PRIMECLUSTERのクラスタ構築の手順は以下のようになります。
ここでは、PRIMECLUSTERのクラスタ初期設定について説明します。
各設定方法の詳細は以下を参照してください。
内容 | マニュアル参照箇所 ※ | |
---|---|---|
1 | 1. CF、CIPの初期設定(クラスタ構成情報とIPアドレスの設定) | CF 1.1 CF、CIP、およびCIMの構成設定 |
2 | CF 7 シャットダウン機構 (SF) | |
3 | CF 3.1 リソースデータベースの設定 |
※PRIMECLUSTERのマニュアル名は、以下のように略しています。
CF :PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書
1. CF、CIPの初期設定
“5.1.1 CF、CIPの設定”を参照し、CF、CIPの設定を行ってください。
2. シャットダウン機構の設定
RHOSP環境では、SA_vmosrシャットダウンエージェントのみ設定可能です。
ここでは、SA_vmosrシャットダウンエージェントをシャットダウン機構に設定する方法について説明します。
生存優先度については、“5.1.2.1 生存優先度 ”を参照してください。
注意
シャットダウンエージェント設定後は、正しいノードが強制停止できることを確認するため、クラスタノード強制停止テストを実施してください。クラスタノード強制停止テストの詳細については、“1.4 テスト”を参照してください。
SA_vmosr.cfg、rcsd.cfgファイルの内容はすべてのノードで同一にしてください。同一でない場合誤動作します。
“I.2.2.1 強制停止用ユーザの作成”で作成したユーザのパスワードを変更した場合、新しいパスワードで再度本手順を実行してください。
下記の操作はすべてのノードで実行してください。
シャットダウンデーモンの設定
クラスタシステムを構成するすべてのノードで、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを以下のような内容で作成します。
CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_vmosr,timeout=125 CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_vmosr,timeout=125
CFNameX :クラスタホストのCFノード名を指定します。 weight :SFのノードの重みを指定します。 myadmIP :クラスタホストのシャットダウン機構で使用する管理LANのIPアドレスを指定します。 指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスです。 ホスト名を指定する場合は、/etc/hostsに記載されていることを確認してください。 timeout :SA_vmosrシャットダウンエージェントのタイムアウト時間(秒)を指定します。 125秒を設定します。
例)
# cat /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg
node1,weight=1,admIP=192.168.1.1:agent=SA_vmosr,timeout=125
node2,weight=1,admIP=192.168.1.2:agent=SA_vmosr,timeout=125
/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを作成後、オーナー、グループ、アクセス権を以下のように設定します。
# chown root:root /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg # chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg
パスワードの暗号化
sfcipherコマンドを実行し、RHOSPのインスタンス制御用のユーザのパスワードを暗号化します。sfcipherコマンドの使用法については、sfcipherのマニュアルページを参照してください。
# sfcipher -c
例)
パスワードが“rhospadmin$”の場合
# sfcipher -c
Enter Password: ←rhospadmin$を入力
Re-Enter Password:←rhospadmin$を入力
RpM9gPEcc3n1Mm3fVr77Ig==
シャットダウンエージェントの設定
クラスタシステムを構成するすべてのノードで、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfgを以下のような内容で作成します。
項目の間は半角スペースで区切ってください。
CFNameX InstanceName user passwd CFNameX InstanceName user passwd
CFNameX :クラスタホストのCFノード名を指定します。 InstanceName :クラスタホストが動作しているRHOSPのインスタンス名を指定します。 user : RHOSPのインスタンス制御用のユーザ名を指定します。 passwd : 手順2.で暗号化したパスワードを指定します。
例)
クラスタホストのCFノード名がnode1/node2、インスタンス名がinstance1/ instance2、インスタンス制御用のユーザ名がpclの場合
# cat /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfg node1 instance1 pcl RpM9gPEcc3n1Mm3fVr77Ig== node2 instance2 pcl RpM9gPEcc3n1Mm3fVr77Ig==
/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfgを作成後、オーナー、グループ、アクセス権を以下のように設定します。
# chown root:root /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfg # chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfg
注意
