループに以下の規則で定義する必要があります。
Primary/Secondaryストレージの対応するホストLUN No.(HLU)が同じである
Primary/Secondaryストレージの対応するボリュームの容量が同じである
ボリュームタイプが、"Standard"、"WSV"、"TPV"、または"FTV"のどれかである。かつ、Primary/Secondaryストレージの対応するボリュームのボリュームタイプが同じである
Veeam Storage Integrationを利用している場合のホストアフィニティの設定について
Storage Cluster機能の対象とするLUNグループには、[Veeam Storage Integration]カラムの値が"-"(ハイフン)のLUNグループを使用してください。
注意
アクセスパス設定が条件を満たしていない場合は、装置側でエラーとなり、オペレーションログを表示します。対処方法は、『メッセージ説明書』を参照してください。
Primary/SecondaryストレージのLUNマッピング設定で、ホストLUNには同じ番号を設定してください。CAポートペアの2つのポートにホストアフィニティ設定されたボリュームのうち、ホストLUN No.(HLU)とボリューム容量が一致するボリュームが、同期対象のボリュームになります。
ここまでの作業が完了したら、以下の「設定の確認」へ進んでください。
設定の確認
Storage Cluster機能が正しく設定されていることを確認してください。
TFOグループのポートペアに対するアクセスパスの確認
TFOグループにおいてペアに指定した2つのポート(PrimaryストレージとSecondaryストレージのそれぞれポート)と業務サーバの同一HBAに、それぞれアクセスパスが設定されていることを確認してください。
Storage Cluster機能の対象ボリュームの確認
Primary/Secondaryストレージにアクセスパス設定を実施すると、Storage Cluster機能によるボリュームの同期が開始されます。
指定したボリュームがStorage Cluster機能の対象ボリュームとして正しく設定されているかは、Webコンソールを使って以下の手順で確認してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[ボリューム]をクリックします。
作成されているボリュームが、メインペインに表示されます。[用途]カラムの値に、"/TFOV"の文字列が含まれている場合、そのボリュームはStorage Clusterの対象ボリュームとして正しく設定されています。
なお、アクセスパスの設定完了からボリュームの同期がすべて完了してフェイルオーバを実行できるようになるまで、一定時間を要します。同期処理の進捗率は、TFOグループの詳細画面で確認してください。同期が完了し、フェイルオーバを実行できる状態かを確認するには、続けて手順4を実施してください。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
TFOグループの[フェーズ]カラムの値を確認します。
"Normal"の場合
TFOグループ内のボリュームの同期はすべて完了しており、フェイルオーバを実行できる状態です。
自動Failoverを使用する場合は、TFOグループの[Failoverモード]が"Auto"、かつTFOグループの[状態]が"Normal"であることも確認してください。
"Copying"の場合
PrimaryストレージからSecondaryストレージに向けてボリュームを同期しています。同期が完了するまで待ち合わせてください。
上記以外の場合
「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」を参照してください。
ポイント
以下の2つの条件を満たす場合、Primary/Secondaryストレージ間でアクセス状況データを同期できます。
FTV間でStorage Cluster機能によるボリュームの同期が開始できるように設定している
ETERNUS ディスクアレイのストレージ自動階層制御機能を利用している
アクセス状況データの同期手順は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「アクセス状況データの同期」を参照してください。
注意
CAポートペアになっている2つのポートに対してホストアフィニティ設定されたボリュームのうち、HLU番号と容量が一致するボリュームが同期対象のボリュームとなります。HLU番号と容量を一致させてください。
ボリュームの同期では、ペアとなったボリューム間でイニシャルコピーが行われます。イニシャルコピーの所要時間は、転送時の回線速度、品質、圧縮率(データ内容依存)などの影響を受け、大きく変動します。
所要時間の目安は、以下のとおりです。
イニシャルコピーの条件 | 所要時間 |
---|---|
FC-RAポート、IPネットワークは1回線(1Gbit/sec)接続、FCスイッチの典型的なスループット値114MB/sec(=114,000,000byte/sec)(圧縮率50%、遅延なし) | 1.5時間 |
