切替えには、管理対象サーバの異常を検出して自動的に切替えを行う自動リカバリと、ユーザーの操作によって切り替える手動切替えがあります。
自動リカバリまたは手動切替えを使用して切替えが行われた場合、切戻しまたは継続の操作を行ってください。
詳細は、「4.3 切替え後の操作」を参照してください。
利用できるサーバ切替え方式は、管理対象サーバのハードウェア環境によって異なります。
詳細は、「解説書」の「6.2.1 エディション共通」の「エージェントで利用できる機能」を参照してください。
注意
予備サーバにサーバOSが動作している構成で、運用サーバと予備サーバのブート形式が異なる場合、サーバ切替えに失敗し、運用サーバのOSが破損する危険性があります。ブート形式は必ず合わせてください。
サーバ切替え/切戻しでは、2台の同一サーバが同時に起動することによってOSが破損するなどの危険性があります。
これを防ぐために、切替え元/切戻し元のサーバをシャットダウンしたあと、電源がOFFになっていることを確認します。この処理には、以下のサーバ管理装置が動作している必要があります。
サーバ切替えの場合
切替え先サーバを管理するサーバ管理装置
切替え元サーバを管理するサーバ管理装置
サーバの切戻しの場合
切戻し先サーバを管理するサーバ管理装置
切戻し元サーバを管理するサーバ管理装置
サーバ切替え中には、サーバの再起動や構成変更によるSNMP Trapが発生し、イベントログに表示されることがあります。
詳細は、「メッセージ集」の「第1部 Virtual EditionおよびCloud Editionで表示されるメッセージ」を参照してください。
バックアップ・リストアによる予備サーバへの切替え中や、切替えが行われた状態では、切替え元のサーバ(運用サーバ)を起動しないでください。
切替え元(運用サーバ)と切替え先(予備サーバ)の2台のサーバは、同じシステムイメージで動作します。2台が同時に起動していると、IPアドレスなどの情報が重複し、切替え先のサーバ(予備サーバ)の動作に影響を与える可能性があります。
保守作業などで電源をONにする場合、予備サーバの電源をOFFにしてから行うか、運用サーバの起動をBIOS画面で停止させるなどの方法で、運用サーバと予備サーバが同じシステムイメージを持ったディスクから起動しないようにしてください。
PRIMERGY BXシリーズの場合、サーバ切替え後、運用サーバのメンテナンスLEDは自動的にONになります。
予備サーバが起動している状態でサーバを切り替えたとき、予備サーバの電源はOFFになります。
予備サーバの電源をシャットダウン後、15分以内に電源がOFFにならない場合、予備サーバの電源は強制OFFされます。
内蔵ディスクブート+SANデータ構成のサーバにおいてバックアップ・リストア方式のサーバ切替えを行う場合、運用サーバ・予備サーバ双方へイメージ操作対象ディスクを設定してください。
イメージ操作対象ディスクを設定せずに切替えが行われた場合、意図しないディスクに対してデータが上書きされる可能性があります。
詳細は、「操作ガイド VE」の「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。
サーバ切替え/切戻しが失敗した場合、メッセージ表示後に自動復旧処理(ロールバック)が実行されます。このため、しばらく待ってからサーバ切替え/切戻しが失敗したサーバを操作してください。
【VMware】【Hyper-V】
VMホストの予備サーバに切り替えたとき、予備サーバのVMホストはVMメンテナンスモードに設定されます。
【OVM for SPARC】
OVM for SPARC環境の場合、サーバ切替え時に使用したOVM構成情報のXMLファイルが以下に保存されます。必要に応じて削除してください。
【制御ドメイン】
/etc/opt/FJSVrcvat/config
ovm_config年月日時分秒.xml
ファイル末尾の年月日時分秒はUTCになります。
サーバ切替え前に、ドメイン構成情報のXMLファイルを制御ドメインに保存していない場合、サーバ切替え後にドメイン構成の復元ができません。その場合、ドメイン構成の再構築が必要です。
運用サーバだけでなく、OVM for SPARCとして利用している予備サーバについても同様です。
OVM構成情報のXMLファイルの保存については、「操作ガイド VE」の「18.5.4 OVM構成情報のXMLファイル」を参照してください。
自動リカバリ
PRIMERGY BXシリーズ
サーバ切替えの設定で自動リカバリを行う設定にすると、運用サーバの状態が"error"または"fatal"となり、かつ、OSが動作していないと判断されたときに、自動的に予備サーバへの切替えが行われます。
ラックマウント型サーバ、タワー型サーバおよびSPARC Enterprise、およびSPARC M10/M12
サーバ切替えの設定で自動リカバリを行う設定にすると、"Error"レベルのSNMPトラップを受信し、かつ、OSが動作していないと判断されたときに、自動的に予備サーバへの切替えが行われます。
OS停止の判断基準については、「導入ガイド VE」の「9.4 自動リカバリの発生条件」を参照してください。
手動切替え
以下の手順で、運用サーバから予備サーバへの切替えを手動で行えます。
手動切替えは、切替えが正しく動作することの確認や、独自の判断で切替えを行いたい場合に利用します。
サーバ切替えの条件については、「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」の「サーバ切替えの条件」を参照してください。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、切替えを行う物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[切替え]を選択します。
[サーバの切替え]ダイアログが表示されます。
切替え先サーバを選択します。
"自動割当て"を選択した場合、切替え先サーバが自動的に選択されます。
[OK]ボタンをクリックします。
サーバ切替えの設定が開始されます。処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。運用中のサーバが停止し、物理OSやVMホストが予備サーバ上で起動されます。バックアップ・リストア方式の場合、進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
注意
サーバ切替え/切戻しをキャンセルした場合、切替え元/切戻し元サーバの電源はOFFになっています。継続して運用する場合は電源をONにしてください。サーバ切替え/切戻しをキャンセルした場合、切替え先/切戻し先の内蔵ディスクに、切替え元/切戻し元のサーバとIPアドレスなどの情報が重複したOSイメージが残ることがあります。
参考
手動切替えを行う場合、運用サーバの状態に関係なく、切替え操作を行えます。
自動リカバリまたは手動切替えで"自動割当て"を選択した場合、以下の優先順位で有効な予備サーバが選択されます。
何も設定されていない物理サーバ
HBA address rename情報またはプロファイルが設定されている物理サーバ
エージェントを登録している物理サーバ
また、それぞれの物理サーバ名について、以下の優先順位で有効な予備サーバが選択されます。
"-"
数字
大文字英字
小文字英字