レポーティング機能を用いた課金業務の実現にあたって、課金の方針を検討します。検討する要件の例は、以下のとおりです。
以下の要件を基に、レポーティング機能の各種設定と課金アプリケーションの作成を行います。
課金対象となるサーバの範囲
サーバ1台ごとに課金して請求書を送付
複数のサーバごとに課金して請求書を送付
課金を行う時間の単位
1時間単位に課金
1日単位に課金
料金の計算方法
ボリュームの単位容量ごとに単価を設定し、割当て容量と利用期間から計算
ボリュームに関する付加情報を基に割増/割引料金を設定
いつ、どの期間の請求書を作成するか
毎週月曜の午前3時に先週分の利用額を請求
毎月10日に先月分の利用額を請求
どのように請求書をセンター利用者に届けるか
利用額をメールで利用者に送付
集計結果を基に請求書を印刷して利用者に郵送
課金情報の収集や請求書の作成に失敗した場合にどうするか
ブザーを鳴らして警告
センター管理者にメールを送付して通知
ボリューム割当て期間の考え方
レポーティング機能は、定期的に収集した情報からボリューム割当て期間を算出するため、実際にセンター利用者が割り当てたボリューム割当て期間とレポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は異なります。基本的には、1つのボリュームの割当て期間は、サーバと接続してからサーバと切断するまでの期間とします。ただし、サーバと接続中のボリュームを構成する情報に変更があった場合は、別の新しいボリュームとして扱うため、この場合はボリュームが2つ出力されます(“ボリュームを構成する情報に変更”とは、「表8.2 要素が保持している属性」に書かれたHeader情報以外のどれかの要素に変更があった場合を指します)。ボリュームの構成ごとに出力することで、ボリュームの構成に応じた課金が可能です。
レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間の利用開始日時・利用終了日時の定義は、以下のとおりです。
利用開始日時
サーバ接続またはサーバ接続中のボリュームの構成情報が変更したあとに、情報収集コマンドが実行された日時です。
利用終了日時
サーバ切断またはボリュームの構成情報が変更したあとに、情報収集コマンドが実行された日時です。
1日ごとに情報収集コマンドを実行した場合の例は、以下のとおりです。
レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は、以下のとおりです。
VOL1
1/2の0:00から1/4の0:00まで(計2日間)
VOL2
1/3の0:00から1/4の0:00までと1/4の0:00から1/6の0:00まで(計3日間)
この例は、収集間隔を1日にしているため、最大で23時59分の誤差が発生します。情報収集間隔と誤差の関係は、「表8.1 収集間隔と収集される情報量による影響度」のとおりです。
情報収集間隔 | 蓄積情報量 | レポート情報に反映される時間のずれ |
---|---|---|
長い | 少ない | 大きい |
短い | 多い | 小さい |
レポート出力期間内のボリューム割当て期間の考え方
レポートファイルには、レポート出力期間内のレポーティングが認識するボリューム割当て期間を基にレポート情報を出力します。ユーザーがレポート作成時に指定するレポート出力期間とレポーティングが認識するボリューム割当て期間が重なった箇所が、レポートファイルに出力されるボリューム割当て期間となります。
レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は、4/8~4/22です。以下のレポート出力期間の場合のレポートファイルに出力されるボリューム割当て期間は、以下のとおりです。
番号 | レポート出力期間 | レポートファイルに出力される | 備考 |
---|---|---|---|
1) | 4/1~4/7 | なし | レポート出力期間がボリューム割当て期間から外れているため |
2) | 4/10~5/10 | 4/10~4/22 | - |
3) | 4/1~5/1 | 4/8~4/22 | - |
レポート作成コマンドは、あらかじめポリシーで設定された保存期間を基に、その期間を越えた古い情報を情報蓄積ファイルから削除します。
まず、レポート情報をどのくらい保存しておくかを決定します。レポート情報の保存期間は以下の要因を基に決定します。
運用の目的から考えられる制約
内部統制による保存期間
情報蓄積ファイルのバックアップ間隔
レポート作成間隔
情報収集間隔など
想定するストレージシステムの構成を基にした、情報蓄積ファイルの容量の見積り
情報蓄積ファイルの容量の見積りは、『導入ガイド』を参照してください。
決定した保存期間は、ポリシーファイルに設定することで有効となります。
参照
保存期間の設定方法は、「8.3.2.2 ポリシーの設定」を参照してください。
注意
レポート情報の削除は、レポート作成コマンドの実行時に、ポリシーに設定された保存期間を基に削除します。そのため、情報蓄積ファイルのレポート情報が保存期間を過ぎてもレポート作成コマンドを実行しなければ、レポート情報は削除されません。