FC-RAポート、IPネットワークは1回線(100Mbit/sec)接続、FCスイッチの典型的なスループット値12MB/sec(12,000,000byte/sec)(圧縮率50%、遅延なし) | 13時間 |
iSCSI-RAポート、IPネットワークは1回線(1Gbit/sec)接続、iSCSI-RAでの典型的なスループット値26MB/sec(圧縮なし、遅延30msec) | 12時間 |
図9.18 Storage Cluster機能: 同期対象例
上の図は、以下のことを表しています。
StorageAのVol#0とStorageBのVol#10のペアは、HLU番号と容量が一致するので、同期(フェイルオーバ)の対象ボリュームです。
StorageAのVol#1とStorageBのVol#11のペアは、HLU番号が異なるため、同期の対象とはなりません。
StorageAのVol#2とStorageBのVol#12のペアは、容量が異なるため、同期の対象とはなりません。
HLU番号が一致しても、容量が異なるボリュームがひもづいているCAポート同士をペア化しようとした場合、処理は異常終了します。
TFOグループのステータスは、「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」を参照してください。
ここまでの作業が完了したら、以下の「手動Failoverと手動FailbackによるiSCSI IPアドレスの業務サーバへの認識」へ進んでください。
手動Failoverと手動FailbackによるiSCSI IPアドレスの業務サーバへの認識
本手順は、iSCSI構成の場合、かつ異なるiSCSI IPアドレスでStorage Clusterを運用する場合に実施してください。
SecondaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させるための手順を記載しています。
PrimaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させます。
認識済みの場合、この手順は不要です。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
メインペインで、異なるiSCSI IPアドレスで構築したTFOグループを選択し、アクションペインの[Failover]をクリックします。
警告のダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
SecondaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させます。
メインペインで、異なるiSCSI IPアドレスで構築したTFOグループを選択し、アクションペインの[Failback]をクリックします。
警告のダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
TFOグループのステータスは、定期的に自動更新されます。
即時に最新の状態に更新したい場合に、以下の手順を実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[TFOグループの状態]の下にある[更新]をクリックします。
ダイアログが表示されますので、[完了]をクリックします。
本操作を行うと、選択した装置とペアを構成している装置のTFOステータスも更新されます。
注意
ペアを構成している装置と通信ができない場合、操作はエラー終了します。この場合でも、選択した装置は更新されます。
TFOグループのステータスは、「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」を参照してください。
Storage Cluster機能の対象となるボリュームを変更する場合は、以下の手順でボリュームの追加/削除を行ってください。
ボリュームの追加/削除操作を実施できる状態であることを確認します。
ボリュームを追加する場合
ボリュームを追加するTFOグループの、PrimaryストレージのTFOステータスが"Active"であること、およびSecondaryストレージのTFOステータスが"Standby"であることを確認してください。
ボリュームを削除する場合
Storage Cluster機能の対象から外したボリュームをStorage Cluster機能を使わずに利用し続ける場合は、以下のすべての条件を満たしていることを確認してください。
TFOグループのフェーズが"Normal"である
ボリュームのTFOペアのセッション情報において、セッションの状態が"Active"、およびセッションのフェーズが"Equivalent"である
参照
TFOグループのステータスの詳細は「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」を、TFOペアのセッション情報の詳細は「9.4.2.9 TFOグループ詳細画面での状態確認」を参照してください。
Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイに対して、アフィニティ/LUNグループを変更します。
