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NetCOBOL V12.2 PowerCOBOL ユーザーズガイド
FUJITSU Software

1.1 PowerCOBOLとは

PowerCOBOLとは、COBOLプログラマがCOBOLの知識を利用して、Windowsで動作するアプリケーションをビジュアルに作成するための開発環境を提供し、作成したアプリケーションを実行するためのシステムです。

Windowsで動作するための特有なプログラム構造や、WindowsのAPI(Application Programming Interface)の知識がなくても、PowerCOBOLを利用することにより、GUI(Graphical User Interface)アプリケーションを作成できます。

PowerCOBOLの特長を以下に示します。

ビジュアルなウィンドウ作成

アプリケーションで利用するウィンドウは、コントロール(部品)をフォーム(ウィンドウ)に配置するだけで簡単に作成できます。

また、フォームを見ながら、マウスを使ってコントロールの文字のフォント、色、位置や大きさを簡単に変更することができます。

イベントごとにプログラミング

Windowsのアプリケーションは、イベント駆動型のプログラムスタイルになっています。このプログラム構造は、Windowsから通知される各種のイベントに対応した処理を行ったあと、Windowsに戻ります。イベントには、「コントロールのクリック」や「選択項目の変更」などがあります。

Windowsからのイベントは、すべてPowerCOBOLが制御します。ウィンドウとして表示されるフォームを設計し、イベントに対応した手続きを記述するだけでアプリケーションを作成できます。

COBOLのプログラミング

アプリケーションの動作は、COBOLで記述できます。

プログラミングには、COBOLのすべての機能(中核機能や索引/順/相対ファイルの入出力機能など)を使用できます。また、フォームに配置したコントロールは、通常のデータ名と同様にCOBOLの文で扱えます。したがって、従来のCOBOLの知識や資産をそのまま活用することができます。

一貫した開発支援

ウィンドウとして表示されるフォームの設計から手続きの編集、翻訳、リンク、実行までの操作は、PowerCOBOLだけで行うことができます。

PowerCOBOLを使用すれば、メニューからそれぞれの作業に対応するコマンド(操作を指示するための項目)を選択するだけで、アプリケーションを作成していくことができます。したがって、開発環境の切り替えや、他のツールを学習する必要はありません。

PowerCOBOLを使った開発手順については、「2.1 アプリケーションの作成手順」を参照してください。

豊富なコントロールを用意

PowerCOBOLでは、以下のコントロールを用意しています。

これらのコントロールを利用して、表現力豊かなアプリケーションを作成できます。

PowerCOBOLが用意しているコントロールの一覧は、「付録A PowerCOBOLが提供するコントロールとオブジェクト」を参照してください。

他のツールとの容易な連携

COBOLでOLE(Object Linking and Embedding)の機能であるオートメーションや、ActiveXコントロールを利用および作成することができます。

PowerCOBOLのカスタムコントロールの組込み機能を使用して、PowerCOBOLが提供するコントロール以外の、一般に流通するActiveXコントロールも利用することができます。ただし、一般に流通するActiveXコントロールについては、そのActiveXコントロール固有の機能(インタフェース)をもつものがあります。したがって、システム設計の際、そのActiveXコントロールがPowerCOBOLと組み合わせて正しく動作するか確認してください。

また、PowerCOBOLではActiveXコントロールを作成することもできます。COBOLの機能を活用したActiveXコントロールを作成し、各種コンテナに組み込んだり、Web上で利用したりすることができます。

ActiveXコントロールの作成方法および利用方法については、「9.2 ActiveXコントロールを作成する」および「9.3 ActiveXコントロールを使ったアプリケーションを作成する」を、Web上での利用方法については、「9.6 PowerCOBOLで作成したActiveXコントロールをWeb上で利用する」を参照してください。

クライアント・サーバ型アプリケーションの作成

COBOLのSQL文やPowerCOBOLの提供するDBアクセスコントロール、ADOデータソースコントロールを利用して、各種データベース(たとえば、SQL Serverなど)へアクセスすることにより、クライアント・サーバ型のアプリケーションを作成できます。

DBアクセスコントロールを使ったアプリケーションの作成方法については、「9.7 DBアクセスコントロールを利用してデータベースと連携する」を、ADOデータソースコントロールを使ったアプリケーションの作成方法については、「9.8 ADOデータソースコントロールを利用してデータベースと連携する」を参照してください。