/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfgファイルの設定内容が正しいか確認してください。設定内容に誤りがあった場合、シャットダウン機構が正常に動作できなくなります。
/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfgファイルのクラスタホストのCFノード名(CFNameX)に対応した、インスタンス名(InstanceName)が設定されているか確認してください。設定に誤りがあった場合、誤ったノードが強制停止されることがあります。
シャットダウン機構の起動
全ノードでシャットダウン機構を起動または再起動します。
全ノードでシャットダウン機構が起動済みか確認してください。
# sdtool -s
シャットダウン機構が起動済みの場合、全ノードで以下を実行してシャットダウン機構を再起動してください。
# sdtool -e
# sdtool -b
シャットダウン機構が起動していない場合、全ノードで以下を実行してシャットダウン機構を起動してください。
# sdtool -b
シャットダウン機構の状態確認
全ノードでシャットダウン機構の状態がInitWorkedおよびTestWorkedになっていることを確認してください。
# sdtool -s
注意
“The RCSD is not running”と表示された場合、シャットダウンデーモンの設定、またはシャットダウンエージェントの設定に誤りがあります。手順1.~4.を再実施してください。
“I.2.2.4 クラスタノード用仮想マシンの作成”で作成した仮想マシン名を変更した場合、再度手順3.~5.を実行してください。
参考
sdtool -s コマンドの表示結果について
Init StateがUnknown、Init-ingと表示された場合、1分ほど待ってから、再度確認してください。
停止状態または初期状態にUnknown と表示された場合は、SF がノードの停止、経路のテスト、SA の初期化をまだ行っていないことを表しています。テスト状態および初期状態には、実際の状態が確認されるまで一時的にUnknown が表示されます。
テスト状態にTestFailed と表示された場合は、クラスタホスト欄に表示されたノードを停止できるかどうかをエージェントがテストしている間に問題が発生したことを示しています。このような場合には、そのエージェントが使用しているソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク資源に何らかの問題が生じていることが考えられます。
Init State がInitFailed と表示された場合、RHOSPのIdentity サービスまたはCompute サービスのエンドポイントと通信できないか、設定に誤りがある可能性があります。以下について確認し、再設定してください。
失敗した問題が解決されSF が再起動されると、状態の表示がInitWorked またはTestWorked に変わります。
以下のコマンドを実行し、クラスタホストが動作しているインスタンスからIdentityサービスに通信が行えるか 確認してください。
# curl -k -s -X GET <IdentityサービスのエンドポイントのURL>/v3/
エラーの場合は、以下を確認してください。
-errataが適用されていること
rpm -q curl を実行して表示されたcurlの版数が7.19.7-43より古い場合、errataが適用されていません。“5. errataの適用”を実施してください。
-.curlrcが作成されていること
“6. .curlrcの作成”を参照し、.curlrcが手順どおりに作成されていることを確認してください。
-RHOSPのセキュリティグループが適切に設定されていること
-RHOSPの仮想ルータが作成されていること
-クラスタホストのデフォルトルータが仮想ルータに設定されていること
-IdentityサービスのエンドポイントのURLが正しいか
以下のコマンドを実行し、クラスタホストが動作しているインスタンスからComputeサービスに通信が行えるか確認します。
# curl -k -s -X GET <ComputeサービスのエンドポイントのURL>/v2/
下記メッセージが表示される場合は、正常な動作です。
{"error": {"message": "The request you have made requires authentication.", "code": 401, "title": "Unauthorized"}}
上記メッセージ以外が表示された場合は、以下を確認してください。
-RHOSPのセキュリティグループが適切に設定されていること
-RHOSPの仮想ルータが作成されていること
-クラスタホストのデフォルトルータが仮想ルータに設定されていること
-ComputeサービスのエンドポイントのURLが正しいこと
以下の設定が正しいか確認してください。
-RHOSP環境情報ファイル(/opt/SMAW/SMAWRrms/etc/os_endpoint.cfg)のドメイン名、プロジェクト名、IdentityサービスのエンドポイントのURL、ComputeサービスのエンドポイントのURL
-シャットダウンエージェントの設定(/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmosr.cfg)のCFノード名、インスタンス名、ユーザ名、暗号化パスワード
3. クラスタリソース機構の初期設定
“5.1.3 クラスタリソース管理機構の初期設定”を参照し、クラスタリソース管理機構(以降、CRM)が管理するリソースデータベースの設定をしてください。
共用ディスクをGDSに登録する場合
本設定の中で、共用ディスク装置をリソースデータベースに登録します。
GDSのサーバ間ミラーリング機能を使用する場合
本設定の中で、iSCSIデバイスの設定とリソースデータベースへの登録を行います。
“5.2 故障リソース特定とオペレータ介入要求の設定”を参照し、故障リソース特定とオペレータ介入要求の設定を行ってください。