どのアフィニティ/LUNグループを変更するかの確認手順は、以下のとおりです。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[接続性]をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、接続性に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[ホストアフィニティ]をクリックします。
ホストアフィニティの一覧が、メインペインに表示されます。
[ポート]列にTFOグループのペアに指定しているポートを含むホストアフィニティを確認してください。そのホストアフィニティに設定されているアフィニティ/LUNグループを変更する必要があります。
参照
アフィニティ/LUNグループの変更手順は、『Webコンソール説明書』の「アフィニティ/LUNグループの変更」を参照してください。
SecondaryストレージのボリュームをStorage Cluster機能の対象から外したあともStorage Cluster機能を使わずに利用し続ける場合は、ETERNUS CLIを利用して、そのボリュームの情報をデータ同期前の状態に戻します。
利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
注意
本手順を実施しない場合、Secondaryストレージのボリュームの情報がPrimaryストレージのボリュームの情報と競合してデータ破壊が発生することがあります。
ボリュームの変更作業を実施したあと、ボリュームの同期がすべて完了してフェイルオーバーを実行できるようになるまで、一定時間を要します。ボリュームの同期処理が完了し、フェイルオーバーを実行できる状態になっているかを確認する手順は、「9.4.2.1 業務ボリュームの割当て」の「設定の確認」を参照してください。
注意
1つのアフィニティ/LUNグループに定義できるボリューム数には上限があります。上限は、使用しているETERNUS ディスクアレイのマニュアルを参照してください。
Storage Cluster機能の対象となるボリュームのフォーマットはサポートしていません。
以下のボリュームは追加できません。
ボリュームタイプがSDVまたはSDPVのボリューム
無停止ストレージマイグレーションで使用するボリューム
外部LU情報が"Inherited"のボリューム
用途が"Veeam"のボリューム
アドバンスト・コピーを実行中のボリューム
Storage Cluster機能の対象となるボリュームの容量を拡張するには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。
容量拡張の対象ボリュームがペア化されている
TFOペアのセッションの状態が"Active"である
参照
TFOペアのセッション情報の詳細は、「9.4.2.9.2 TFOペアのセッション情報」を参照してください。
ポイント
TFOペアのセッションの状態が"Active"でない場合は、以下の原因が考えられます。
フェイルオーバーまたはフェイルバックによる一時的なセッションの中断
REC経路の閉塞
RAID故障、RAID閉塞、または不良セクターの発生
ETERNUS ディスクアレイの状態を確認し、必要に応じて「9.4.3 保守」の手順を実施してください。
1回の容量拡張操作で指定できるボリュームのペアは1組です。
不測の事態に備えるため、対象ボリュームのデータをバックアップしてから容量を拡張することを推奨します。
容量拡張の際は、ペアとなっているボリューム間の同期が一時的に解除されるため、容量拡張が完了するまでボリューム間の同期が取られていない状態となります。容量拡張が完了したあとは、ボリューム間でイニシャルコピーによる同期が行われます。イニシャルコピーの所要時間は、「表9.6 イニシャルコピーの所要時間(物理容量が1TBのボリュームにおける目安値)」を目安にしてください。
業務ボリュームの容量を拡張したあとは、容量拡張後のボリューム容量を業務サーバに認識させる必要があります。
ボリュームタイプが"Standard"の場合は、LUNコンカチネーション機能によって業務ボリュームの容量を拡張します。LUNコンカチネーションによる業務ボリュームの容量拡張では、以下のことを実現できます。
既存のRAIDグループの空き容量を利用した、業務ボリュームの容量拡張
最小で1GBの空き容量を連結
最大で128TBの容量の業務ボリュームを作成
複数のRAIDグループにまたがった連結
連結元のボリュームと連結するボリュームには、すべてのRAIDレベルを使用可能
(連結元ボリュームと連結するボリュームのRAIDレベルが異なっていても連結できます)
連結数が16になるまで、連結元の業務ボリュームにボリュームを追加
注意
ボリュームタイプが"Standard"の業務ボリュームの容量を拡張するには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。
指定可能な業務ボリュームの条件
現在のボリューム容量が1GB以上であること
