クラスタアプリケーションの切替えが行われると、RMSは以下の処理を行います。
クラスタアプリケーションがクラスタ内ですでに実行されている場合は、RMSによって停止されます。
クラスタアプリケーションが完全に停止した後、RMSは指定されたノードでそのクラスタアプリケーションを起動します。
以下の手順に従ってOnline状態のクラスタアプリケーションを切替えます。
userApplicationオブジェクト上で右クリックし、メニュー項目から [切替え] を選択します。切替え可能なノードがサブメニューに表示されます。
プルダウンメニューからノード名を選択して、クラスタアプリケーションをそのノードに切替えます。
図7.16 クラスタアプリケーションの切替え
RMSは処理を開始する前に、操作の確認を求めるメッセージを表示します。
[優先切替え]は、クラスタアプリケーションのPriorityList属性に設定されたノードのリストの順序に従い、クラスタアプリケーションを対象のノードへ切替えます。
RMSは、クラスタアプリケーションの停止に失敗した場合、クラスタアプリケーションの起動処理は行いません。これは、同じアプリケーションの2つのインスタンスに競合が発生し、データ破損が生じる恐れがあるためです。この場合には、[強制切替え]を行うことでクラスタアプリケーションを起動できます。
注意
ユーザ業務とデータの整合性および完全性が保たれるように、標準のクラスタアプリケーション切替方式を使用することを推奨します。標準モードでクラスタアプリケーションを切替えられない場合は、強制切替方式を使用できます。ただし、強制切替えを実行すると、安全性チェックがすべて無効になり、データが破損したり整合性が失われる場合があります。
そのため、クラスタアプリケーションの強制切替え時にデータが破損するリスクを低減するため、RMS が起動していないノードを強制停止してからクラスタアプリケーションを強制起動する場合があります。
クラスタアプリケーションがビジー状態の場合、クラスタアプリケーションを切替えるためのコマンドポップアップは表示されません。代わりに、メニューには表示のみの操作が表示され、最後のメニュー項目によって、クラスタアプリケーションがWait状態にあることが示されます。
図7.17 userApplicationがWait状態のときの切替え
CLI: hvswitch userApplication
CLI の構文は次のとおりです。
hvswitch [-f] userApplication [SysNode]
hvswitchは、userApplicationまたは gResourceの制御をRMS構成内のシステムノード間で手動切替えするためのコマンドです。切替えるリソースのタイプがuserApplication の場合、SysNodeが指定されていないと、クラスタアプリケーションは最優先ノードに切替えられます。-fオプションは強制切替えオプションです。
注意
hvswitch -fの実行には注意が必要です。クラスタアプリケーションまたはリソースの強制切替えを行うと、安全性チェックがすべて無効になり、データが破損したり整合性が失われる場合があります。
そのため、クラスタアプリケーションまたはリソースの強制切替え時にデータが破損するリスクを低減するため、RMS が起動していないノードを強制停止してからクラスタアプリケーションまたはリソースを強制起動する場合があります。