Webサーバコネクタの故障監視を使用する場合には、故障監視機能の設定が必要です。
注意
故障監視機能は、以下の製品で使用可能です。
Interstage Application Server Enterprise Edition
Interstage Application Server Standard-J Edition
Interstage Application Server Enterprise Edition同梱のWeb Package
(Standard-J Edition同梱のWeb Packageでは、本機能は使用できません。)
64bit版の製品では、Web Packageを提供していません。
故障監視機能は、監視対象のIJServerクラスタがWebサーバとは別マシンにある場合だけ使用できます。
設定項目
以下の設定項目があります。
項目名 | 意味 |
---|---|
故障監視方式 | 以下のいずれかの監視方法を選択します。
|
故障監視間隔 | ping監視またはポート監視による稼働状況の監視を実施する間隔を設定します。 |
応答待ち時間 | IJServerクラスタを運用しているサーバマシンにpingまたはconnectを発行してから、応答が返るまでの待ち時間を設定します。 |
故障時のリトライ回数 | IJServerクラスタを運用しているサーバマシンにpingまたはconnectを発行してから、応答待ち時間を超えても応答がなかった場合のリトライ回数を設定します。 |
起動待ち時間 | Webサーバコネクタ起動時に、故障監視機能が未起動の場合、故障監視機能の起動待ちをする時間を設定します。 |
運用準備
故障監視機能を使用する場合、wscadminコマンドのupdate-fault-monitor-configサブコマンドで設定をします。
例
故障監視を行うWebサーバ名がFJapache、故障監視方式にpingを指定する場合
C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin update-fault-monitor-config --method ping --target FJapache
/opt/FJSVwsc/bin/wscadmin update-fault-monitor-config --method ping --target FJapache
稼働状況の表示
Webサーバを運用しているサーバマシンで、以下のコマンドを使用することにより、分散先のIJServerクラスタの稼働状況を表示できます。コマンドの詳細は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「J2EE運用コマンド」-「svmondspstat」を参照してください。
svmondspstat
留意点
故障監視機能を使用する場合、下記の留意点があります。
以下のすべてのIJServerクラスタを、故障監視設定で設定した条件で監視します。IJServerクラスタごとに別条件で監視を行うことはできません。
Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server2.2用)の分散先
wscadmin --add-instance-refサブコマンドで設定
Webサーバを運用しているサーバマシンとIJServerクラスタマシンの間にファイアウォールを設置する場合、ファイアウォールで、Webサーバを運用しているサーバマシンのIPアドレスから分散先のIJServerクラスタマシンのIPアドレス宛てにpingの通過を許可する設定を行う必要があります。
Webサーバを運用しているサーバマシンとIJServerクラスタマシンの間の経路に設置されたネットワーク機器の高負荷などによってpingまたはconnectの応答の遅延やロストが発生すると、IJServerクラスタが実際には稼働状態であっても故障と判定されてしまう場合があります。WebサーバとIJServerクラスタマシンの経路の状態に沿って、「応答待ち時間」や「故障時のリトライ回数」に適切な値を設定してください。
Webサーバを運用しているサーバマシンとIJServerクラスタを運用しているサーバマシンの間にIPCOMを設置して負荷分散を行う場合、本機能を使用することはできません。
故障監視機能を有効にした場合や故障監視機能の設定変更を行った場合、Webサーバを起動または再起動した時点で設定変更された内容で振り分け先の故障監視を開始します。
また、設定変更後に、Webサーバの再起動を行わない場合、クライアントからの最初のアクセスが発生した時点で、設定変更された内容で振り分け先の故障監視を開始します。
Webサーバの起動直後から、故障監視機能によって故障と判定されるまでの間、故障中の振り分け先にリクエストが振り分けられてしまうことがあります。
振り分け先の状態の取得開始から、故障と判定されるまでの時間は、「応答待ち時間×故障時のリトライ回数」です。
故障監視機能を有効にした後や故障監視機能の設定変更を行った後、Webサーバの再起動を行わなかった場合、クライアントからの最初のアクセスが発生した時点で振り分け先が故障していても、故障監視機能によって故障と判定されるまでの間、故障中の振り分け先にリクエストが振り分けられてしまうことがあります。
振り分け先の状態の取得開始から、故障と判定されるまでの時間は、「応答待ち時間×故障時のリトライ回数」です。
実際に振り分け先が故障してから、故障監視機能によって故障と判定されるまでの間、故障中の振り分け先にリクエストが振り分けられてしまうことがあります。
実際に振り分け先が故障してから、故障と判定されるまでの時間は、「故障監視間隔+応答待ち時間×故障監視のリトライ回数」以内です。
実際に振り分け先が故障してから、故障監視機能によって故障と判定されるまでの間に、故障中の振り分け先にリクエストが振り分けられた場合、そのリクエストについては、応答が1分程度以上遅延するか、またはWebブラウザから「500 Internal Server Error」のステータスコードやエラーメッセージが通知されます。
この場合、故障検出が行われた後に再度アクセスすることにより、稼働中の振り分け先にリクエストが振り分けられます。
故障中の振り分け先が復旧してから、故障監視機能によって復旧と判断されるまでの間は、復旧した振り分け先にリクエストは振り分けられません。
実際に振り分け先が復旧してから、復旧と判定されるまでの時間は、「故障監視間隔」以内です。
故障しているサーバが存在する状態で、故障監視する設定を行うか、または故障監視条件を変更するか、または監視対象のサーバを動的に追加した場合、故障していたサーバの復旧時に、いったん故障検出のメッセージが出力され、すぐに復旧検出のメッセージが表示される場合があります。