連結ボリュームの容量が128TB未満であること
ボリュームの連結数が16未満であること
ボリュームのステータスが、"Broken"、"Data Lost"、"Not Ready"、および"Readying"でないこと
RAIDマイグレーションを実行中でないこと
コピー範囲に"Totally"を指定したアドバンスト・コピーセッションがないこと
コピー範囲に"Totally"を指定するケースには、以下があります。
- AdvancedCopy Manager CCMのLUN to LUNコピー
- ETERNUS SF AdvancedCopy Manager SRAを使用したコピー
- ETERNUS VSS Hardware Providerを使用したコピー
- ETERNUS Web GUIまたはETERNUS CLIから設定したSnapOPC+
指定可能なRAIDグループの条件
拡張後のボリューム連結数が16以下であること
RAIDグループのステータスが"Broken"でないこと
Standard、WSV、SDP、SDPVが登録されているRAIDグループであること、またはボリュームが登録されていないRAIDグループであること
シン・プロビジョニングプールおよびFlexible Tier Poolに属していないRAIDグループであること
Extreme Cache Poolとして登録されていないRAIDグループであること
RAIDグループに登録されているボリュームが、128個未満であること
RAIDグループに1GB以上の空き容量があること
連結元ボリュームが属するRAIDグループを構成するドライブタイプと連結先RAIDグループを構成するドライブタイプが同じであること
RAIDグループが閉塞していないこと
ボリュームタイプが"TPV"または"FTV"の業務ボリュームの容量を拡張するには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。
現在の容量が128TB未満であること
対象ボリュームがTPVの場合、シン・プロビジョニングボリューム平準化を実行中でないこと
対象ボリュームがFTVの場合、Tierプール平準化を実行中でないこと
RAIDマイグレーションを実行中でないこと
装置内の全TPVおよび全FTVの総容量が、装置の最大プール容量を超えないこと
装置に作成できる全TPVおよび全FTVの総容量は、装置の最大プール容量に依存します。装置に作成できる最大プール容量は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
コピー範囲に"Totally"を指定したアドバンスト・コピーセッションがないこと
コピー範囲に"Totally"を指定するケースには、以下があります。
- AdvancedCopy Manager CCMのLUN to LUNコピー
- ETERNUS SF AdvancedCopy Manager SRAを使用したコピー
- ETERNUS VSS Hardware Providerを使用したコピー
- ETERNUS Web GUIまたはETERNUS CLIから設定したSnapOPC+
業務ボリュームの容量拡張は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのどちらか一方に対して実行するだけで、PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両方に設定されます。
Webコンソールを使って業務ボリュームの容量を拡張する手順は、以下のとおりです。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
メインペインで、対象TFOグループの「名前」部分をクリックします。
TFOグループの詳細画面が、メインペインに表示されます。
メインペインで、[ボリューム]タブをクリックします。
ローカルボリュームとリモートボリュームのペア情報が表示されます。
容量を拡張するボリュームに対応するチェックボックスをチェックしたあと、アクションペインで、[TFOV]の下にある[容量拡張]をクリックします。
TFOV拡張ウィザード画面が表示されます。
ボリュームタイプごとに、以下の手順を実施します。
表示された「Primaryストレージ側のTFOV拡張」画面の[拡張後のボリューム容量]項目に、拡張後の容量を入力します。
ポイント
項目欄に入力できる文字数は、小数点(".")を含めて最大15文字です。単位に"MB"(メガバイト)を選択した場合は、小数点以下が切り捨てられます。単位に"GB"(ギガバイト)または"TB"(テラバイト)を選択した場合は、メガバイト単位に換算した値の小数点以下が切り捨てられます。
容量は、2GB以上、かつRAIDグループの空き容量以下の値を入力してください。
また、最大ボリュームサイズの128TBを超えないように入力してください。
RAIDグループの「最大空き容量」と同じ容量を同じ形式("GB"または"TB"単位で同じ桁数)で入力すると、RAIDグループの最大空き容量をすべて使用するように補正された容量が追加されます。補正せずに入力した容量で追加したい場合は、"MB"単位で入力してください。
