ユーザがC言語で作成した業務処理(アプリケーション)を、アプリケーション連携実行基盤で動作させるためには、業務処理とアプリケーション連携実行基盤をつなぐためのインタフェースが必要になります。これを、C言語実行基盤インタフェースといいます。以下に、位置付けを示します。
同期アプリケーション連携実行基盤の場合
C言語実行基盤インタフェースは、アプリケーション連携実行基盤から受け取ったデータを、C言語の業務処理で使用できるデータ形式に変換します。また、C言語の業務処理から返されたデータを、アプリケーション連携実行基盤で扱う形式に変換して返します。
C言語実行基盤インタフェースは、C言語実行基盤インタフェース生成ツールで作成することができます。
C言語実行基盤インタフェース生成ツールでは、サーバアプリケーションのインタフェースを定義したIDLファイル、および付加情報を定義したアプリケーション情報入力ファイルを入力として、以下の情報を生成します。
C言語実行基盤インタフェース
アプリケーションインタフェース定義ファイル
アプリケーション呼出し定義ファイル
C言語で作成した業務ロジックと、ツールで生成されたC言語実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、サーバアプリケーション(ライブラリ)を作成します。このライブラリと、ツールで生成されたアプリケーションインタフェース定義ファイル、およびアプリケーション呼出し定義ファイルをアプリケーション連携実行基盤に配備することで、アプリケーション連携実行基盤から業務ロジックを実装したサーバアプリケーションを実行できるようになります。
以下に、C言語実行基盤インタフェース生成ツールの機能概要を示します。
IDLファイル
サーバアプリケーションのインタフェースを、IDLで記述したファイルです。C言語業務ロジック1関数あたりに1ファイル作成してください。
アプリケーション情報入力ファイル
サーバアプリケーションインタフェースの付加情報を定義した、XML形式のファイルです。C言語業務ロジック1関数あたりに1ファイル作成してください。
C言語業務ロジック(関数単位)
サーバアプリケーションの業務ロジックを記述したソースファイルです。
C言語実行基盤インタフェース
アプリケーション連携実行基盤とサーバアプリケーションをつなぐためのインタフェースです。
アプリケーションインタフェース定義ファイル
業務処理関数のインタフェース情報を定義した、XML形式のファイルです。
アプリケーション呼出し定義ファイル
サーバアプリケーションに対応する業務処理名を定義した、XML形式のファイルです。
サーバアプリケーション(ライブラリ)
業務ロジックと、ツールで生成されたC言語実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、サーバアプリケーション(ライブラリ)を作成します。
注意
図はサーバがSolarisおよびLinuxの場合の例です。
サーバがWindowsの場合、C言語実行基盤インタフェース生成ツールとして、“apfwconvwc”を使用します。
■サーバアプリケーション資産の分類
サーバアプリケーション資産の分類を以下に示します。
開発資産とは、アプリケーションの開発に必要な資産です。バージョン管理対象、および開発環境のバックアップ対象となります。
運用資産とは、アプリケーションの実行に必要な資産です。運用環境のバックアップ対象となります。
資産名 | 開発資産 | 運用資産 |
---|---|---|
IDLファイル | ○ | - |
アプリケーション情報入力ファイル | ○ | - |
C言語実行基盤インタフェースソースファイル | ○(注1) | - |
ユーザ作成ソースファイル | ○ | - |
アプリケーションインタフェース定義ファイル | - | ○(注1) |
アプリケーション呼出し定義ファイル | - | ○(注1) |
アプリケーション動作定義ファイル | - | ○(注2) |
ログ定義ファイル | - | ○ |
ログメッセージファイル | - | ○ |
ユーザ作成ライブラリ | - | ○ |
○:対象資産であることを示します。 -:対象資産ではありません。
注1)実行基盤インタフェースツールによって生成されます。
注2)同期アプリケーション連携実行基盤で、必要な場合にだけ作成します
ポイント
アプリケーション動作定義ファイルは、同期アプリケーション連携実行基盤でだけ利用するファイルです。詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”の“アプリケーション動作定義ファイルリファレンス”を参照してください。
ログ定義ファイルについての詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”の“ログ定義ファイルリファレンス”を参照してください。
ログメッセージファイルについての詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”を参照してください。