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Interstage Application Server V12.3.0 アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)
FUJITSU Software

G.3.9 OOCOBOLアプリケーション使用時の注意事項

第2章 CORBAアプリケーション開発時の留意事項”についても参照してください。


関数名/変数名の扱い

予約語の扱い

アプリケーションのビルド時の注意事項

Windows(R)アプリケーションの作成

Windows(R)でOOCOBOLアプリケーションを作成する場合の注意点を以下に示します。

ポイント

CORBAサービスのインストールフォルダを“C:\Interstage\ODWIN”として説明します。

クライアントアプリケーションの作成

クライアントアプリケーションを作成する場合の翻訳・リンク手順を以下に示します。OOCOBOLアプリケーションのビルドには“COBOLプロジェクトマネージャー”を使用します。

翻訳・リンク手順
  1. IDLコンパイルを実行します。
    IDLc -oocob IDLファイル名

  2. 1.で生成されたファイルをCOBOLソースファイルにデータ型、データ型ヘルパー、インタフェースクラス、インタフェースクラスヘルパー、スタブクラス、Narrowスタブ、クライアントmainの順に追加します。

  3. 「翻訳オプション」には、以下を設定します。
    LIB、REPIN(“翻訳時のオプションの設定”参照)

  4. ライブラリファイルを設定します。
    [UNICODEUTF8以外の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOB.LIB
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNOOCOB.LIB
    [UNICODEUTF8の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBUC.LIB
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNOOCOBUC.LIB

  5. 相互参照がある場合は、リポジトリファイルを作成します。「翻訳オプション」「その他の翻訳オプション」に“CREATE(REP)”として翻訳します。相互参照がない場合は、必要ありません。

リンク時に指定するライブラリ

リンク時に必ず指定するライブラリは、以下のとおりです。

[UNICODEUTF8以外の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOB.LIB
[UNICODEUTF8の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBUC.LIB

ネーミングサービスを利用するときは、以下のライブラリを追加します。

[UNICODEUTF8以外の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNOOCOB.LIB
[UNICODEUTF8の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNOOCOBUC.LIB


サーバアプリケーションの作成

サーバアプリケーションを作成する場合の翻訳・リンク手順を以下に示します。OOCOBOLアプリケーションのビルドには、“COBOLプロジェクトマネージャー”を使用します。

翻訳・リンク手順
  1. IDLコンパイルを実行します。
    IDLc -oocob IDLファイル名

  2. 1.で生成されたファイルを“インタフェース名.dll”のCOBOLソースファイルにデータ型、データ型ヘルパー、インタフェースクラス、インタフェースクラスヘルパー、ユーザ定義クラス、Tieクラス、Initプログラム、Newプログラム、Narrowスケルトンの順に追加します。

  3. “インタフェース名.dll”に、以下のライブラリを設定します。
    [UNICODEUTF8以外の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSV.LIB
    [UNICODEUTF8の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSVUC.LIB

  4. 実行ファイルのCOBOLソースファイルにサーバmainを追加し、ライブラリファイルに以下のものを追加します。
    [UNICODEUTF8以外の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSV.LIB
    [UNICODEUTF8の場合]
    C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSVUC.LIB

  5. 相互参照がある場合は、リポジトリファイルを作成します。「翻訳オプション」「その他の翻訳オプション」に“CREATE(REP)”として翻訳します。相互参照がない場合は、必要ありません。

リンク時に指定するライブラリ

リンク時に必ず指定するライブラリは、以下のとおりです。

[UNICODEUTF8以外の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSV.LIB
[UNICODEUTF8の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODOOCOBSVUC.LIB

ネーミングサービスを利用するときは、以下のライブラリを追加します。

[UNICODEUTF8以外の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNSOOCOB.LIB
[UNICODEUTF8の場合]
C:\Interstage\ODWIN\LIB\ODCNSOOCOBUC.LIB

