業務処理実行アプリケーション、および業務処理開始アプリケーションの同時処理数(注)に合わせて、以下の設定を行う必要があります。
最大接続数の設定
サプライヤ数およびコンシューマ数の最大値の設定
CORBAサービスの動作環境ファイルの設定
注)同時処理数 = プロセス数 × 1プロセスあたりのスレッド数
参照
業務処理実行アプリケーションの同時処理数については、“5.2.1 アプリケーション(COBOL)の場合”および、“5.2.2 アプリケーション(Java)の場合”を参照してください。
■最大接続数の設定
最大接続数は、イベントチャネルの作成時に、esmkchnlコマンドの-mオプション、またはInterstage管理コンソールで設定します。
最大接続数には、イベントグループに含まれるイベントチャネルへの同時接続数の総和を設定してください。
イベントチャネルへの同時接続数は、以下を目安として見積もってください。
キュー | イベントチャネルへの同時接続数 |
---|---|
処理要求メッセージ格納キュー | キューを受信キューとする業務処理実行アプリケーションの同時処理数と、キューにメッセージを送信する業務処理実行アプリケーション、または業務処理開始アプリケーションの同時処理数の合計 |
結果受信キュー | キューから処理結果を格納したメッセージを受信するアプリケーションの同時処理数と、キューにメッセージを送信する業務処理実行アプリケーションの同時処理数の合計 |
エラーメッセージ退避キュー | キューからエラーとなったメッセージを受信するアプリケーションの同時処理数と、キューにメッセージを送信する業務処理実行アプリケーションの同時処理数の合計 |
例
以下の図に記す環境を構築する場合を例にして、イベントチャネルの最大接続数の見積り方法について説明します。
なお、イベントチャネルの最大接続数を見積もるための前提条件を以下に記します。
業務処理実行アプリケーションAの同時処理数は32とする。
業務処理実行アプリケーションBの同時処理数は16とする。
業務処理開始アプリケーションの同時処理数は64である。
業務処理実行アプリケーションAの処理要求メッセージ格納キューと業務処理実行アプリケーションBの処理要求メッセージ格納キューは同じイベントグループに含まれるようにイベントチャネルを作成する。
この場合のイベントチャネルの最大接続数を以下に記します。
業務処理実行アプリケーションAの処理要求メッセージ格納キューの同時接続数 = 業務処理実行アプリケーションAの同時処理数 + 業務処理開始アプリケーションの同時処理数 = 96 業務処理実行アプリケーションBの処理要求メッセージ格納キューの同時接続数 = 業務処理実行アプリケーションBの同時処理数 + 業務処理実行アプリケーションAの同時処理数 = 48 イベントチャネルの最大接続数 = 業務処理実行アプリケーションAの処理要求メッセージ格納キューの同時接続数 + 業務処理実行アプリケーションBの処理要求メッセージ格納キューの同時接続数 = 144 |
参照
esmkchnlコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
■サプライヤ数およびコンシューマ数の最大値の設定
サプライヤ数およびコンシューマ数の最大値は、essetcnfchnlコマンドを使用して設定します。
イベントチャネルグループごとにサプライヤ数およびコンシューマ数を算出して、以下の計算式の値が算出した値より大きくなるように指定してください。
なお、サプライヤ数およびコンシューマ数の最大値のデフォルトは5050に設定されています。算出した値が5050以下の場合はデフォルトのままで問題ありません。
サプライヤ数の最大値 = (-supinitオプションの値)+(-supextオプションの値)×(-supenumオプションの値)
コンシューマ数の最大値 = (-coninitオプションの値)+(-conextオプションの値)×(-conenumオプションの値)
サプライヤ数、コンシューマ数の計算式を以下に示します。
サプライヤ数 = a×b-c+d+20
コンシューマ数 = c+e+20
a:業務処理実行アプリケーションごとの同時処理数の合計
b:チャネルグループに所属する処理要求メッセージ格納キュー、結果受信キュー、エラーメッセージ退避キューのイベントチャネルの合計数
c:チャネルグループに所属する処理要求メッセージ格納キューを受信キューとする業務処理実行アプリケーションごとの同時処理数の合計
d:業務処理開始アプリケーションからのメッセージ送信の同時処理数
e:業務処理開始アプリケーションにおけるメッセージ受信の同時処理数
例
以下の図に記す環境を構築する場合を例にして、サプライヤ数およびコンシューマ数の見積り方法について説明します。
なお、サプライヤ数およびコンシューマ数を見積もるための前提条件を以下に記します。
業務処理実行アプリケーションAの同時処理数は32とする。
業務処理実行アプリケーションBの同時処理数は16とする。
業務処理開始アプリケーションの同時処理数は64とする。
業務処理実行アプリケーションAの処理要求メッセージ格納キューと業務処理実行アプリケーションBの処理要求メッセージ格納キューは異なるイベントチャネルグループに含まれるようにイベントチャネルを作成する。
この場合のサプライヤ数およびコンシューマ数の最大値を以下に記します。
業務処理実行アプリケーションAの処理要求メッセージ格納キューが所属するイベントチャネルグループのサプライヤ数およびコンシューマ数
a = 業務処理実行アプリケーションAの同時処理数 + 業務処理実行アプリケーションBの同時処理数 = 48
b = イベントチャネルグループに所属するイベントチャネルの数 = 1
c = 業務処理実行アプリケーションAの同時処理数 = 32
d = 業務処理開始アプリケーションの同時処理数 = 64
e = 0 (注)
サプライヤ数 = a×b-c+d+20 = 100
コンシューマ数 = c+e+20 = 52 |
業務処理実行アプリケーションBの処理要求メッセージ格納キューが所属するイベントチャネルグループのサプライヤ数およびコンシューマ数
a = 業務処理実行アプリケーションAの同時処理数 + 業務処理実行アプリケーションBの同時処理数 = 48
b = イベントチャネルグループに所属するイベントチャネルの数 = 1
c = 業務処理実行アプリケーションBの同時処理数 = 16
d = 業務処理開始アプリケーションの同時処理数 = 64
e = 0 (注)
サプライヤ数 = a×b-c+d+20 = 116
コンシューマ数 = c+e+20 = 36 |
注)例では、結果受信キューを定義していないため、業務処理開始アプリケーションにおけるメッセージ受信の同時処理数は0となります。
参照
essetcnfchnlコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
■CORBAサービスの動作環境ファイルの設定
業務処理実行アプリケーション、および業務処理開始アプリケーションの同時処理数によって以下の値を加算する必要があります。
CORBAサービスの動作環境ファイルは以下に格納されています。
/etc/opt/FSUNod/config
/etc/opt/FJSVod/config
パラメタ名 | 加算値 |
---|---|
max_exec_instance(注1) | すべてのイベントチャネルグループの以下の値の総和(注2) イベントチャネルグループの最大接続数(esmkchnlコマンドの-mオプションで指定)+16 |
max_IIOP_resp_con(注3) | すべての業務処理実行アプリケーションと業務処理開始アプリケーションのプロセス数の合計値 |
max_processes(注3) | すべての業務処理実行アプリケーションと業務処理開始アプリケーションのプロセス数の合計値 |
注1)すでにイベントチャネルグループの最大接続数を考慮した値が設定されている場合は、加算する必要はありません。
注2)イベントチャネルグループの最大接続数については、“■最大接続数の設定”を参照してください。
注3)本設定を変更した場合、システムパラメタの設定が必要です。システムパラメタの設定については、“Interstage Application Server チューニングガイド”の“システムのチューニング”-“サーバ機能運用時に必要なシステム資源”-“CORBAサービスのシステム環境の設定”を参照してください。