PrimaryストレージのRAIDグループ一覧から、容量を確保するRAIDグループを選択します。
[次へ]ボタンをクリックします。
「Secondaryストレージ側のTFOV拡張」画面が表示されます。
SecondaryストレージのRAIDグループ一覧から、容量を確保するRAIDグループを選択します。
[次へ]ボタンをクリックします。
「確認」画面が表示されます。
設定内容が正しいことを確認したあと、[容量拡張]ボタンをクリックします。
表示された「TFOV拡張(TPV/FTV)」画面の[拡張後のボリューム容量]項目に、拡張後の容量を入力します。
ポイント
項目欄に入力できる文字数は、小数点(".")を含めて最大15文字です。単位に"MB"(メガバイト)を選択した場合は、小数点以下が切り捨てられます。単位に"GB"(ギガバイト)または"TB"(テラバイト)を選択した場合は、メガバイト単位に換算した値の小数点以下が切り捨てられます。
容量は、25MB以上128TB以下の値を入力してください。
設定内容が正しいことを確認したあと、[容量拡張]ボタンをクリックします。
TFOV総容量は変更可能です。変更手順は、「TFOV総容量の拡張」を参照してください。
ポイント
ペア化されているTFOグループが存在するときは、TFOV総容量を減らすことができません。TFOV総容量を減らす場合は、以下の作業を実施してください。
「9.4.3.8 TFOペアの解除」の手順を実施してTFOペアを解除します。
「9.4.2.3 業務ボリュームの追加/削除」を参照して不要な業務ボリュームを削除します。全TFOVの総容量を、手順3で設定するTFOV総容量以下にしてください。
TFOV総容量を変更します。
Storage Cluster運用を継続する場合は、手順1で解除したすべてのTFOペアに対して、「9.4.3.9 TFOペアの復旧」の手順を実施してTFOペアを復旧します。
Storage Clusterコントローラーを設置し、TFOグループ設定で自動Failoverを設定している場合は、ETERNUS ディスクアレイの故障を検知し自動的にフェイルオーバーが実施されます。Storage Clusterコントローラーを設置しない場合や切替えのテストなど、今すぐ切り替える必要がある場合に、手動でフェイルオーバーを実行することも可能です。手動でフェイルオーバーを実行する場合は、通常モードと強制モードを選択できます。強制モードは「9.4.2.7 強制Failover」を参照してください。
TFOグループ設定で自動Failbackを設定している場合は、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイが復旧したあと、フェイルバック可能な状態になったことを検知し、自動的にフェイルバックが実施されます。RAID故障から復旧した場合や任意のタイミングで切り替えたい場合は、手動でフェイルバックを実行することも可能です。
ポイント
手動でフェイルオーバー/フェイルバックを実行する場合は、切替えを行うTFOグループのステータスおよびTFOペアのセッション情報を確認し、操作を実施できる状態、かつデータの整合性がとれている状態のときに実施してください。
TFOグループのステータスの詳細は「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」を、TFOペアのセッション情報の詳細は「9.4.2.9 TFOグループ詳細画面での状態確認」を参照してください。
注意
TFOグループのフェーズが正常でないときやTFOペアのセッションの状態が正常でないときに手動でフェイルオーバー/フェイルバックを実行すると、データの整合性が失われることがあります。
手動でフェイルオーバー/フェイルバックを実行する手順は以下のとおりです。フェイルオーバー/フェイルバックは、Primary/Secondaryストレージのどちらからでも実施できます。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。
TFOグループのステータスおよびTFOペアのセッション情報を確認してから、メインペインで、フェイルオーバーまたはフェイルバックしたいTFOグループを選択し、アクションペインの[Failover]または[Failback]をクリックします。
警告のダイアログが表示されます。
フェイルオーバー/フェイルバックを実施する場合は、[OK]ボタンをクリックします。
ポイント
PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの故障や撤去などによってETERNUS ディスクアレイと通信ができない場合は、手動でのフェイルオーバーを実行できません。Primaryストレージのディスクアレイが停止していることを確認したあと、強制Failoverを実行してください。
Veeam Storage Integrationからのリストア処理が実行されている間は、手動でのフェイルオーバーを実行できません。リストア処理の完了を確認してから、手動でのフェイルオーバーを実行してください。
PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの故障や撤去などの理由によって、業務サーバからアクセスできなくなった場合だけ、以下の手順で強制Failoverを実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイを選択してください。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
メインペインで、強制FailoverしたいTFOグループを選択し、アクションペインの[強制Failover]をクリックします。
警告のダイアログが表示されます。
強制Failoverを実施する場合は、[OK]ボタンをクリックします。
注意
PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイが業務サーバに接続されている場合は、本機能を実行しないでください。
本機能を実行すると、SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイは、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの状態を確認したあとに安全なフェイルオーバーを試みますが、状態を確認できない場合は、SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイが強制的にActive状態になります。このとき、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがサーバに接続されていると、Primary/Secondaryストレージの両ストレージがActive状態となり、両系アクセスによるデータ破壊を起こす可能性があります。
Storage Clusterのオーバービュー画面に表示されるTFOグループの各ステータスの意味と対処方法は、以下のとおりです。
TFOグループの動作状態を示します。フェーズのステータスは、TFOグループの設定、フェイルオーバー/フェイルバックなどの操作、およびボリュームの同期状況などに応じて変化します。
ステータス | 意味と対処方法 |
---|---|
Initial | TFOグループが設定されていますが、ボリュームが割り当てられていない状態です。「9.4.1 導入」および「9.4.2 運用」を参照して、設定作業を続行してください。 |
Maintenance | TFOポートペアやボリューム間のコピーセッションが強制的に解除された状態です。以下の対処を実施してください。
TFOグループのフェーズが"Maintenance"状態のときにフェイルオーバー/フェイルバックを実行すると、データの整合性が失われる可能性があるので注意してください。 |
Copying | PrimaryストレージからSecondaryストレージへボリュームを同期処理中です。同期処理の完了を待ち合わせてください。 |
Normal | ボリュームの同期処理が完了していて、フェイルオーバーを実行できる状態です。 |
Failovered | フェイルオーバー完了直後の状態です。しばらくしてから更新してください。 |
Copying Back | Primaryストレージの復旧後、SecondaryストレージからPrimaryストレージへボリュームを同期処理中です。同期処理の完了を待ち合わせてください。 |
Failback Ready | Primaryストレージの復旧後、ボリュームの同期処理が完了していて、フェイルバックを実行できる状態です。 |
Failbacked | フェイルバック完了直後の状態です。しばらくしてから更新してください。 |
Failed | ETERNUS ディスクアレイがダウンしている。または、REC経路が切断されている状態です。フェイルオーバー/フェイルバックのシーケンス中で、このフェーズが表示された場合は、しばらくしてから更新してください。 |
Attention | Primary TFOグループとSecondary TFOグループでフェーズの不整合が発生しています。Primary/SecondaryストレージのそれぞれのTFOグループ詳細画面で[フェーズ]カラムの値を確認したあと、この表の各指示に従ってください。 |
Unknown | ネットワークの問題などによって、ステータスの更新に失敗しています。故障によって切り替えられたストレージは、必ずステータスの更新に失敗するため、"Unknown"となります。「9.4.2.2 TFOグループのステータス更新」を参照して、TFOグループのステータスを更新してください。 |
注1: Storage Clusterのオーバービュー画面だけに表示されます。
注2: "Unknown"ステータスは、すべてのカラムで共通の意味を示すため、以降のカラムでは説明を省略しています。
TFOグループが正常な状態か異常な状態かを示します。
ステータス | 意味と対処方法 |
---|---|
Halt | TFOグループが異常な状態です。「9.4.2.9.1 TFOグループの情報」の「Halt要因」を参照して、対処を実施してください。 |
Normal | TFOグループが正常な状態です。対処は不要です。 |