クライアント用とサーバ用のライブラリを同時に指定できません。サーバアプリケーションが別のサーバと通信する場合は、サーバ用のライブラリをリンクします。

翻訳時のオプションの設定

翻訳時のオプションを設定します(“プロジェクト”→“オプション”→“翻訳オプション”)。

LIB

登録集が格納されているフォルダを指定します。翻訳オプションの追加で“LIB”を選択し、登録集ファイルの入力先に“C:\Interstage\ODWIN\INCLUDE\OOCOB”を指定します。

REPIN

リポジトリファイルが格納されているフォルダを指定します。翻訳オプションの追加で“REPIN”を選択し、リポジトリファイルの入力先に“C:\Interstage\ODWIN\REP”を指定します。UNICODEを使用する場合は、“C:\Interstage\ODWIN\REP\UNICODE”を指定します。

THREAD

アプリケーションの動作モードを指定します。スレッドモードのアプリケーション作成時は、“マルチスレッドとする”を選択し、プロセスモードのアプリケーション作成時は、“シングルスレッドとする”を選択します。

RCS

実行時のコード系を設定します。翻訳オプションの追加で、UNICODEアプリケーション、またはUTF8アプリケーションを作成する場合は、“RCS”を選択し、“UCS2-UNICODE(UCS2)を使用する”を選択します。

ALPHAL

英小文字を英大文字と等価に扱う(ALPHAL)か、扱わない(NOALPHAL)かを指定します。本オプションを指定する場合は、本製品が提供するOOCOBOLのAPI、ネーミングサービス、およびIDLコンパイラが出力したクラス、メソッドはすべて大文字で記述してください(IDLコンパイラが出力するOOCOBOLのファイルでは、コメント行以外はすべて大文字で記述されます)。

モジュールの単位

サーバアプリケーションは初期化する実行モジュール(EXE)と、オペレーションの実装部であるライブラリ(DLL)の2つを作成します。実行モジュール側では初期化(CORBA-ORB_INIT)を行い、サーバを活性化させる(CORBA-BOA-IMPL_IS_READYまたはCORBA-BOA-OBJ_IS_READY)ところまでの処理を行います。
ライブラリ側は、1つのライブラリに複数のインタフェースを実装することができます。インタフェースごとにライブラリを分ける場合は、データ型クラスファイルはインタフェースのライブラリとは別のライブラリ(DLL)にし、インタフェースクラスのライブラリからデータ型クラスのライブラリをリンクするようにします。

// IDL
module M {
    struct S { string s; };
    typedef long L;
    interface I1 {
        ....
    };
    interface I2 {
        ...
    };
};

上記IDLのサーバアプリケーションのライブラリをインタフェースごとに分けるときは、以下の構成にします。

M-I1のライブラリ→
             (リンク)データ型のライブラリ
M-I2のライブラリ→

[M-I1のライブラリに含まれるファイル]

M-I1.COB
M-I1--HELPER.COB
M-I1--TIE.COB
M-I1--NARROWSKEL.COB
M-I1--NEW.COB
M-I1の実装クラスファイル
M-I1—INITの定義ファイル

[M-I2のライブラリに含まれるファイル]

M-I2.COB
M-I2--HELPER.COB
M-I2--TIE.COB
M-I2--NARROWSKEL.COB
M-I2--NEW.COB
M-I2の実装クラスファイル
M-I2—INITの定義ファイル

[データ型のライブラリに含まれるファイル]

M-S.COB
M-S--HELPER.COB
L--HELPER.COB

Linuxアプリケーション作成

LinuxでOOCOBOLアプリケーションを作成する場合の注意点を以下に示します。

注意

  • UNICODEのアプリケーションを開発する場合、ソースファイルおよび登録集は、UNICODE(UTF-8)で作成してください。

  • 翻訳/リンク/実行を行う場合、コード系には“UNICODE”を設定してください。

ポイント

CORBAサービスのインストールディレクトリを“/opt/FJSVod”として説明します。

クライアントアプリケーションの作成

クライアントアプリケーションを作成する場合の翻訳・リンク手順を以下に示します。

翻訳・リンク手順
  1. CORBA-OOCOBOLマッピングを出力します。
    IDLc -oocob IDLファイル名

  2. 相互参照がある場合は、リポジトリファイルを作成します(XXX.cob: 主プログラム名)。相互参照がない場合は、必要ありません。
    cobol -WC,"CREATE(REP)" XXX.cob

