サーバ負荷分散装置を介して富士通メインフレームと接続する場合に、必要となるサーバ負荷分散装置の機能の概要を説明します。サーバ負荷分散装置の機能の詳細は、使用するサーバ負荷分散装置のマニュアルを参照してください。
ネットワーク接続に関する機能
以下の機能を使用して、富士通メインフレームと接続することができます。
レイヤ2中継機能
レイヤ2(データリンク層)での中継機能です。ブリッジ機能やVLAN(Virtual LAN)機能を利用できます。富士通メインフレームとNETSTAGE/FICを同一ネットワークアドレスで接続する場合に使用します。
レイヤ3中継機能
レイヤ3(ネットワーク層)での中継機能です。富士通メインフレームとNETSTAGE/FICを異なるネットワークアドレスで接続する場合に使用します。
サーバ負荷分散装置を設置する場合、通過型で配置します。サーバ負荷分散装置を介した富士通メインフレームとの接続構成を図1.2に示します。
図1.2 サーバ負荷分散装置を介した富士通メインフレームとの接続
振分け方式
以下の負荷分散方式を使用して、セション振分けを行うことができます。
ラウンドロビン
分散対象の富士通メインフレームに対して、富士通メインフレームの負荷に関係なく、各富士通メインフレームに順番にTCPコネクションを振り分けます。
振分け比率(静的な重み付け)
分散対象の富士通メインフレームに対して、管理者があらかじめ指定した重み付けに従い、TCPコネクションを振り分けます。たとえば、2台の富士通メインフレームにおいて、一方の富士通メインフレームに「30」、他方の富士通メインフレームに「70」の重み付けを指定した場合は、3対7の比率でTCPコネクションを振り分けます。
最小コネクション数
分散対象の富士通メインフレームが処理しているTCPコネクション数に基づいて、TCPコネクション数が少ない富士通メインフレームに振り分けます。
振分け条件
サーバ負荷分散装置において、以下の条件を設定してセション振分けを制御することができます。
アクセス制限(最大コネクション数)
無制限に端末からの接続を受け入れてしまうと、分散対象の富士通メインフレームに過大な負荷を与えることになります。富士通メインフレームへの接続数を制限することで、分散対象の富士通メインフレームの安定的な運用ができます。
クライアントの関連づけ
送信元IPアドレスまたはサブネットワーク番号を、負荷分散条件として設定できます。
運用機能
以下の機能を使用して、システムの運用を制御することができます。
サーバ保守機能
サーバ負荷分散装置のサーバ保守機能を利用して、分散対象の富士通メインフレームへのセション振分けの振分け抑止、抑止解除を制御することができます。たとえば、分散対象の富士通メインフレームを保守状態にすることで、該当する富士通メインフレームへのセション振分けを抑止できます。
バックアップ・サーバ機能
稼動中の分散対象の富士通メインフレームが故障または高負荷状態になると、予備であるバックアップ・サーバを組み込んで動作させることができます。本機能を使用して富士通メインフレームのホットスタンバイに対応することができます。