本節では、フェールオーバークラスタリングのクラスタシステムにSystemwalker Service Quality Coordinatorを導入する手順について説明します。
Manager/Enterprise Managerをクラスタシステム運用することにより、片方のノードに障害が発生した場合でも、正常な別ノードに管理業務を引き継ぎますので、管理業務の高可用性を実現することができます。
■実行環境
本機能は、Systemwalker Service Quality Coordinator Enterprise Editionで提供される機能です。
また、本機能を導入できるのはEnterprise ManagerとManagerです。
■実行に必要な権限
Administratorsグループに所属するユーザー権限が必要です。
■本手順を行う前に
本節で説明する手順を行う前に、フェールオーバークラスタリングのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。
フェールオーバークラスタリングをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じてフェールオーバークラスタリングのマニュアルを参照してください。
注意
本節では、フェールオーバークラスタリングのクラスタ環境にManager/Enterprise Managerの環境を構築する手順について説明しており、フェールオーバークラスタリングの設定を含んでいます。本節を読むにあたり、フェールオーバークラスタリングの基本的な理解と、実務知識が必要です。
また以下の場合は、クラスタシステムにManagerを導入することはできません。
Managerと運用管理クライアントを同じマシンにインストールする必要がある場合
二重化運用されたManager
サポートするクラスタシステムと形態は以下のとおりです。
[クラスタシステム]
以下に含まれるフェールオーバークラスタリング
Windows Server 2019
Windows Server 2016
Windows Server 2012 R2
Windows Server 2012
[クラスタ形態]
1:1運用待機形態(1つのノードを別の1つのノードで待機する形態)
本節では、管理業務を運用するノードを「現用系」、業務を引き継ぐために待機するノードを「待機系」と呼び、異常が発生したときに現用系から待機系へ業務を引き継ぐことを「フェイルオーバ」と呼びます。また、現用系と待機系とで共用して使用するディスクを「共用ディスク」と呼びます。
ポイント
クラスタ運用を行っているManagerのホスト名やIPアドレスを設定する場合(Agent/Proxy Manager/運用管理クライアントのインストール時に指定する接続先Managerの設定など)には、論理ホスト名や論理IPアドレスを指定します。これによって、現用系か待機系かを意識することなく運用することができます。
クラスタ運用を行う場合、Agentとの通信方式は、Push通信を使用してください。
クラスタ運用を行う環境にAgentを導入する場合は、各ノードに導入してください
クラスタ運用環境にAgentを導入し、Agentのセットアップを行う場合は、連携するミドルウェアが動作可能であることを確認してください。
二階層運用を行うシステムでEnterprise Managerのクラスタ化を行う場合と、Managerのクラスタ化を行う場合の手順を説明します。