PowerCOBOLでは、イベントの発生によって実行される手続きを、イベント手続きとして記述します。本サンプルでは、OKボタンをクリックしたとき(Clickというイベントが発生したとき)の手続き、および終了ボタンをクリックしたときの手続きを記述します。
イベント手続きの編集ウィンドウを開く
イベント手続きを記述するための編集ウィンドウを表示します。編集ウィンドウは、以下の手順で表示できます。
フォーム上のOKボタンをクリックし、選択状態にします。
マウスの右ボタンをクリックし、ポップアップメニューの[イベント手続きの編集]サブメニューから[Click]コマンドを選択します。
イベント手続きを編集するためのウィンドウが、表示されます。ここで、OKボタンをクリックしたときの手続きを入力します。
OKボタンをクリックしたときの手続き
OKボタンをクリックしたときは、「スタティックテキストコントロールに表示されている文字列を変更する」という手続きを実行します。この手続きは以下のようになります。
ST-TEXTは、「2.3 フォームの編集」で設定したスタティックテキストコントロールの名前です。"Caption"は、スタティックテキストコントロールに表示する文字列を示すプロパティです。この手続きで、文字列"こんにちは"をスタティックテキストコントロールの表示文字列として設定することができます。
ポイント
フォームやコントロールは、それぞれプロパティをもっています。たとえば、表示する文字列(キャプション)に対応するプロパティは"Caption"、コントロールの背景色に対応するプロパティは"BackColor"といったものです。ここでは、表示する文字列を変更するために"Caption"プロパティに値を転記しました。
このように、手続き上でプロパティに値を設定したり、また、すでにプロパティに設定されている値を参照したりすることにより、フォーム上のコントロールの状態や動作を変更できます。
プロパティへのアクセス方法については、「7.2 プロパティへのアクセス方法」を参照してください。また、フォームや各コントロールで利用できるプロパティの詳細は、『リファレンス』を参照してください。
このアプリケーションを実行し、OKボタンをクリックすると、WindowsからPowerCOBOLの実行システム(ランタイムシステム)にイベントが通知されます。PowerCOBOLのランタイムシステムは、その通知をもとに、記述されたイベント手続きを実行させます。
終了ボタンをクリックしたときの手続き
OKボタンの場合と同様の手順で、終了ボタンの"Click"イベントを編集するウィンドウを表示します。
終了ボタンをクリックしたときは、「このフォーム自身を閉じて、アプリケーションを終了する」という手続きを実行します。この手続きは以下のようになります。
POW-SELFは、現在の編集対象であるフォーム自身を示しています。また、
"CloseForm"は、フォームを閉じるためのメソッドです。このメソッドを、メソッドの動作対象であるフォームに対して、INVOKE文で呼び出すことにより、フォームを閉じることができます。
ポイント
メソッドは、ある動作を実行するためのサブルーチンのようなもので、フォームやコントロールごとに異なったメソッドが用意されています。
たとえば、フォームを閉じるメソッドとして"CloseForm"、リストボックスに項目を追加するメソッドとして"AddString"などがあります。
メソッドの呼び出し方法については、「7.3 メソッドの呼び出し方法」を参照してください。また、フォームや各コントロールで利用できるメソッドの詳細は、『リファレンス』を参照してください。