Interstage Application Serverのクラスタサービスの環境設定について説明します。
なお、クラスタサービス上で運用するアプリケーション環境の構築方法については、「4.4 アプリケーション環境作成」を参照してください。
環境設定作業の流れを以下で説明します。
手順 | 作業概要 | |
---|---|---|
1 | Interstageのインストール | 運用系ノード、待機系ノードに対して、それぞれInterstageをインストールします。 |
2 | Interstage自動起動設定の無効化 | Interstageを構成するサービスの自動起動設定を無効化します。 |
3 | クラスタシステムの事前設定 | 共有ディスクや、データベース環境など、事前に準備が必要となる作業について説明します。 |
4 | Interstageの環境設定 | Interstageの初期化などの環境設定方法について説明します。 |
5 | クラスタサービスの設定 | PRIMECLUSTERやWSFCなど、クラスタ製品に対する環境設定手順を説明します。 |
6 | クラスタシステムの動作確認 | クラスタシステムを動作させ、環境が正しく構築できているかを確認します。 |
Solarisコンテナ環境では、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」に示されている構成1~7のうち、構成5で”ノングローバルゾーンイメージの配置”が”非共有”を除く構成をサポートします。
Solarisコンテナ環境の構築の流れは以下の図の通りです。PRIMECLUSTERのリソース構成に応じて、◎のついた手順を実施してください。コンテナ環境でのシングルノードクラスタ運用の場合は、Interstageについては「ノングローバルゾーンのイメージを共有」する手順で設定してください。
(6)の手順のあと、グローバルゾーンのRMSを起動すると、ノングローバルゾーンのInterstageが起動します。
なお、以下の図では、PRIMECLUSTERのマニュアルに合わせて、"global zone"、"non-global zone"をそれぞれ”グローバルゾーン”、”ノングローバルゾーン”と表記しています。また、”アプリケーションの監視”の”アプリケーション”は、ノングローバルゾーン上のInterstageを意味します。
◎: 必須、-:設定しません、空欄:「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」に従って設定します
*1) 「4.2.4 Interstageの環境設定」に従って設定します。クラスタアプリケーションを起動する必要ありません。
*2) マルチ言語サービスやJ2EE互換を利用する場合でも、ノングローバルゾーンの代表ホスト名([hostname]コマンドで表示される名前)に対応づけられたIPアドレスと、引継ぎIPアドレスが同じである構成の場合、「4.2.4.2 Interstage事前処理」の手順は行う必要はありません。
たとえば、
[ノングローバルゾーンのイメージを共有するケース、かつ、排他的IPゾーンの場合]
・ノングローバルゾーンのネットワークを二重化して仮想ネットワークインターフェースを作成する場合(つまり、ノングローバルゾーンにGlsリソースを作成する場合)は、Interstage事前処理が必要です。
・ノングローバルゾーンのネットワークを二重化せず、ノングローバルゾーンの代表ホスト名に対応づけられたIPアドレスを引継ぎIPアドレスとして使用する場合(つまり、ノングローバルゾーンにGlsリソースを作成しない場合)、Interstage事前処理は不要です。
[ノングローバルゾーンのイメージを共有しないケース、かつ、共有IPゾーンの場合]
・グローバルゾーンの仮想ネットワークインターフェースに対応するノングローバルゾーンのネットワークインターフェースに、ノングローバルゾーンの代表ホスト名に対応するIPアドレスを割り当てる場合、Interstage事前処理は不要です。
・グローバルゾーンの仮想ネットワークインターフェースに対応するノングローバルゾーンのネットワークインターフェースに、ノングローバルゾーンの代表ホスト名に対応するIPアドレスを割り当てない場合、Interstage事前処理は必要です。
PRIMECLUSTERのリソース構成、ネットワークの構成、およびInterstageの利用機能に応じて、Interstage事前処理を行ってください。
*3) クラスタ構成でない、通常のセットアップを行ってください。
*4) ノングローバルゾーンのイメージを共用しない場合は、Fsystemリソース(Intrerstageが共用ディスクを使用する場合)とGlsリソース(排他的IPゾーンの場合)のみを持つクラスタアプリケーションを作成します。
*5) 「4.2.4 Interstageの環境設定」に従って設定します。グローバルゾーンのクラスタアプリケーションをOnlineにすることで、ノングローバルゾーンのクラスタアプリケーションがOnline(起動)になります。
*6) CmdlineリソースはJava EE 7をPRIMECLUSTERと連携するために使用します。Cmdlineリソースの修正、登録、およびJava EE 7用のクラスタアプリケーションの作成については、「Java EE 7 設計・構築・運用ガイド」の「高信頼システムの運用」を参照してください。
各設定手順の詳細を、以降に説明します。