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Interstage Navigator ServerV9.5.0 セットアップガイド Vol.1(Enterprise Edition用)
FUJITSU Software

16.2.2 Navigatorのアクセス制御機能

Navigatorのそれぞれのアクセス制御機能について説明します。

16.2.2.1 データの参照できる範囲を制御する

Navigatorでは、「データの非公開/公開」機能、「テーブルの公開条件」機能によって、権限を設定して、閲覧できるデータを制御することができます。

適切に閲覧権限を設定しておくことで、不正な情報取得による被害の拡大を防ぐことができます。

扱う情報は、すべての人がすべての情報を必要としているわけではないため、業務内容によって、必要な情報を必要なグループに閲覧可能にし、不要な情報は、閲覧を制限するようにしてください。

データの非公開/公開は、以下のレベルで設定できます。

テーブルの公開条件は、以下のレベルで設定できます。

16.2.2.2 Navigator Serverへのアクセスを制御する

Navigatorは、OS認証、エンタープライズ認証により、Navigator Serverへの接続に認証が必要になっていますが、さらに、IPアドレスによるログオン規制機能を利用することにより、IPアドレスでNavigator Serverへの接続を制御することができます。

IPアドレスによるログオン規制は、Navigator Serverへログオン(接続)できるPCと利用者を限定する機能です。これにより、Navigatorの不正利用を防ぐなどの効果があります。

IPアドレスによるログオン規制をした運用

IPアドレスによるログオン規制機能を使用することにより、以下のような運用ができます。

ポイント

操作できる場所を限定する

以下の図のように、入退室を管理できる部屋を用意して、IPアドレスによるログオン規制機能を利用すると、操作できる場所を限定することができ、セキュリティがより強固になります。

IPアドレスによるログオン規制の注意事項

16.2.2.3 Navigatorが保持している重要ファイルを保護する(UNIXの場合)

Navigator Serverには、辞書ディレクトリなどのユーザ情報が記録されているファイルが格納されています。

データ監査、接続情報ログなどの設定を行うと、抽出データや操作情報などの重要であるデータが、サーバ上に出力されます。

UNIXの場合、これらの情報をtelnetによるアクセスによって、不正に取得されると、情報漏洩などの問題に発展する恐れがあります。そのため、重要な資源は、外部からの不正な参照から保護する必要があります。ここでは、その保護するべき資源と保護するための設定方法を説明します

辞書ディレクトリ、ログファイルなどの保護

ここでは、Navigator Serverの専用実効ユーザを利用して、以下の重要な資源を保護する方法を説明します。

「専用実効ユーザ」とは、UNIX版のNavigator Serverで、実効プロセスを運用できる固定のユーザを指します。

保護すべき資源

説明

辞書ディレクトリ

認証タイプ設定ファイルに設定した辞書ディレクトリ

作業ファイル用ディレクトリ

環境設定ファイルに設定した環境変数RN_WORKDIRのディレクトリ、および環境設定ファイルに設定した環境変数TMPDIRのディレクトリ

辞書の退避情報用ディレクトリ

環境設定ファイルに環境変数RN_BACKUP_DIRECTORYの指定がある場合に必要

接続情報ログ

環境設定ファイルに環境変数RN_LOG_CONNECTINFOの指定がある場合に必要

アクセスログ

環境設定ファイルに環境変数RN_LOG_DBACCESSの指定がある場合に必要

認証ログ

認証タイプ設定ファイルに記述した認証ログディレクトリ

問い合わせ操作情報ログ

データ監査機能を利用している場合に出力されるログファイル。

環境設定ファイルに環境変数RN_LOG_AUDIT=YESと指定し、RN_LOG_AUDIT_DIRECTORYに指定がある場合に必要

抽出データログ

データ監査機能を利用している場合に出力されるログファイル。

環境設定ファイルに環境変数RN_LOG_AUDIT=YESと、RN_LOG_AUDIT_DIRECTORYに指定がある場合に必要

XML辞書ファイル

環境変数RN_SHUNSAKU_META_DIRの指定がある場合に必要

キューブ生成先ディレクトリ

PowerPlayへのデータマート出力を行う場合に必要

リソース出力先ディレクトリ

PowerPlay、またはShunsakuへのデータマート出力を行う場合に必要

CSVファイル出力先ディレクトリ

環境設定ファイルに環境変数RN_MART_CSVPATHの指定がある場合に必要

専用実効ユーザで資源を保護した場合のイメージ図を以下に示します。

マートバッチで利用するファイルの保護

マートバッチの実行時に使用するマートバッチ定義ファイルやマートバッチ接続設定ファイルには、ユーザ名やパスワードなどの重要な情報が記述されています。そのため、これらのファイルも外部からの不正なアクセスに対して、保護する必要があります。

16.2.2.4 一定時間利用がないユーザを自動切断する

権限のあるユーザIDでサーバと接続し、作業が終了してからサーバを切断せずに席から離れた場合、権限を持たないユーザに、そのユーザIDを利用される危険があります。

このような利用をされないためには、ユーザ管理機能のアイドル監視機能を使用して、利用していないPCからの接続を自動的に切断する設定を推奨します。

注意

  • アイドル監視は、利用者の不注意で切断しなかった場合を考慮した機能です。利用者側には、離席する場合、「Navigator Serverから切断する」、「PCのパスワードロックを設定する」などのセキュリティへの配慮を指導してください。