Disruption | Primary TFOグループとSecondary TFOグループで状態の不整合が発生しています。Primary/SecondaryストレージのそれぞれのTFOグループ詳細画面で[状態]カラムの値を確認したあと、この表の各指示に従ってください。 |
注: Storage Clusterのオーバービュー画面だけに表示されます。
そのストレージがサーバに接続中(運用側)か未接続(待機側)かを示します。
ステータス | 意味 |
---|---|
Active | そのストレージがサーバに接続中(運用側)であることを示します。 |
Standby | そのストレージがサーバに未接続(待機側)であることを示します。 |
TFOグループ詳細画面に表示される各ステータスの意味と対処方法は、以下のとおりです。
Storage Clusterのオーバービュー画面の[Active/Standby]カラムと同じステータスが表示されます。
「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」の「Active/Standby」を参照してください。
Storage Clusterのオーバービュー画面の[フェーズ]カラムと同じステータスが表示されます。
「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」の「フェーズ」を参照してください。
Storage Clusterのオーバービュー画面の[状態]カラムと同じステータスが表示されます。
「9.4.2.8 Storage Clusterのオーバービュー画面での状態確認」の「状態」を参照してください。
TFOグループが異常な状態のときに、その原因を示します。
ステータス | 意味と対処方法 |
---|---|
None | 正常な状態です。対処は不要です。 |
TFO Group Disconnected | 接続先装置との経路が閉塞している、または接続先装置が起動されていない状態です。経路閉塞の要因を取り除く、または接続先装置を起動してください。 |
Version Mismatch | 接続先装置がStorage Cluster機能をサポートしていないか、ファームウェアがStorage Clusterをサポートしていない版数です。ファームウェア版数が最新でない場合は、ファームウェアを更新してください。 |
TFO Group Setting Missing | 接続先装置のTFOグループの設定が存在しません。「9.4.1 導入」および「9.4.2 運用」を参照して、設定状況を見直すか、再設定してください。 |
TFO Group Setting Mismatch | Secondaryストレージの全RAポートでStorage Clusterのデータ転送が無効化されているか、接続元/先装置のTFOグループの設定に矛盾があります。以下のどちらかの対処を実施してください。 |
Monitoring Server Disconnected | Storage Clusterコントローラーへの経路が閉塞している、またはStorage Clusterコントローラーが起動されていない状態です。この状態はStorage Clusterコントローラーが設定されている場合だけ表示されます。以下のどちらの対処を実施してください。
|
注意
上記以外のステータスが表示されたときは、以下の操作を実行してください。
しばらくしてから「9.4.2.2 TFOグループのステータス更新」を実施する
問題が解決しない場合は、表示されたステータスを記録して、当社技術員(SE)に連絡してください。
TFOペアのセッション情報は、TFOグループ詳細画面の[ボリューム]タブに表示されます。各ステータスの意味と対処方法は、以下のとおりです。
ステータス | 意味と対処方法 |
---|---|
Active | ボリュームの同期は正常に動作中です。対処は不要です。 |
Error Suspend | エラーによって、ボリュームの同期が中断された状態です。「9.4.1 導入」および「9.4.2 運用」を参照して設定状況を見直すか、「9.4.3 保守」に記載されているケースのうち、該当するケースの手順に従って対処を実施してください。 |
Suspend | ボリュームの同期が中断中です。Standby側のストレージがダウンしている可能性があります。Standby側のストレージの状態を確認して、以下の対処を実施してください。
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Halt | ボリュームの同期が異常な状態です。「9.4.2.9.1 TFOグループの情報」の「Halt要因」を参照して、対処を実施してください。 |
ステータス | 意味と対処方法 |
---|---|
Copying | PrimaryストレージからSecondaryストレージへボリュームを同期処理中です。同期処理の完了を待ち合わせてください。 |
Equivalent |
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