ユーザがCOBOLで作成した業務ロジック(アプリケーション)を、アプリケーション連携実行基盤で動作させるためには、業務ロジックとアプリケーション連携実行基盤をつなぐための実行基盤インタフェースが必要になります。これを、COBOL実行基盤インタフェースといいます。以下に、それぞれの位置付けを示します。
非同期アプリケーション連携実行基盤の場合
同期アプリケーション連携実行基盤の場合
COBOL実行基盤インタフェースは、アプリケーション連携実行基盤から受け取ったデータを、COBOLの業務処理で使用できるデータ形式に変換します。また、COBOLの業務ロジックから返されたデータを、アプリケーション連携実行基盤で扱う形式に変換して返します。
COBOL実行基盤インタフェースは、COBOL実行基盤インタフェース生成ツール(apfwcblコマンド)で作成することができます。
COBOL実行基盤インタフェース生成ツールでは、サーバアプリケーションのパラメタを定義したCOBOL登録集、および付加情報を定義したアプリケーション情報入力ファイルを入力として、以下の情報を生成します。
COBOL実行基盤インタフェース
アプリケーションインタフェース定義ファイル
アプリケーション呼出し定義ファイル
Javaクライアントプログラムと連携するためのJavaのクラスおよびbeanのソース(注)
C言語クライアントプログラムと連携するためのC言語ソースファイルおよびヘッダファイル(注)
注)同期アプリケーション連携実行基盤の場合に使用します。
COBOLで作成した業務ロジックと、ツールで生成されたCOBOL実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、サーバアプリケーション(ライブラリ)を作成します。このライブラリと、ツールで生成されたアプリケーションインタフェース定義ファイル、およびアプリケーション呼出し定義ファイルをアプリケーション連携実行基盤に配備することで、アプリケーション連携実行基盤から業務ロジックを実装したサーバアプリケーションを実行できるようになります。
以下に、COBOL実行基盤インタフェース生成ツールの機能概要を示します。
COBOL登録集
サーバアプリケーションで使用する、COBOLプログラムのパラメタ(PROCEDURE DIVISIONのUSING句に指定したデータ項目)を記述したファイルです。
アプリケーション情報入力ファイル
サーバアプリケーションインタフェースの付加情報を定義した、XML形式のファイルです。
COBOL業務ロジック
サーバアプリケーションの業務ロジックを記述したソースファイルです。
COBOL実行基盤インタフェース
アプリケーション連携実行基盤とサーバアプリケーションをつなぐためのインタフェース(COBOLソースプログラム)です。
アプリケーションインタフェース定義ファイル
業務処理関数のインタフェース情報を定義した、XML形式のファイルです。
アプリケーション呼出し定義ファイル
サーバアプリケーションに対応する業務処理名を定義した、XML形式のファイルです。
サーバアプリケーション(ライブラリ)
業務ロジックと、ツールで生成されたCOBOL実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、サーバアプリケーション(ライブラリ)を作成します。
ポイント
以下のソースファイルは、クライアントアプリケーションを作成するときに使用します。サーバアプリケーションを作成する場合には必要ありません。
Javaのクラスおよびbeanのソース
C言語クライアントソースおよびデータ変換ソース
■サーバアプリケーション資産の分類
サーバアプリケーション資産の分類を以下に示します。
開発資産とは、アプリケーションの開発に必要な資産です。バージョン管理対象、および開発環境のバックアップ対象となります。
運用資産とは、アプリケーションの実行に必要な資産です。運用環境のバックアップ対象となります。
資産名 | 開発資産 | 運用資産 |
---|---|---|
COBOL登録集 | ○ | - |
アプリケーション情報入力ファイル | ○ | - |
COBOL実行基盤インタフェースソースファイル | ○(注1) | - |
ユーザ作成ソースファイル | ○ | - |
アプリケーションインタフェース定義ファイル | - | ○(注1) |
アプリケーション呼出し定義ファイル | - | ○(注1) |
アプリケーション動作定義ファイル | - | ○(注2) |
アプリケーション連携実行基盤定義ファイル | - | ○ |
ログ定義ファイル | - | ○ |
ログメッセージファイル | - | ○ |
ユーザ作成ライブラリ | - | ○ |
○:対象資産であることを示します。 -:対象資産ではありません。
注1)実行基盤インタフェースツールによって生成されます。
注2)同期アプリケーション連携実行基盤で、必要な場合にだけ作成します
ポイント
アプリケーション動作定義ファイルは、同期アプリケーション連携実行基盤でだけ利用するファイルです。詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”の“アプリケーション動作定義ファイルリファレンス”を参照してください。
ログ定義ファイルについての詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”の“ログ定義ファイルリファレンス”を参照してください。
ログメッセージファイルについての詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”を参照してください。