ルーティング定義は、連携されるアプリケーションの実行順序を定義します。
非同期アプリケーション連携実行基盤では、メッセージのルーティング、およびアプリケーションの呼出しをルーティング定義に基づいて自動的に処理します。
ルーティング定義は、フロー定義エディタでメッセージの流れを表すアイコンを配置することで行います。
フロー定義エディタでのルーティング定義における概念図を以下に示します。
ルーティング定義では、アプリケーション連携を行うために以下の情報を設定します。
業務全体の流れ
アプリケーションを表すアイコンを、矢印(実行ルート)で結んで、業務全体の流れを設定します。非同期アプリケーション連携実行基盤では、設定された業務の流れに基づいてアプリケーションを呼び出します。
処理要求メッセージ格納キュー名
アプリケーションへ受け渡す業務データが格納されるメッセージの受信用キュー名を設定します。
アプリケーションの呼出し情報(呼出し定義)
呼び出すアプリケーションとその処理を指定します。非同期アプリケーション連携実行基盤では、指定した各キューでメッセージを受信時、指定されたアプリケーションを自動的に呼び出します。
また、アプリケーション連携を実行するために以下の情報を指定します。
実行ルートの分岐(条件式)
メッセージに格納される業務データの内容を指定された条件式で評価し、trueとなるルートへメッセージを分岐することができます。
以下に条件式の設定方法を示します。
| 説明 |
---|---|
比較式 | 左辺と右辺を演算子で比較する式です。
業務データ名、数値、文字列、Boolean値を指定することができます。
例: 小計1 = 10000 、小計1 >= 小計2 |
比較式の論理演算 | 比較式と比較式をAND、ORを用いて論理演算することができます。 |
メッセージの1:n(複数)送信
1つのアプリケーションから複数の送信先を指定することで、複数のアプリケーションへメッセージを送信することができます。また、各送信先の単位に送信する業務データを選別することができます。そのため、必要な情報だけを各アプリケーションで取得することが可能です。
実行ルートへメッセージを送信できない場合のための代行ルート定義
非同期アプリケーション連携実行基盤では、送信先キューのメッセージ格納数が閉塞とするしきい値を超えている場合、自動的に代行ルートへメッセージを送信します。
負荷が集中するアプリケーションに代行ルートを定義することで、メッセージの滞りを防止することができ、高信頼のシステムを構築することができます。
また、非同期アプリケーション連携実行基盤では、実行ルートへのメッセージの送信処理で異常が発生した場合も、代行ルートのキューへメッセージを送信します。
ルーティング定義の詳細は、“第3章 ルーティング定義”を参照してください。