  3. 主プログラム以外を翻訳し、オブジェクトを作成します(翻訳の順番は、“アプリケーションのビルド時の注意事項”参照)。
    cobol -Tm -c -R/opt/FJSVod/rep -I/opt/FJSVod/include/oocob XXX.cob

  4. 主プログラムを作成します。-Mオプションを指定してオブジェクトを作成します。
    cobol -Tm -c -M -R/opt/FJSVod/rep -I/opt/FJSVod/include/oocob XXX.cob

  5. ファイルをリンクし、実行ファイルを作成します。-Tmオプションを指定すると、マルチスレッドで結合します。
    [UNICODEモジュール以外の場合]
    cobol -Tm -lnsl -lsocket -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocob -lOMcnoocob -lrcobol -o 実行ファイル名 XXX.o
    [UNICODEモジュールの場合]
    cobol -Tm -lnsl -lsocket -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocobUC -lOMcnoocobUC -lrcobol -o 実行ファイル名 XXX.o


サーバアプリケーションの作成

サーバアプリケーションを作成する場合の翻訳・リンク手順を以下に示します。

翻訳・リンク手順
  1. CORBA-OOCOBOLマッピングを出力します。
    IDLc -oocob IDLファイル名

  2. 相互参照がある場合は、リポジトリファイルを作成します(XXX.cob: 主プログラム名)。相互参照がない場合は、必要ありません。
    cobol -WC,"CREATE(REP)" XXX.cob

  3. 主プログラム以外を翻訳し、オブジェクトを作成します(翻訳の順番は、“アプリケーションのビルド時の注意事項”参照)。
    cobol -Tm -c -R/opt/FJSVod/rep -I/opt/FJSVod/include/oocob XXX.cob

  4. 主プログラムを作成します。-Mオプションを指定してオブジェクトを作成します。
    cobol -Tm -c -M -R/opt/FJSVod/rep -I/opt/FJSVod/include/oocob XXX.cob

  5. ファイルをリンクし、実行ファイルを作成します。-Tmオプションを指定すると、マルチスレッドで結合します。
    [UNICODEモジュール以外の場合]
    cobol -Tm -lnsl -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocob -lrcobol -o 実行ファイル名 XXX.o
    [UNICODEモジュールの場合]
    cobol -Tm -lnsl -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocobUC -lrcobol -o 実行ファイル名 XXX.o

  6. 共用オブジェクトを作成します。
    [UNICODEモジュール以外の場合]
    cobol -G -Tm -lnsl -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocob -lrcobol -o 共用オブジェクト名 XXX.o
    [UNICODEモジュールの場合]
    cobol -G -Tm -lnsl -L/opt/FJSVod/lib -lOMoocobUC -lrcobol -o 共用オブジェクト名 XXX.o

リンク時に指定する共用オブジェクト(クライアントアプリケーション/サーバアプリケーション共通)

リンク時に必ず指定するライブラリは以下のとおりです。
[UNICODEモジュール以外の場合]
/opt/FJSVod/lib/libOMoocob.so
[UNICODEモジュールの場合]
/opt/FJSVod/lib/libOMoocobUC.so

ネーミングサービスを利用するときは以下のライブラリを追加します。
[UNICODEモジュール以外の場合]
/opt/FJSVod/lib/libOMcnoocob.so
[UNICODEモジュールの場合]
/opt/FJSVod/lib/libOMcnoocobUC.so