ページの先頭行へ戻る
Interstage Navigator ServerV9.5.0 セットアップガイド Vol.1(Enterprise Edition用)
FUJITSU Software

1.2.6 データモデル

Navigatorは、管理ポイントの概念導入と集計エンジンをサーバに配置することによって、SQLではできない、または複雑になる集計・加工処理が、簡単な操作でできることを特長としています。

集計加工処理ができるパターンには以下があります。

スタースキーマ型

データモデルの基本型です。実データテーブル(売上実績など)に、いくつかのマスタテーブル(製品マスタや営業所マスタなど)が、結合されるパターンです。

問い合わせレイアウトのデータ欄に「売上高」を、表側に「製品名」と「営業所名」を貼り付けます。

「製品」・「営業所」ごとの「売上高」が集計・加工されます。

拡張スタースキーマ型

スタースキーマ型の変形です。スタースキーマ型との違いは、以下の場合に結合関係が設定できることです。

問い合わせレイアウトのデータ欄に「売上高」と「値引額」を、表側に「製品シリーズ」を貼り付けます。

「製品シリーズ」ごとの「売上高」と「値引額」が集計・加工されます。

予算・実績型

予算(製品シリーズ別の売上目標など)と実績(製品ごとの売上実績など)が別のテーブルにある場合は、単純な結合処理では正しい結果が得られません。複数のテーブルのデータに、共通の管理ポイント(製品シリーズなど)を適用して集計・加工し、その結果をマージします。

問い合わせレイアウトのデータ欄に「予算」の「売上目標」と「実績」の「売上高」を、表側に「製品シリーズ」を貼り付けます。

まず、「売上目標」が「製品シリーズ」ごとに集計されます。次に、「売上実績」が「製品シリーズ」ごとに集計・加工されます。最後に、「製品シリーズ」ごとの「売上目標」と「売上高」が、1つの表としてマージされます。

付帯情報型

取引先マスタに前年度取引額や所在地がある場合は、単純な結合では前年度取引額が結合集計処理されるため、正しい結果が得られません。マスタテーブルに配置された付帯情報(前年度取引額や所在地など)は、集計・加工の対象から除外し、その結果に付帯情報をマージする方式を採用しています。

問い合わせレイアウトのデータ欄に「売上高」、「前年度取引額」と「所在地」を、表側に「取引先名」を貼り付けます。

「売上高」を「取引先」ごとに集計・加工したのち、その結果に「前年取引額」と「所在地」が1つの表としてマージされます。

マルチタイムイベント型

1つの実データテーブルに受注情報(受注日と受注金額)と売上情報(売上日と売上金額)が配置されている場合、集計・加工の対象によって、時間を使い分ける必要があります。実データテーブルに複数の時間項目があり、その特定ができない場合は、どの時間項目を採用するかを、利用者に問い合わせる方式を採用しています。

問い合わせレイアウトのデータ欄に「売上高」を、表側に「年度」を貼り付けます。

[OK]ボタンを押すと、時間項目に「受注日」と「売上日」のいずれを適用するかの問い合わせがあります。「売上日」を選択します。

「売上高」が「売上日」をもとにした「年度」ごとに集計・加工されます。

利用頻度が少ないパターンです。「受注日」と「売上日」の両方で集計・加工することができます。

重複結合型

重複結合型は、マスタテーブルの1つの項目が、実データテーブルの複数の項目と結合されるパターンです。

人事マスタの「従業員ID」の項目が、実データテーブルの「担当者ID」と「担当管理職ID」で結合されます。