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Interstage Shunsaku Data Manager V9.0.6 アプリケーション開発ガイド
FUJITSU Software

12.5.2 XML変換機能を用いたアプリケーションの処理手順

XML変換機能を用いたアプリケーションは、以下の流れで処理を行います。
各クラスおよびメソッドの詳細については、“付録K XML変換機能のAPI”を参照してください。

注意

変換データ量が多い場合には、Java実行環境のヒープ領域が不足する場合があります。その場合には、Java実行環境のヒープサイズを大きくすることで回避できます。

Java実行環境のヒープサイズは、Javaコマンドのオプションで指定することにより変更できます。
Javaコマンドの実行例を以下に示します。

Javaアプリケーション(AppClass)のJavaヒープサイズの最大サイズを256MBに設定する場合

Java -Xmx256m AppClass

12.5.2.1 データベースからXML文書に変換する場合の処理手順

データベースからXML文書に変換する場合の処理手順を、以下に示します。



  1. データベースへの接続
    データベースへの接続要求を行い、接続を確立します。


  2. ResultSetオブジェクトの作成
    SQLによりデータベース検索を行い、ResultSetオブジェクトを取得します。

    注意

    XML変換機能は、スクロール可能なResultSetオブジェクトを対象としています。
    JDBCで、Statementオブジェクトを作成する場合、ResultSetクラスの定数にTYPE_FORWORD_ONLYを指定すると、XML変換機能はResultSetにデータがない旨のエラーを出力します。
    この場合、TYPE_SCROLL_SENSITIVEまたはTYPE_SCROLL_INSENSITIVEを指定してください。

  3. GeneratorMapオブジェクトの作成
    マッピングルールファイルを指定し、GeneratorMapオブジェクトを作成します。


  4. XMLGeneratorオブジェクトの作成
    XMLGeneratorオブジェクトを作成します。


  5. DocumentFountainオブジェクトの作成
    XMLGeneratorオブジェクトの文書生成メソッドcreateDocumentFountain()を呼び出します。その際、引数として、ResultSetオブジェクトおよびGeneratorMapオブジェクトのほかに、出力形式および出力形式に応じた必要な情報を指定します。その結果、DocumentFountainオブジェクトが生成され、アプリケーションに返却されます。
    なお、DocumentFountainオブジェクトから取り出すXML文書の出力形式は、この時点で決定されます。


  6. 出力時の文字コードの設定
    アプリケーションから、DocumentFountainオブジェクトの文字コードの設定メソッドsetEncoding()を呼び出し、生成されるXML文書の文字コードを指定します。
    文字コードを指定しない場合は、“UTF-8”が指定されたとみなします。


  7. XML文書の出力
    DocumentFountainオブジェクトの文書取出しメソッドgetXMLDocument()を呼び出し、以下のいずれかの形式でXML文書を受け取ります。

    • String

    • Stream

    • ファイル

    • DOMツリー

    • SAX


なお、1つのResultSetオブジェクトから複数のXML文書を生成する場合は、文書取出しメソッドgetXMLDocument()を複数回呼び出すことで、順にXML文書が生成され、アプリケーションに返却されます。


12.5.2.2 CSVファイルからXML文書に変換する場合の処理手順

CSVファイルからXML文書に変換する場合の処理手順を、以下に示します。



  1. CSVSourceオブジェクトの作成
    指定されたCSVファイル名から、CSVSourceオブジェクトを作成します。


  2. CSVファイル情報の設定
    作成したCSVSourceオブジェクトに対して、以下の設定を行います。


    1. 文字コードの設定
      設定内容に基づいてCSVファイルを読み込み、読み込まれたCSVファイルの内容をString型に変換します。
      文字コードを指定しない場合は、システムのデフォルトエンコーディングが指定されたとみなします。


    2. 区切り文字の設定
      CSVファイル内で使用される区切り文字を設定します。
      カンマ(,)、タブ(\t)、空白( )を指定可能です。
      デフォルトは、カンマ(,)です。


    3. 引用符文字の設定
      CSVファイル内で使用される引用符文字を設定します。
      単一引用符(\’)、二重引用符(\”)を指定可能です。
      デフォルトは、引用符文字は設定されません。


    4. 区切り文字、引用符文字、「\」のデータ記述方法の設定
      区切り文字、引用符文字、「\」をデータとして記述する方法を設定します。
      デフォルトは、各文字の前に「\」を付加する方法です。


    5. null表現の文字を設定
      CSVファイル内で使用されるnull値を表現する文字を設定します。
      空白文字以外の表示可能な文字列を指定可能です。
      デフォルトは、空文字("")です。


    6. 列名の設定
      CSVファイル内の1行目を列名とするか否かを設定します。
      デフォルトは、「列名としない」です。


    7. データ保持方法の設定
      CSVResultSet内でのデータ保持方法を設定します。
      保持方法は以下の2種類のいずれかから選択します。

      • シーケンシャルに読み込む
        メモリ消費が少ないが、処理性能が悪い場合があります。

      • メモリ上に展開する
        処理性能が良いが、メモリを多く消費する場合があります。

      デフォルトは、「シーケンシャルに読み込む」です。


  3. CSVResultSetオブジェクトの作成
    作成したCSVSourceオブジェクトから、CSVResultSetを取得します。


  4. GeneratorMapオブジェクトの作成
    マッピングルールファイルを指定し、GeneratorMapオブジェクトを作成します。


  5. XMLGeneratorオブジェクトの作成
    XMLGeneratorオブジェクトを作成します。


  6. DocumentFountainオブジェクトの作成
    XMLGeneratorオブジェクトの文書生成メソッドcreateDocumentFountain()を呼び出します。その際、引数として、ResultSetオブジェクトおよびGeneratorMapオブジェクトのほかに、出力形式および出力形式に応じた必要な情報を指定します。その結果、DocumentFountainオブジェクトが生成され、アプリケーションに返却されます。
    なお、DocumentFountainオブジェクトから取り出すXML文書の出力形式は、この時点で決定されます。


  7. 出力時の文字コードの設定
    アプリケーションから、DocumentFountainオブジェクトの文字コードの設定メソッドsetEncoding()を呼び出し、生成されるXML文書の文字コードを指定します。
    文字コードを指定しない場合は、“UTF-8”が指定されたとみなします。


  8. XML文書の出力
    DocumentFountainオブジェクトの文書取出しメソッドgetXMLDocument()を呼び出し、以下のいずれかの形式でXML文書を受け取ります。

    • String

    • Stream

    • ファイル

    • DOMツリー

    • SAX


なお、1つのResultSetオブジェクトから複数のXML文書を生成する場合は、文書取出しメソッドgetXMLDocument()を複数回呼び出すことで、順にXML文書が生成され、アプリケーションに返却されます。

注意

CSVファイルに格納されているデータについて

XML変換機能の対応するCSV形式については、“12.8 XML変換機能の対応するCSV形式”を参照してください。